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激しい風雨が葉桜の枝を打っています。梢のところどころに残っていた花もみな散ってしまうことでしょう。
「梢うつ雨にしをれて散る花の惜しき心を何にたとえむ」(西行)
花の美しさは言うまでもありませんが、桜の幹に心惹かれています。
花の間に見え隠れする黒々とした幹はたくましくかつしなやかで、ブロンズ像のようです。
どういう連想の繫がりなのか何故か、荻原碌山の「デスペア」、「女」の像を思い浮かべたりします。
ところで、
名古屋に「女」のブロンズ像が展示されている場所があることをご存知ですか。
金山駅近くを歩いていた時、友人が「見せたいものがある」と、つかつかと公共施設の中に入っていきました。
ついていくと、ロビーの片隅、パンフレットなどが置かれているコーナーの横に、見覚えのある像がなにげに、いや何気なく展示してありました。
プレートに「作・荻原碌山」「寄贈・ヒマラヤ美術館」とありました。
それ以後、金山駅近くに行くと会いに行きます。
かつて穂高村の碌山美術館を訪れた時、強い感動を受け、碌山を支えた相馬良(のちの新宿中村屋の相馬黒光)に関心を持ちました。
「安曇野」(臼井吉見著)は明治30年代から昭和48年までの社会的背景の中で、近代思想を求める人々が描かれています。
黒光と碌山の心の触れ合いも感動的です。
「女」像に再会し、今読みなおしていますが、内容が濃すぎてなかなか読み進むことができないでいます。
Wikipedaで荻原録山を検索すると、この彫刻像の生まれた背景が載っています。
「女」の石膏原型は国の重要文化財になっており、その複製ブロンズ像を東京芸大が最新技術で再現したとの記事が昨年末の新聞に載っていましたが、それとこれとはどういうことなのでしょうか。
上欄アルバムに写真を載せました。場所をご推察の上、ぜひ会いに行ってください。
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