saecotta's blog

折々の感動、思いをスケッチと作文で

桜の幹

2011年04月19日 01時39分48秒 | スケッチ

激しい風雨が葉桜の枝を打っています。梢のところどころに残っていた花もみな散ってしまうことでしょう。
「梢うつ雨にしをれて散る花の惜しき心を何にたとえむ」(西行)

花の美しさは言うまでもありませんが、桜の幹に心惹かれています。
花の間に見え隠れする黒々とした幹はたくましくかつしなやかで、ブロンズ像のようです。
どういう連想の繫がりなのか何故か、荻原碌山の「デスペア」、「女」の像を思い浮かべたりします。

ところで、
名古屋に「女」のブロンズ像が展示されている場所があることをご存知ですか。

金山駅近くを歩いていた時、友人が「見せたいものがある」と、つかつかと公共施設の中に入っていきました。
ついていくと、ロビーの片隅、パンフレットなどが置かれているコーナーの横に、見覚えのある像がなにげに、いや何気なく展示してありました。

プレートに「作・荻原碌山」「寄贈・ヒマラヤ美術館」とありました。

それ以後、金山駅近くに行くと会いに行きます。

かつて穂高村の碌山美術館を訪れた時、強い感動を受け、碌山を支えた相馬良(のちの新宿中村屋の相馬黒光)に関心を持ちました。
「安曇野」(臼井吉見著)は明治30年代から昭和48年までの社会的背景の中で、近代思想を求める人々が描かれています。
黒光と碌山の心の触れ合いも感動的です。
「女」像に再会し、今読みなおしていますが、内容が濃すぎてなかなか読み進むことができないでいます。

Wikipedaで荻原録山を検索すると、この彫刻像の生まれた背景が載っています。


「女」の石膏原型は国の重要文化財になっており、その複製ブロンズ像を東京芸大が最新技術で再現したとの記事が昨年末の新聞に載っていましたが、それとこれとはどういうことなのでしょうか。

上欄アルバムに写真を載せました。場所をご推察の上、ぜひ会いに行ってください。



春なのに~

2011年04月03日 22時27分48秒 | スケッチ

スケッチは馬篭宿から眺めた残雪の恵那山。
恵那山は木曽山脈(中央アルプス)の最南端に位置する標高2191mの山。
この山のふもとにはシデコブシの自生群落がところどころに残っています。

シデコブシは幣辛夷・四手拳とも書き表されるように花びらが12片ほどに分かれた白または薄桃色のモクレン科の花。
愛知県では渥美半島の根元、田原に自生地があります。
きれいな地下水の流れる湿原に群生し、この花の咲く頃の地表はハルリンドウ、ショウジョウバカマも咲き乱れています。
しかし、宅地造成など開発の波に押され自生個体群は絶滅危惧種に指定されています。

ところで、うちの近くの商店街の街路樹のシデコブシは今満開、きれいです。
毎年、ソメイヨシノ開花に先駆けて咲き始めます。
この種は、中国原産の乾燥に強い種だとか。

魚などでは種の保存とか外来魚排除など問題になっていますが、植物の世界はコスモポリタンですね、特に園芸種など。
北欧に行っても南欧に行っても花屋さんで売っている花は、ほとんど日本の花屋さんも同じ。
バイオとか科学技術によって、楽しみを共有出来ることはいいことかもしれないけど、何かヲカシイ・・・。

科学技術を信奉しプロメテウスの火に手を付けた私たちに、ヘラクレスはいずこと願う毎日です。