長野市の土蔵再生工事。
ようやく先月末に全ての工事が完了し、
先週には事務的な書類等を交わし、
正式に建物を引き渡すことが出来ました
思い起こせば、
2008年にお問い合わせ頂いてから、
2年半もの月日が経っておりまして、
お施主さんには
最後まで辛抱強く私共にお付き合い下さって
素直に感謝の気持ちが生まれます
そして、毎度のことではありますが、
建物の鍵をお施主さんに引き渡す時が、
ちょっぴり寂しい気持ちになるものです
でも気を取り直しまして
竣工写真を引き続きUPします。
まだ居室とキッチンをUPしておりませんでした。
まずは台所から。
再生前↓
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
再生後
露わになっている梁は、
ここまで綺麗にするのが本当に大変でした。
大工さんに皮を剥いでもらい
更にお施主さんが自ら
サンダーをかけ
(過去の記事 「梁を削ってもらってます!」)
虫食いの跡はパテで埋め、
そして自然塗装をする。
お施主さんが本当によく頑張ったので、
とても美しい梁になったと思います
次は1階居室。
再生前
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
再生後(居室)
次は、トイレ。
トイレは増築した部分に設けました。
こちらは、カウンターに作った引き出しです。
タモの無垢板と集成板で作りました。
最後に
目立たない部分ではありますが
こだわりの部分があります。
正面玄関の戸枠下の石↓
工事中の玄関土間部分↓ レール石と戸枠下の沓石です。
玄関戸の敷居部分のレール石と
戸枠下の沓石は
長野県の松代産の柴石 を使いました。
最近、私達の設計では
松代産の柴石をよく使います。
直接、柴石を切り出している石材屋さんまで伺って
詳細図を渡して加工してもらっています
今回は戸枠回りの納まりが難しく
石の加工もちょっと複雑になりました。
和風住宅では、
こうした玄関先の納まりは非常に神経を使うと共に
上手く納まるかどうかが決め手になります。
柴石は軟らかい石ですので、
乱暴に扱うと欠けてしまうのですが、
出来るだけ地元の石を使いたい というのと、
長野市の古民家にはよく柴石が使われているので
柴石を使うようにしています。
(価格も御影石に比べればお手頃です
)
さて、こちらの土蔵再生工事は
住宅エコポイント(エコリフォーム)を使うことが出来ました。
設計段階では特に意識的にエコポイントがもらえるように
配慮して設計したわけではありませんでしたが、
寒冷地における古民家の断熱には
いつも力を入れて設計していますので、
しっかりエコポイントを頂くことが出来ました
制度の良し悪しは別として
お施主さんとしては非常に有り難いことだったと思います。
エコリフォームのポイントの上限は30万ポイントですが、
満額までには一歩及ばなかったものの、
いろんな追加工事による増額もありましたので、
即時交換で工事費に充てることもできて
良かったです☆
また、こちらの家には
かなり設備機械が充実しておりまして、
全館床暖房になっています。
先週、お邪魔した時は、
3㎝の厚みの無垢の赤松フローリングの床暖房の部屋は
合板の複合フローリングの床暖房部分より
足裏の感触も良いし、保温性が違う感じで
なかなか快適でした
でも、
床板が透いてきた
とお施主さんは気にされていましてー
そうなのです。
そこが床暖房の欠点といいますか、
床暖房による乾燥によって木部が痩せて透きます。
我が家でもそうなのですが、
床板の継目や、壁の際など2、3㎜は普通に透きます。
家具も痩せてビスが緩むこともあります。
これが床暖房の必要の無い時期になると
また自然と元に戻りますので、
あまり気にしなくても大丈夫です。
でもっ
家具の緩んだビスは、元に戻りませんので
気が付いた時に締め直さないといけません。
(ダイニングテーブルがゆらゆら・ガタガタ
になったりすることもあります)
さて、土蔵再生工事も終わりました。
1棟1棟が私達にとりましては大事な経験となります。
設計しっぱなしでは、
実績としての営業にはなりますが、
設計者として真の経験にはなかなか成り得ません。
ので、
今後の設計に活かしていけるように
室内環境の状態や
電気代など継続的に観察することをお施主さんに
お願いをしましたので、
今後、教えてもらいながら住み心地の感想を
聞いていこうと思っています☆

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