震災から2週間。
テレビでは震災のニュースの他に
通常通りの番組が放送されるようになりましたが、
震災直後はコマーシャルはカット、
地震速報、緊急番組のみでした。
そんな時、
我々大人にとっては災害と地震の状況を
知るためにニュースを見ずにはいられないものですが、
子供にとっては
そのニュースそのものが「怖い」もの。
泣き荒れる息子に、仕方なく、
DVDを見ることを許可。
どうせ、ヒーローものかなにかを見るのだろうと
思っていたところ、
驚くものを棚から取り出してきました。
黒澤明監督の「夢」という映画。
どうして、このタイミングに
このDVDを息子は選んだのか。
しかも、息子はこの映画をまだ観たことがない!
何かの暗示なのか、
息子は何かを感じとってこのDVDを
手にしたのか。
映画「夢」は、1990年に製作された映画。
こんな夢をみた
というフレーズで始まる8話からなるオムニバス映画。
その中の、
第6話 赤富士。
富士山の向こうで
6つある発電所が次から次へと爆発している
というもの。
このストーリーの中に、
「放射能に色を付ける」
という話がありました。
以下、映画の台詞(一部)です。
(正確ではありませんが)
・・・
放射能に追いつかれるのは時間の問題だよ
来たよ
赤いのが プルトニウム239 ・・・
黄色いのが ストロンチウム90 ・・・
紫のが セシウム137 ・・・
・・・
全く人間はアホだ。
目に見えないと危険だと言って
放射性物質の着色する技術を開発したって
知らずに殺されるか
知って殺されるか
それだけだ。
死神に名刺をもらったって
どうしようもない。
・・・
原発は安全だ
危険なのは操作のミスで
原発そのものには危険はない
絶対にミスは犯さないから
問題ない
って
ぬかしたやつ
許せない
・・・
(着色された放射能を払うシーン)
これは1990年の映画です。
でも
同じようなことが
今、現実に起こりつつあるように
思えてなりません。
福島第一原発の放射線物質の漏洩・・・
放射線物質を、
「見えない敵」と称して
立ち向かっていった消防士達。
地震、津波に対して
「敵」という言葉を使うものはいない。
自然に使われた「敵」という言葉に
真実があるように思える。
敵を作りだすのは
誰なのか。
残念ながら
我々、人間である。