「九条俳句」掲載へ
判決受け、さいたま市発表
さいたま市大宮区の公民館だよりが「九条俳句」を不掲載にした問題で、俳句の作者の女性が市に掲載を求めた裁判で原告側の勝訴が確定したことを受け、市は25日、俳句の掲載を決めたと発表しました。判決受け、さいたま市発表
さいたま市大宮区の三橋公民館は2014年6月、同館俳句サークル会員の女性(78)が詠んだ「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の旬を公民館だよりに掲載することを拒否。裁判では、さいたま地裁が17年10月、東京高裁が18年5月、ともに不掲載は違法との判決を出しました。
原告側、市側ともに上告し、最高裁は20日、双方の上告を棄却。市に5000円の賠償を命じた二審東京高裁の判決が確定しました。
さいたま市の細田真由美教育長は会見で、最高裁判決を真摯(しんし)に受け止め、謝罪すると述べ「作者の気持ちに配慮し、掲載する」と表明。今後、公民館だよりの編集への住民参加も検討することを明らかにしました。
これに先立って同日、東京都千代田区で会見した原告女性は「このようなことが見過ごされて当たり前になってしまうのが恐ろしくて、たたかってきました。市は誤りを認め、俳句を掲載してほしい」と話していました。
九条俳句不掲載は違法、最高裁で確定
「九条俳句」の公民館だよりへの不掲載をめぐる裁判で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は20日、原告の女性側、被告のさいたま市側双方の上告を棄却するとの決定を出しました。同市に慰謝料5000円の支払いを命じた二審東京高裁の判決が確定しました。
さいたま市大宮区の三橋公民館は2014年6月、同館俳句サークル会員の女性(78)が詠んだ「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の句を公民館だよりに掲載することを拒否。女性が市に俳句掲載を求めた裁判では、さいたま地裁が17年10月、東京高裁が18年5月、ともに「俳句不掲載は違法」との判決を出していました。
原告の女性は決定を受けて「最高裁で悪い判決が出たらどうしようと不安だったので、ほっとしています。市は話し合いの場でも『最高裁の結果を待つ』としか言いませんでしたが、こういう結果が出たのだから、早く俳句を掲載してほしい」と話しました。
補正予算案などに反対、12月議会が閉会
さいたま市議会12月定例会は21日、47件の市長提出議案を可決して閉会しました。日本共産党は、一般会計補正予算案など11件に反対しました。
鳥海敏行市議が討論に立ち、公立の放課後児童クラブの指定管理者を指定する議案について、子どもたちは支援員との信頼関係を築きながら成長しているとして、「運営者が変わる可能性のある指定管理制度は学童保育施設にふさわしくない」と指摘しました。
市長などの特別職の職員の期末手当(一時金)を引き上げる条例案について、市民の平均所得が10年間で約13万円減るなかで、市長の給与は5年間で約340万円引き上げてきたことを批判し「市民の納得はとうてい得られない」と主張しました。
市議会は同日、「高経年化した原発の運転期間の延長について慎重な対応を求める意見書」を賛成多数で可決しました。意見書は市民から提出された、東海第2原発の運転期間を延長しないことを求める請願を受けて、各会派間で協議し、提出されたものです。