さいふうさいブログ

けんちくのこと、日々のこと、いろんなこと。長野県の建築設計事務所 栖風采プランニングのブログです。

古民家の耐震性について思うこと

2024年01月25日 | ◆建築に思うこと

大きな地震が起こる度に、木造住宅の耐震性について色んな話が聞こえてきます。

こういう時こそ、ブログをまとめなければ!と久々に頑張って書いてます^^;;

 

まずは、木造(木造軸組工法)の耐震性確認法について計算方法は3種類あります。

 

・壁量計算(略算方式)
・許容応力度計算(構造計算)
・限界耐力計算(構造計算)
 

他に、既存木造住宅の耐震診断調査方法は3種類あります。

 

・誰でもできるわが家の耐震診断(問診方式)
・一般診断法(略算方式 方法1、方法2)
・精密診断法(構造計算 方法1、方法2)
 

2階建て程度の木造住宅においては、

新築でも改修でも、耐震性の確認方法としては「壁量計算」で確認するのが一般的かと思います。

ただ、ここで問題になるのが、伝統工法の古民家の扱い

 

古民家と呼ばれるような伝統工法の住宅と、

中古住宅として扱われる程度の木造軸組工法(ここでは在来工法と呼ぶことにします)の違いは何かというと、

いわゆる木組み・継手・仕口だけを殊更取り上げての大工技術の違いをいうのではなく、

耐震性を考える場合の根本的な違いは基礎です。

基礎については、石場建てかどうかの違い

♦伝統工法は「玉石・布石基礎」
♦在来工法は「コンクリート基礎」

 

については、斜材である筋交の有無の違い(面材についてはここでは敢えて触れません)

♦伝統工法は貫工法で「筋交無し」
♦在来工法は「筋交有り」

 

ただ大正昭和初期くらいの古民家の場合は、基礎はコンクリートで、壁は貫工法の土壁という古民家もあります。

伝統工法から在来工法へ移行していく過渡期だったと思われます。

 

実は、栖風采プランニングのHPのブログは古民家再生に関する記事が多いため

(さいふうさいブログとほぼ同じ記事をHPのブログにも掲載しています)

古民家 基礎がない」或いは「古民家 基礎」という検索キーワードで、殆ど毎日ブログに訪問者があります

昨今の流行り、と言いますか、

空き家対策 や リノベーション に伴って、それが古民家だった時に、

あれ?!(コンクリート等の連続した)基礎が無い~~!

ってなるのでしょうね。多分(笑)

 

恐らくそこで「古民家 基礎 ない」等で検索して私のブログ(特に↓の記事)に辿りついているのだと思われます

 

ちなみに、「古民家 基礎が無い」と言われるような基礎は、石場建てと呼びます。

礎石(玉石)の上に直接柱を建てたり、玉石や布石の上に土台を敷く(置く)やり方です。


玉石基礎(石場建て) 柱建ての場合
(図は『伝統木造建築事典』より)



玉石基礎(石場建て) 土台敷きの場合
(図は『伝統木造建築事典』より)


布石基礎(石場建て)
(図は『伝統木造建築事典』より)


 

今のようにコンクリートが住宅の基礎に一般的に使われるようになったのはいつからか

地域性もあってはっきり分かりませんが

私が今まで関ってきた古民家から推測するに大正頃じゃないかと思われます。

なので、

明治期までの古民家は殆どが石場建てといっていいと思います。

 

コンクリートが使われるようになった大正から昭和、戦前くらいまでの古民家の場合は、

コンクリート基礎になっていたとしても、コンクリートには鉄筋は入っておらずフーチングもなかったりで

単に土台敷きのためのコンクリート(それまでの布石に代わるもの)というものだったと思います。

 

参考まで

私共が関わった古民家の中に、建設当時の設計図が残されている家がありましたので、一部お見せしたいと思います。


長野市東和田 住宅設計図(大正14年9月)

 

この矩計図の本屋部分の基礎をみますと、

栗石の上にコンクリート(無筋)の布基礎が描かれています。

一方で下屋は沓石。

この図には描かれてませんが、本屋内部の大黒柱などは石場建てです。

 

このように、建築基準法が制定される(建築基準法は昭和25年施行)の古民家は、

玉石基礎の石場建てであったり、玉石基礎とコンクリート製の基礎が混在しているものなどがあり、

これら伝統工法の場合、

耐震性の確認方法として建築基準法に基づいた壁量計算をしようにも

壁量計算では、耐震要素として評価される「耐力壁」はコンクリート基礎と土台と筋交等のある壁が一体で評価されるため、壁量計算自体不適切

 

市町村で実施されている耐震診断の一般診断法(方法1)も壁量計算とは若干違いますが、

「壁」を耐震要素として考えているため、壁に依存していない伝統工法には同じく不適切

 

耐震診断の一般診断法(方法2)が辛うじて伝統的構法向けに用意されている計算のようですが、

実はこれも柱が140㎜以上ということで使えません。

伝統工法の古民家を測量したことのある人はお分かりかと思いますが、

一棟の建物の中で柱の太さは一律では無く、大黒柱・中黒柱・小黒柱のような太い柱以外は

案外4寸(120㎜)前後の柱だったりもしますので

柱が140㎜以上と条件が付けられてしまっては耐震診断の一般診断法(方法2)も使えないのです。

 

この通り、伝統工法(石場建て)に対して耐震性を確認する術が、実は不適切な方法ばかり

 

一般の方にとってはそんな実情も知らず

昔から受け継いできた古民家などを自治体で無料でやってもらえる耐震診断をしてもらったところで

壁の少ない伝統工法は耐震性がない という残念な結果を受け、

不安になる古民家所有者の方も多いのです。

 

それでも、永い年月、耐え残って来た古民家を受け継いできた所有者ならば

本当に耐震性がないのか?

と疑問に思う方もいらして、私のところへ相談へ来られる方もいらっしゃいます

そういう方々へは、その耐震性の確認法が不適切、という話から説明を差し上げてる次第です。

 

ここから本題になりますが、

じゃ、古民家の耐震性の確認、更に耐震改修はどうすればいいの?って事になりますよね。

考え方としては2通り。

 

① 伝統工法の古民家を、在来工法の考え方で建物全体を壁量計算をして、

玉石基礎→コンクリート製の基礎+土台+耐力壁(接合補強金物も含む)にする耐震改修をするというもの。

壁量計算は建物全体で計算しますので、部分的な改修、表面的なリフォーム、リノベーションにはこの方法は使えません。

 

② 伝統工法の古民家を、限界耐力計算法を使って、

耐震要素として評価できる壁の設置制振金物などを使って耐震改修をするというもの。

こちらは石場建てのまま耐震改修することが可能になり、

コンクリート基礎を作らずとも、壁を増やしたり、耐震用の金物(制振金物など)を使って耐震性をあげることが可能です。

在来工法の手法と大きく違うのは、コンクリート基礎と壁の量に依存せずに建物の耐震性を上げることが出来る点です。

とはいえ、コンクリート基礎が不要ということを言っているのではありません。

耐力壁を作るためのコンクリート基礎が不要なだけであって

地盤や建物の不陸を起こさないための補強用にコンクリートを使った基礎は有効です。

 

私も数年前までは、伝統工法を在来工法の方法で耐震改修していました。

一番ネックだったのはコンクリート基礎と合わせて耐力壁の新設。

在来工法の考え方として耐震要素として重要なものは「耐力壁」ですからね。

耐力壁はコンクリート基礎に土台を緊結した上で耐力壁を作らないといけないので必ず基礎工事が発生します。

耐力壁の量は、壁量計算をして必要な耐力壁の長さを求め、それをバランスよく配置しないといけないのですが、

そうすると、

それまで広々と建具だけで間仕切られていた古民家特有の間取りを変更して壁を増やしたりしなければならなく

結構な改造を強いられます。

しかしこの方法できちんと耐震改修すれば新築並みの耐震性を得る事が可能ではあります。

 

【伝統工法を在来工法で耐震改修した事例】

小諸市 古民家再生
佐久市 古民家再生
扇屋主屋 保存修理工事

 

ただ、伝統民家をコンクリート基礎でやり直すというのは、本来の伝統工法とは異質なものにしてしまうため、

伝統を受け継ぐ、残す、という観点で不自然さが拭えず、これでいいのだろうか、、、と

自問自答を繰り返しておりました。

 

阪神淡路大震災が起こった1995年(平成7年)から5年後の2000年(平成12年)に建築基準法の大改正が行われたのですが、

この2000年の法改正により、最初に書いたように、耐震性の確認法として

壁量計算のみならず、許容応力度計算限界耐力計算などが適応されることになりました。

 

そのような中で2009年頃だったでしょうか。

栖風采の仕事がほぼ古民家の再生改修関係ばかりになってきたところで

限界耐力計算による伝統工法の耐震設計法の書籍に出会い

以来、ずっと限界耐力計算による耐震補強設計を取り入れたいと思っておりましたが

自力での計算も難しくなかなかその一歩が踏み出せずにおりました。

 

このように私自身の課題として、

限界耐力計算法による古民家再生設計をやりたいと十数年前から考えていたところ、

4年程前に念願のスタッフが入所したのをきっかけに

人手が増えたことと、その時設計していた古民家再生計画のお施主さんから耐震設計についてご理解を頂き

初めて限界耐力計算法を取り入れた古民家再生にこぎつけたところです。

(とはいえ計算そのものは外注です^^;;)

 

【限界耐力計算で耐震改修した事例】(現在進行形)

 

画像☟は今やってる古民家再生現場(1900年に建てられたとされる農家型茅葺屋根の伝統家屋)の限界耐力計算、一部抜粋になります。


 

 

まずは既存現状の間取りで計算すると、限界耐力計算上だと、現状のままで耐震性能が安全限界内

というような数字が出てしまってます。

どうでしょう!

すごい。


いわゆる現行法において耐震性の評価として壁量の少ない古民家は

耐震性が無い無いと言われ続けておりましたが

きちんと建てられている古民家は(小屋とか粗造なものを除く)、経験的といいますか、直感的に、

ぺしゃんこに潰れるようなものではなさそうだと感じていたものでしたけれども、

こうして計算されてみると(計算上に過ぎないけれど)

伝統工法では安全限界内だということが数字的に分かって何だか嬉しい

 

これが一般的な耐震診断をすると、古民家はNGとされるんですから、たまったものじゃない

 

ただ、これはあくまで計算上に過ぎず

古ければ古いほど、劣化があったり、

下手な改造がなされていればかえって悪影響を及ぼしていたりしますので

そこは計算に頼らず、古民家の劣化状況構造的建物見れる目を養う必要があります


(ちなみに夫は昨年、木材劣化診断士を取得しました

 

こうして限界耐力計算してみれば、なーんだ、とつい言いたくなりますが

私には今、自力で限界耐力計算する能力がないので
60歳までに限界耐力計算を身につけたいなと密かに思ってたりします


その前に、今、建築学科に行ってる息子に構造系へ進むようにそーっと仕向けているのですが、どうなるやら

 

ということで


古民家の耐震改修については、大きく2つの考え方があることを書きました。

方法については個々の事例毎に詳細に考えるべきことで、

一律の指針で進めることではないと思っています。

 

今回の能登半島地震をうけ、

ニュースや専門家の間では、様々な論議が繰り広げられていますが

大地震は発生する度に事象が違い、その都度、新たな耐震的な課題が浮上し論争、議論がなされます。

 

いつの時代も木造の耐震については同じような論争を繰り返していたことが

こちらの本を読むとよく分かります。

再度読み返してみたのですが、かなり面白い。

これを機にじっくり読みたいと思っています

 

 

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事務所開設当初に携わった家々がそろそろメンテナンス時期

2019年05月26日 | ◆建築に思うこと

ワタクシ、栖風采プランニング(建築士事務所)を開設して、かれこれ18年目になります

開設当初に携わった家が、そろそろ何かしらメンテナンスの必要となる時期を迎えております

 例えば、我が家。

今、暮らしている昭和の家をリフォームしたのが【2004年】でしたから

今年でリフォーム後、15年目になります。

  

2~3年前程から、床暖房用の灯油ボイラーが壊れたり、お風呂やキッチンの蛇口が壊れり、取手が取れたり、注水システムが壊れたり。

そうだ昨年の暮れ頃には洗濯機も壊れました。(←これは家電だから家とは関係ないですけどね 笑)

我が家のメンテナンス 2016年総集編


 
 
 

 そして先日投稿した熱源機交換工事したS宅

【2003年】に竣工した新築物件(二世帯住宅)で、今年で築16年目ですし。

 

 更に②のS宅の工事をやりに長野市へ行ってる最中に、

なんと【2010年】に竣工した長野市土蔵再生(再生後9年目)のM宅さんから電話があり

羽アリが出た!との連絡が

写真を見せてもらうと、それは白アリの羽蟻でした

  

ちょうど長野市でS宅の工事中だったので、すぐに状況を確認しに向かったうちの旦那さん。(ホント旦那さん大忙しなの

S宅の工事に同行していた床暖房の業者さんが、実はホウ酸防蟻の出来る業者さんだったので一緒にM宅を見てもらいました。

取りあえず、羽蟻の発生した場所は未改修部分のところだったようですが、

9年前に土蔵再生改修した部分に白アリが入り込んでは困りますので、

ホウ酸防蟻の見積もりを出してもらうことに。

  
 
 更に更に先週には、

【2005年】竣工した新築物件(築14年目)のU宅さんからお電話が!

障子紙(ワーロン)が痛んできたので14年越しに貼り替えようと思ったら、障子窓が外れない、とのお電話。

その障子は吹き抜け部分の障子戸だったので、外れにくくしてあった記憶がよみがえる。

いや、外れにくくというより、コールドドラフトを感じにくくするためにしてあったのですが、多分、そのせいかと思い、当時の現場工事写真を確認する。

何とか外せたと連絡がその後あり、取りあえずホッとしました。

 

 更に更に更に数日前の事ですが、

20年前程にやった古民家再生&民宿(新築)のS宅さんからこんなメッセージが

  

ん?ん?ん?

またテレビに出たのかしら?!

   

ちょっとググってみましたら、この番組かも!

 

おーっ!

多分、この事だよね!

のうぎょうみんしゅく 一風 とある~

今までも何度かテレビに出ていて

さいふうさいブログでもこんな記事を書いた事がありました

今度は全国放送に出た!

 

それはともかくとして、

20年の結果の確認をしにおいて、とのメッセージに焦る

そしてこれからのアドバイスか・・・

家づくりに終わりはないなぁ

人生と同じですね~

   

それだけではありません。

 

 確か今年の2月頃には、ジャズ喫茶のSさん(土蔵再生22年目?)からも連絡があり

終活を考えるにあたり、所謂、終の住み家、栖(すみか)の、プランを考えたいとのお話も

 

新築であろうが民家再生であろうが、竣工後、十数年後のメンテナンス時期を通り越して、

20年近く経つと、そろそろ次のライフステージへ、という感じでしょうか。

  
正直ビビる
  
 
どの物件も

その当時、それが一番いいと思ってやってきた設計ではありますが

ある程度の年数が経ち、

こうやって何かしら連絡が来るようになると、

自分の設計した家の責任?というか、それで良かったのか、を問われる時がいよいよ来た!という感じです

  
  
そもそも、設計者って、設計しっぱなしで、その後、その家がどういうメンテナンスを必要としているか、知らないで過ごしている人も多いはず。

メンテ関係は施工した業者さんとか器具類ならメーカーさんとかメンテナンスをするので、設計者まで直接電話が来る事はあまりない。

 
 
でもうちは、設計と施工と、それぞれ別屋号で私と旦那とでやってるので

メンテナンス関係については、旦那さんのところに連絡がきますから、

私は実はその横で内心ドキドキしています

  
しかし、こうやって連絡を頂ける事だけで嬉しいもので
 
本当は、カレンダーを送るだけじゃなく、顔を出したい
  
  
 
でも本当に本当に、今は全く余裕が無いー
  
誰かも言ってましたが、子どもが中学生の時が何かと一番忙しいとか
 
中学生、もうお留守番だって出来るし、そんなに手が掛る訳じゃないのに、
 
保育園の頃の方が、案外しっかり子供を預かってくれて安定して仕事が出来たような、、、
 
小学生の頃は保育園の頃より、手は掛らなくなった割に行事が増えて時間がなくなったけど、放課後の児童クラブのお陰でまだ仕事の時間はそれでも多少は安定していた、、、
 
中学生は、部活動や課外活動などで、活動行動範囲が広くなって、放課後だけじゃなく平日から土日まで送迎が増える・・・
 
小学生の時の方が大変なはずなのに?と思ってたら、周りの人に聞くと
 
いや、中学生の時が特に送迎は一番大変だよ、と。
 
え?!!! そーなの?!!!
 
んー
 
  
  
という事で、
 
来年は息子はきっと高校生になってると思うので
 
今よりはもう少し余裕が出ると思いたい!(←未知数ですが
 
ですので
 
あともう少しすれば(←そう言い続けて何年になるのだ?)
 
皆様のところへもっと顔を出せるようになると思いますので
 
それまで何卒、、、待っていて下さいませ
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古民家再生や修理の見積もりは難しい

2019年02月05日 | ◆建築に思うこと

旧正月ですね

新月から始まる旧暦の元日。

そして昨日から立春。

花を活けておけば気分だけでも春めく

 

昨日4日は正しく立春と謂わんばかりに暑かったですね

 

ちなみに昨年の気温と比較してみますと

長野県東御市の場合

 2018年2月4日は、一日の平均気温4.3℃(最低気温-8.9℃ 最高気温0.6℃)

 2019年2月4日は、一日の平均気温4.4℃(最低気温-4.7℃ 最高気温9.9℃)

平均気温がちょうど、プラスマイナスも違う

暑い訳ですね

 

でも本日5日はまぁ2月らしい寒さ。

朝の最低気温は-7.2℃でしたしね

ちなみに昨年はというと、

 2018年2月5日は、一日の平均気温-6.0℃(最低気温-11.6℃ 最高気温-1.9℃)

最低気温-11.6℃だったんですね

1月下旬~2月中旬くらいまでの間が一番寒い時期なのに、今年は全くそんな感じじゃないです。

やっぱり今年は暖冬。 

 

 

 

さて、今週から
またもや古民家再生・修理等の積算、集計、見積な日々・・・

それも複数件

これは1月にやるべき仕事だったのですが、1月は例の件で潰れてしまいましたからね

今、慌ててやってます

 

それにしても古民家の修理の見積りってホント難しい。。。

多少融通の効く見積内容にしておかないと、予測出来ない事が色々発生する古民家の修理&再生ですから

その見積り加減は難しい。

  

材料費の見積もりはまだいいのですが

手間賃の見積りが、なかなか上手くいかない。

これまで幾つも古民家再生をこなしてきて何度も積算してきましたけど、

設計価格とか積算資料だけでは量れない事が古民家再生・修理には多い……。

 

古民家再生を考る方ならまず真っ先に

古民家再生ってどれくらい費用が掛るの?

って、思うでしょう。

 

一応プロのワタクシですら、そう簡単に積算が出来ないのですから

一般の方が古民家再生の費用の情報を集めようとしても、それは難しいと思いますね。

古民家再生のご依頼の場合、

私の設計仕事の1/3くらいは予算と見積もりの狭間で悩んでいると言っても過言じゃないくらいですから

そんなこともあって、私のところへは古民家再生に関する建築相談が割と多く寄せられます

 

  

さてと・・・

山積している見積もり・・・

溜息しか出ないんですが

頑張ろう

 

 

 

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色々な事が起こり過ぎて・・・

2018年07月13日 | ◆建築に思うこと

前回ブログを更新してから1ヶ月以上、、、

この間には色々な事がありました。

ブログに何かしら記そうとしても、言葉も、自分の考えも、追いつかない。。。

  

そうやっているうちに、7月も1/3が経ってしまったので、そろそろ何か書こう!

言葉の追いつかないものは筆が進まないので、ここは一先ず、現場の進捗状況を書こう!

と、

デスクに向かったちょうどその時に、最新の日経アーキテクチュアが届きまして、そのタイトルを見て思わずまた手が止まる。。。

そうよ、、、

今、まさに「西日本豪雨」で大変な事になってるけれども、

先月の6月18日には「大阪北部地震」があったばかり。

ブロック塀倒壊によって児童や通学の見守り活動の方が亡くなられたニュースを見て、いたたまれなく怒りが込み上げてたのでした。

(被災として割りきれない。。。)

これを受けて長野県でもブロック塀の緊急調査、そして建築基準法に適合していない塀の解体が始まっている。

民間の危険なブロック塀に対しては長野市では撤去費用の補助制度の拡充がなされるというニュースもあった。

 (信毎WEBより

 

ちなみに、私の暮らす東御市にも倒壊のおそれのあるブロック塀等の除去に補助金が交付されてます。

東御市 生垣設置及びブロック塀等撤去事業補助金

ブロック塀の撤去を検討されている方は、今一度、市町村に問い合わせてみるといいと思います。

 

 

実はこの大阪北部地震が起こる少し前の6月の上旬頃、

「耐震木造技術の近現代史」という本を購入して少しずつ読んでいました。

  

これを読んでいる矢先に「大阪北部地震」があり、、、 

そして7月になって「西日本豪雨」、、、

まじか、、、

 

全国の何処かでこれだけ災害が起こるという事は、

これまで経験した事のない災害は、誰でも起こりうる事態になりつつある

私の記憶する限りの体感した災害をノートに書き出してみた↓↓↓のですが、自分でもその多さに驚きます。

(被災はしていないけども何かしら体で災害の影響を受けたものを〈体感〉、実際目の当たりにしたものを〈経験〉としたいと思います)

 

ちょうど大学を修了目前の時に阪神淡路大震災を京都で体感したのから始まり(1995年1月17日)

息子を出産したばかりの時に須坂のアパートで体感した新潟の中越地震(2004年10月23日)

そしてあの東日本大震災も東御で体感し(2011年3月11日)

体感はしてませんが、主人の実家が被災した松本地震(2011年6月30日)

海野宿で経験した豪雨による道路冠水(2011年7月12日)

海野宿で経験した大雪被害(2014年2月15日)

海野宿で経験した豪雨(2014年7月9日)

そして体感も経験もしてませんが、広島の豪雨による土砂災害も記憶に残ってます(2014年8月20日)

その同じ年だったのですね、、、関与したことのある家が被災した長野県 神城断層地震(2014年11月22日)

体感も経験もしてませんけど覚えています。関東・東北豪雨(2015年9月)

豪雨の爪痕を偶然見てしまった岩手県等に被害が出た長寿台風平成28年台風第10号(2016年8月)

記憶にまだまだ新しい熊本地震(2016年4月14日)

知人に被害もあったつい先月の大阪北部地震(2018.6.18)

そしてこの西日本豪雨(2018年7月)

  

私が社会人になった1995年から今年で23年程になる訳ですが

その間にこれだけの災害があったと思うと怖いです、、、

そして

自分だけじゃやなく家族友人知人まで含めてみれば、誰かがどこかで被災している。。。

 

実は昨年(2017年)のお盆に北海道の実家へ帰省した時に、

道中、岩手県にある龍泉洞へ立ち寄りました。

龍泉洞のある岩泉町、平成28年台風第10号の被害に遭われていたとは知らずに観光してきた私達

その時の様子です。(2017年8月17日)

(2017.8.17)

龍泉洞内部(2017.8.17)

  

(2017.8.17)

龍泉洞からもう少し足を延ばして安家洞へも行きました。

(2017.8.17)

この表示でやっと呑みこめました、、、

安家洞内部(2017.8.17)

 

 

ですが、この後がもっと衝撃的でした、、、

鍾乳洞を後にして、

何気に通った道にまだまだ台風の爪痕が残っておりました。

(2017.8.17)

(2017.8.17)

(2017.8.17)

(2017.8.17)

 

 

で、本当に偶然なのですが、昨日、私達が長年、保険でお世話になってる人と偶然、主人がコンビニで会いまして、

保険屋さんが私に申し訳なかった、と言ってたそうなんです。

 

その保険屋さん、全国レベルで表彰されるような方で、私は絶大な信頼を置いています。

今まで保険についてどれだけ質問してもきちんと回答を下さる方で、

なんだかんだと、私と主人と仕事関係、車や家なども含め、その保険屋さんから本もの保険を掛けております

なので保険の管理するだけでもかなり大変

  

保険の更新手続きは保険屋さんが代理でやって下さるとはいえ、私もそれぞれ内容を確認したり売上をお知らせしたりしないといけません。

保険が9本もあると、どれがいつ更新なのか、酷い時は引き落とし日までうっかり忘れてしまう事もあり、

その都度、保険屋さんからの催促が来るのでそれが頼りだったりする。

そうやってい保険屋さんからの催促に頼りながら、10年以上もの間、お付き合いしてきたのに

(時にはお食事をご一緒したりも)

今から2年前、

いつものように催促を受けながらギリギリで保険の更新手続きをしていたら、保険屋さんが急に人が変わった?かのような対応をしてきたのです。

え?!なんでそんな事言うの?という感じで、もの凄く嫌な思いをしたのですが

その理由がなんと、今になって判明。。。

  

保険屋さんの実家がなんと龍泉洞の近くなんだそうで

平成28年台風第10号の被害を受け、大変な事になってたそうなんです。。。

(それならそうと、言って下されば良かったのに。。。)

当時、たまたま仕事用の保険の更新が2本あって、確か9月頃だったかな? 

なので平成28年台風第10号と時期的重なっていたことになります。

そんな保険屋さんの個人的な事情を知らない私は、更新手続きをいつも通りギリギリに対応していたので、保険屋さんはつい苛々して投げ出したくなったのだと思います。

(他の代理店に移ってくれと言われてしまったのです。冷静に仕事が出来る状況じゃなかったのね。きっと)

 

実はその一件があって以来、その保険屋さんとは少し距離を置いていましたけど

昨日、偶然に主人に出会ったのが運のつきですよ

  

早速明日にでも、保険屋さんに連絡を入れてみようと思ってます

毎年、必ず顔を出してくれてた保険屋さんなのに、その一件があってから顔を見ていない。

きっと顔を出し難いと思っているのでしょうから、

もう怒ってないよ~って伝えたいです。

むしろ、いつもギリギリで申し訳ありませんでした!と私の方こそお詫びしないと

 

  

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「海野宿」重伝建地区選定30周年記念講演~アレックス・カー氏の講演へ

2017年08月27日 | ◆建築に思うこと

昨日は海野宿のにぎわい夏祭りでした

(今年で3年目の夏祭りです)

 

朝から夫婦それぞれドタバタ

主人は海野宿の新しい行事(この夏祭りだけでなく、春のひな祭り等)の有志実行委員の一人として今年も頑張っておりまして、

いつもどこに居るのか分からない、家に居るようで居ない、海野宿のどこかに居る、そんな感じ

 

で、海野宿でお祭りがあれば、必然的に我が家には息子のお友達が来ます

そんな訳で

北海道に帰省している間にジャングルと化していた庭を、せめて歩くところぐらいは草を刈っておかないといけない、と思い

ここ数日、草刈り、片付け、掃除に明け暮れる日々(泣)

 

そうやって何とか迎えたお祭り当日。

午前中から息子のお友達が出たり入ったりで私も落ち着かない。

で、そろそろお昼にしようと思ったその時に、

数年前にやりました古民家改修のお施主さんご家族が揃いに揃ってお祭りに遊びに来て下さいました 

は、きっと表向きで(笑)
 
お久しぶり~とご挨拶しながら、その後、大変恐縮そうに

 前お話していた2期工事のことなのですが・・・

 相変わらずお忙しいご様子で・・・

 お祭りだからきっと海野宿の通りを歩いていれば、ご主人に会えるかもと思ったら会えました(笑)

と。

きっと、二期工事の事、切り出しにくかったところでの、この海野宿の夏祭り。

お祭りを見ながら私共に会えたらいいかなーと思って来て下さったに違いない。

(そう言えば、現在工事中のお施主さんも以前、祭りの時に私達の様子を伺いに来て下さった事ありました

   

そう思うと、お施主さん達にこのような気遣いをさせてしまいホント申し訳なく思います

でもこうしてご家族皆さん揃って海野宿までお出で下さって、それはそれでとても嬉しい!

(ホントは私が出向かないといけないのに

  

お母様、息子さんご夫妻、お子さん達、

皆さんお元気そうで何より!

あの小さかった子供たちがどんどん大きくなってて、これまた焦ります

(2期工事は子ども部屋の改修なんですものー!)

   

実際、私達、こんなことばかりで(海野宿絡み等、色々で)

仕事の方に若干、いや結構、障っているのは事実なんですが

そういうのもひっくるめて、お施主さんのご理解を頂きつつ(?いや仕方なく待って下さってると思う

何年にも渡るような家づくりを一緒にさせてもらってる訳なんですが、

   

そうは言いましても、ね、、、

「茂木さん達、いつになったらやってくれるのだろう、、、」

と、多分、どのお施主さんも思っているハズ。

   
 
ホントすみません

  
 
スタッフの一人でも雇えばいいのかもしれないけど

そのスタッフも、スタッフ募集にこれまで何人もの方から応募はあるにはあるのですが

「設計や古民家再生をやってみたい」なノリの人からの応募が多く、

そうじゃない!

と、私が彼らの応募の動機に違和感を感じてなかなか採用しない。。。

「やってみたい」が即、就職に繋がるくらいなら誰も苦労はしない。

  

学びたいのなら、取りあえず学費を払って学校へ行って下さい。ですし

経験したいのなら、経験できるだけの環境を自分で切り開いて下さい。です。

全くやった事の無い事を経験したいから就職するって、なんかオカシイじゃないですかね。

そこを履き違えている人が実に多い。

仕事するってどういうことか、を、考えて下さい。って感じかな。

もう、能力とか技術とかそれ以前の話なので、「働き方改革」云々よりも、何か大事な事、忘れてやしませんか、って感じがします。

以前、応募してきた若者の中で、涙目で「さいふうさいさんなら、人として大事にしてくれると思って」という動機で応募してきた人もいました。

余程、理不尽な働き方をさせられてきた事は察しは尽きますけど、

そうじゃないでしょ!

ですよ。ホントに。

というか、こんな若者ばかりで、今の若者の置かれている状況が大変な事も分からなくもないですが、何かがオカシイ。

若いからとか、そういう事じゃない気がします。 

  

・・・

   

   

そんな感じで未だにスタッフも居ない状況、、、

夫婦二人で設計から施工までデザインビルド、、、

更にこの通り、海野宿の事もあり、、、

  

 

そんな言い訳は置いておきまして

久しぶりにお会いしたお施主さんと海野宿の通りで立ち話しながら現時点での二期工事のご希望を軽く伺いました。

長く携わっているお家ですから、間取りもバッチリ頭に入っています。

「何番のお部屋」を、あーしてこーして、で、話が進みます

(蚕室造りの大きな古民家なので蚕室番号で間取りを共有☆)

 

本当ならそのままお施主さん達と一緒にお昼したり、打ち合わせする時間が取れればよかったのですが、、、

息子のお友達が更に来るとか来ないとかで気忙しく、

午後には、そう、海野宿重伝建地区選定30周年記念として、アレックス・カーさんの講演会もあり、

残念ながら折角お越しいただいたお施主さんとは立ち話だけになってしまいました。

   

(前振りが長過ぎでしたね。これからが本題です

  

さて、そんなこんなで午後はバタバタとアレックス・カーさんの講演へ行って参りました

アレックス・カーさんの事はお名前はもちろん存じ上げておりましたけど、書籍はまだ読んだことがありません。

でしたので、今回の講演は是非聴きたかった。

ちなみに、海野宿はあと8年で開宿400年を迎えます。すごいですね

そんな事もありまして、みんなが一体となれるキーワード「400年を華やかに」を目指し

海野宿保存の機運を住民として高め

 お互いに魅せる地域

 訪れて楽しめる地域づくり

を考えるきっかけとして、古民家再生「事業」の第一人者であるアレックス・カー氏をお招きし、これからの海野宿について考える場を設ける、

という事でこの講演会が実現しました。

  

*ここで一言。

アレックス・カーさんの紹介文として 古民家再生「事業」の第一人者 とさせていただきました。一般的には、アレックスさんの事を古民家再生の第一人者と紹介される事が多いかと思いますけれども、敢えて古民家再生の後ろに「事業」と入れたのは、やはり古民家再生の第一人者と言えば建築家 降幡廣信氏だと思っているからなのです。私共が以前、勤めておりました降幡建築設計事務所の所長が 建築家 降幡廣信 氏です

そんな言葉尻、どうでもいいよ!って思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、しかしプロフェッショナルな建築としての古民家再生は、プロデュースだけでどうにかなるものではありません。ましてや最近よく見かけるDIYで根本解決できるものでもありません。(内装やリフォームならともかく) 古民家再生の具現には建築関係の技術者が必須です。

降幡設計の民家の再生は1970年代から始まっておりますので40年以上の実績。1990年にはその実績が評価され「民家再生の新しい方法論を確立するに至った多年の業績」により日本建築学会賞を受賞されています。そして今やその古民家再生(民家の再生)の設計実績は既に400件以上にもなるそうです! 改めて凄いなと思いますね。

ちょうど今年の6月には降幡先生の米寿のお祝いの会がありました。私は一足先に古材文化の会で降幡先生にお会いしていたので(第20回全国集会が2017.6.10にありまして「降幡廣信さんの民家再生建物を見学しこれからの民家を考える」というものに参加)米寿の会には出席しませんでしたけども(でも主人は出席)、降幡設計出身のOB・OGの名簿を拝見すると、その数、なんと80名近くも! そのうち各地域で活躍されている方も多く、そのOB・OGの方々の民家の再生活動も合わせれば、全国でどれだけの古民家が再生されてきたかと思えばそれは相当なものです。

私共も降幡設計から20年近く前に独立させて貰い、今、こうして細々ながらも、所有者の居る古民家を更に一棟でも多く「暮らしのある民家」として存続させていければと古民家再生を頑張っているつもりです。 

ちなみに誤解なきよう、アレックス・カー氏は建築家ではなく東洋文化研究者・著述家・実業家でいらっしゃいまして、古民家再生という手法を使いながら事業(宿など)プロデュースを多数手がけていらっしゃいます。

降幡設計の古民家再生が民間個人住宅が多いのに対しまして(もちろん店舗、旅館等も多数ありますが)、アレックス氏の古民家再生は個人住宅ではなく、地域観光の事業性の高いものが殆どです。ゆえに空き家対策事業絡みの行政やまちづくりには一つの成功例として取り挙げられることが多いのだと思いますね。

 

 

さて、アレックスさんの講演会の演題は「古民家・空き家再生による地域活性化の道」でした。

 

まず冒頭にアレックスさんが海野宿についてこう仰ってました。

 

海野宿の事は全く知らなかったそうで

(あは そう言われてもそうだと思います。 海野宿って一般的にそんなに有名じゃない事はよく分かっていますから。)

でも、実際に海野宿をご覧になられて次のような感想を仰ってました。

伝建地区は保存事業として整備されすぎると無機質になりがちだけれども、

海野宿には緑が多く街路樹の柳やつつじなど色々あって、温かみのある町だ

そして、町として美しく、珍しい とも。

嬉しいお言葉ですね。

 

講演の内容を要約するのは難しいのですが、ざっくりメモした事を列挙してみたいと思います。

 

まず活性化の道として景観と観光をあげておられました。

人口減少の問題を抱えている限界集落地域の地盤強化に移住と観光を挙げられ、最後の救いは観光だと。

では観光客は何を求めているか。

それは綺麗なところであり、お粗末なところではない。

綺麗な町には観光客が来る。

綺麗な町とは、美しい景観であり、ちょっとした田舎や村には「何でもない魅力」がある。

と。

 

この何てもない魅力って灯台下暗しみたいな話で、そこに暮らしている人には気付きにくいところですよね。

  

そして景観を壊しているものとして挙げられていたものは、

 ①コンクリートで覆われた土木・護岸・道路などの公共工事のデザインの問題

 ②歴史ある建物など古臭い「不便」という一言で壊し現代的なものにしてしまう(京都を例に)

 ③日本の電柱は世界の非常識(世界では無電柱化が常識)

 ④街路樹の落ち葉のクレームによる伐採などは異質にみえる(京都などを例に)

 ⑤杉の植林された山

 ⑥大きな看板(商業用の他、公共スローガン看板、神社仏閣の看板も酷いなど)

です。

   

ここで少し話が逸れますが、

看板についてアレックスさんは海野宿の看板については触れませんでしたけども、

海野宿の商店の看板については現在、幾つか問題があります。

実際、海野宿の看板については下記のような協定があるのですが、現実、守られていません。。。

 

  

歴史かおるまち海野宿景観形成住民協定
協定に係る区域 東御市本海野区海野宿
(海野宿伝統的建造物群保存地区 13.2ha
協定者 歴史かおるまち海野宿景観形成住民協定運営委員会(113名)
認定日・認定番号 平成8年3月13日 第31号
主な基準 建築物等 建築物は隣地境界よりできるだけ後退(伝統的建造物は除く)
屋外広告物 自己用広告物のみ(高さ2.5m以下、表示面積1個当たり1.5㎡以下、3個まで、張り紙・張り札・立て旗は原則として設置しない、木製が基本、反射光及び動きのある光源は使用しない)
緑化 空地はできる限り緑化する、街路樹のシダレヤナギの維持管理に努める
自動販売機 原則として設置しない
その他 道路、水路及び敷地内の美化に努める

  

屋外広告は3つまで。

張り紙・張り札・立て旗は原則として設置しない、木製が基本、反射光及び動きのある光源は使用しない。

なんですけどね。

(屋号の木製看板、暖簾等、これだけでカウント2 です。となれば、あと掲げることの出来る看板は一つしかないんです)

残念ながら店舗関係で守られているところは少ないです。

多分、このルールを知らない方もおられるようなので、その辺を今後、教育委員会も交えて住民でルールの確認、見直していく必要があると思っております。

  

 

実際このように↑ 海野宿で景観を壊すような看板を堂々と掲げている最近出来た無料休憩所の店もあります 

 

昔からある地元の店でも、厳密にルールが守られているとは言えない状況であったりするのですが

それなりに風情を保っているお店だったり、

センスが良かったり、手作り看板だったり(←意外といい感じなんですよね)

看板の素材も木製が主流でその点はいいんです。

ただし、樹脂製のソフトクリーム立体看板等はちょっと問題ありですね。明らかに。

(センスや雰囲気が良ければルールを破ってもいいという訳では無いんですけどね。)

  

ですけども、この写真の新しい店はちょっと酷過ぎると思うんです

個人商店ではないだけに、余計にどうなってるの、、、と思ってしまいます。

   

お店を展開する人達は、宣伝をたくさんして自分の店に客が来て欲しいの一心で平気で目立つ看板を掲げ、

景観を壊している事に全く気がついていません。

  

でも、それちょっと待って。 

   

観光客はなぜそこへ訪れに来てくれたのか考えた事はあるのでしょうか。

お店目当てなんでしょうか?(もちろんそういう所もあるでしょうけども)

海野宿の場合であれば、観光客が期待しているものは、昔から残る風情ある町並み であると思うのです。(それを今は伝建制度を使って整備し保存している。)

出来ればそこに「暮らし」が透けて見えてくると一層喜ばれるでしょう。

暮らしのない保存地区は博物館のような感じになり味気ないものになってしまいますからね。

なので、〈暮らしを邪魔しない〉程度の観光化や店舗展開をしていくのが良いと思っています。

   

そのような暮らしのある(家業も含め)生きた美しい町並みは、絵を描く人やカメラマンにも喜ばれます。

もし景観を気にしてみるなら、ちょっとだけ自身がカメラマンになってみるといいかもしれませんね。(今っぽくインスタにUPしてみるのもいいかも?)

  

また海野宿では写生している方々を多く見かけます。

このような絵手紙を送って下さった方も居ました。嬉しいですよね。

茂木さんちとありますが、実はお隣さんの家です

    

ちなみに我が家はこちら。

 

未だに無看板の栖風采プランニング事務所でございます・・・

(建築士事務所の看板は見やすいところに設置する必要があるんですが、うちは伝建地区なので景観上配慮したい旨を申し出まして、一応玄関土間に看板を掲げる事で建築士事務所登録の許可を頂いております)

なので、我が家に訪問にみえる方が、栖風采はどこ?茂木さんちはどこ?

ってなる事も

すみませんね。。。

つい最近、私の実家のある北海道北見市からある工務店さんがアポなしでうちに遊びに来てくれた事がありまして

うちが見つからないと、ご近所さんちに訊きまくったそうでした

で、その建築屋さんったら、うちに到着して第一声が、「こんな不便なところに住んでんのか!笑」でした!

 

そう言えば、アレックスさんの講演でありました。

「この不便(印籠)が目に入らぬか」と! 

 

私の暮らしている海野宿、決して不便な地だとは思いませんが、

実家のある北見に比べれば、それはもう北見の方が断然、暮らしやすいものです。正直。

でも、私は海野に居ます。何故なんでしょうかね。

ってところも含めて、私達はここで古民家再生を主にやってるわけでもあるんですが、なかなか普通には理解しがたいのかもしれませんね

  

   

いけない、話が逸れまくってしまいました

話を講演会に戻しますネ。

 

アレックスさんは言います。

何でもないのがいい、というのはでも単純ではないと。

古民家の活用については、アレックスさんは「綺麗さ」について言及されていました。

それはまず、耐震なども含め、見えないところ(床下の基礎や構造など)はきちんと修理した上で、

建物の内部はある程度は近代的にして綺麗、清潔にしなければと。

  

最近の民泊など(DIY的な簡易改修の事だと思われます)は学生などは我慢できるかもしれないが、

観光客、都会から来る人、外国人等、ある年代以上は綺麗で清潔でないと安心できない

と仰います。

洒落ていて、快適で、そして自然な美しさがあれば、観光客に喜ばれると。

  

観光客の目線に立つこうした感覚は私も同感ですし、

私達が手掛けている個人の古民家再生でも全く同じ事が言えます。

強いて言えば、私達はこれに加え、「寒冷地の快適さ」「断熱性の向上」最近では「省エネ」もうるさいのでそこら辺も考慮して再生しているところです。

  

海野宿では最近、私共も数件ではありますが改修に関わっておりまして

昨年やりました海野宿の古本カフェ「のらっぽ」

アレックスさんからのらっぽの店主奥村さんに(海野宿で見た中で?)一番いいとお褒めの言葉を頂いたようなんです

きゃー 本当デスカ?!

  

確かに、奥村さんからは、飲食する空間なので綺麗にしたい、という事は常に伺っておりましたし

元々奥村さんも東京にお住まいだった方でしたしね。

ですので、アレックスさんの仰ってた 

観光客、都会から来る人、外国人等、ある年代以上は綺麗で清潔でないと安心できない

洒落ていて、快適で、そして自然な美しさも持ちあわせた綺麗で清潔さを感じる改修

に、

のらっぽも合致して見えたのだと思います!

(と勝手ながら良い解釈してみました~

ヤッター~! 

(でも本当はお世辞かも~)

海野宿 古本カフェ のらっぽ

  

アレックスさんに間接的でもお褒め頂きましてとても嬉しいのですけども、

講習会を一緒に聴いた上州屋の麻美ちゃんからは、

「いつも香織さん達が言ってる事とだいたい同じだね」とも言われたので

自分達の活動を再確認させてもらう良い機会でもありました。

香織さんも講演やったら、なんて言われましたけど(よく父にも言われるけど)

いやいやいやいや

私は拙い言葉しか持ちあわせてないし

そもそも人前で何かするのが嫌いやし

目立つのもっと嫌だし

引っ込み思案だし

・・・

無理デス

  

そんな訳で、ブログでは色々書きますけども

ひっそりこっそり?

地味に地道にコツコツ、

一人一人お施主さんに対して自分の出来る事をやっていきたいだけなんです。

  

まちづくり、とか、大勢でプロジェクト的に何か事を起こすのは私自身苦手でして、

あくまでクライアントの要望に応えたい、

そんなスタンスでこれからもやって参りたいと思っておりますのでヨロシクです

 

 

さて、アレックスさんの講演が終わった後は、お楽しみの「海野宿ほのぼの花火の集い」でした!

 

 

花火の後は、上州屋で

そんな訳で今年の夏まつりも楽しかったです☆

 

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我が家のメンテナンス 2016年総集編

2016年12月07日 | ◆建築に思うこと

 

メンテナンスネタが続きます

さて、私が今暮らしている家は、江戸末の古民家主屋ではなく、屋敷内に建っていた昭和の離れを2004年に全面リフォームして、13年目に入っております。

そう、思い出すだけで笑えるのが、忘れもしない昨年の大晦日。

2015年12月31日に床暖房用の灯油ボイラーが壊れた事件(笑)に始まり

今年2016年は、ボイラーに引き続き、キッチン周りなど幾つか壊れた物があったりで

ぼつぼつ交換したり修理をしたり、我が家のメンテナンスを合間合間でやっておりました

  

 

こちらは、2004年、リフォーム直後当時のキッチンの様子。

アフター 2004年 

 

ビフォー 2001年

  


リフォームして13年目にして

2016.4.20 システムキッチンの収納部分の取手が壊れました

(トーヨーキッチン 2004年製 fooシリーズ 大型食品庫) 

  


 

2016.5.20 屋敷内に残っていた昔のお風呂や基礎を今頃、解体したりして

(昭和のお風呂周り 解体)

息子も手伝い。昔のコンクリート土間を解体。

 


  

2016.6月頃? システムキッチンの収納部分の取手が更にもう一つ壊れる 

(トーヨーキッチン 2004年製 fooシリーズ 大型食品庫)

取りあえず、青の養生テープで応急処置

  


そして 

2016.9.2 システムキッチンのシャワー水栓が水漏れ。

  

(トーヨーキッチン 2004年製 bayシリーズ ロングノーズシャワー水栓)

  

金属のホースとヘッドの継ぎ目から水漏れ。

この水栓メーカーはMYM(喜多村合金製作所) 。

今はもうこのMYMは無いので、KVKが修理をしてくれるそうです。

ホース部分の交換修理となるのですが、まだ直しておりません

取りあえず、トーヨーキッチンのシンクには、二つのカランがついているので

壊れてない方(右側)のカランを今、使ってます。

修理は来年でいいや(笑)

  

 

 

 


でやっと、  

2016.11.19 キッチンの取手交換。

取手が壊れてから半年も経って、ようやく取手をトーヨーキッチンメンテナンスから取り寄せまして交換しました

が、しかしですね、、、

メタル色の取手の在庫が既にもう無いとの事で、、、

在庫があるのは、オレンジ色とブルー色と、木目調との事。

さて、どうしましょう。。。

 

シンク側はbayシリーズで、木製取手なので

それに合わせて、じゃ、収納側fooシリーズも、木目調にすることにしました。

 

でも、良く考えてみると、

壊れた取手だけ木目調のもので交換すると、こうなります。。。

やだ、、、ちぐはぐ(笑)

 

なので、結局、収納部分の取手を全部、木目調に交換することにしましたですよ。。。

大型食品庫はこれでオッケー

 

ですが、、、

奥のワーキングカウンターの収納部分はどうする、、、

となりまして、、、

 

はい、この通り、こちらも結局、交換しました。

  

壊れた2つの取手交換するだけで本当は良かったのに

色柄を合わせるために

結局、8箇所交換してしまいましたですよ~

 

ちなみに、大型食品庫の内部はこんな感じでした。

それが今や、この陶器道楽なワタクシ

この大型食品庫なるものに

ぎゅうぎゅうに器を詰めております、、、、、、、、

そのうち棚板も折れるかも

 


  

2016.12.7 2年前の大雪で壊れた工場の下屋、修理

 

覚えていますでしょうか、、、

2年前にあったあの大雪

あの大雪で、屋敷内に建っていた旋盤工場の下屋が崩落しておりまして

 

で、ようやっと、この屋根の修理に着手しましたです

ご覧の通り、

元々、垂木に波トタンだけの下屋で、

それを鉄棒で吊っていただけの簡単な工場の下屋でした。

そもそも、この工場はかなり状態も悪く、

以前に補強はしてあったのですが、

本当なら、土台基礎からやり直さないといけないような工場でして

しかし、そんな修理工事をするよりも、この屋敷にはまだまだ修理しないといけないところが沢山ありまして

何から手をつけたらいいやら、、、な状況だったところへ

大雪で、どーんと屋根が落ち、、、

 

仕方ない、屋根が落ちたままだと危ないので

仮設的に直す事にしたのですが、、、

 

仮設っていっても

どうせ、このまま10年以上、放置するんでしょうし、

 

って言いながら、大工さんと相談して進めていくうちに

結構、立派な下屋になっちゃいました

 

 

5尺ある庇なんですが

今までは柱は1本しか無かったものを、4本にして

大屋根から吊っていた鉄棒は撤去し、

腕木で下屋を支える事に、

大工さんと相談しながら決まりました。

 

 

土壁が落ちているところは板壁で覆う事にして。

 

で、屋根材をどうするかとなり、

安くすませるなら、垂木の上にポリカってところなんでしょうけど

ポリカは、絶対ヤダ! と私が駄々をこねまして

じゃ板金?

でも、板金屋さんに頼むとしたら、知人の板金屋さん、めっちゃ忙しいらしく?

我が家の雨樋すら何年も直しに来てくれないので、

取りあえず、いつになるか解らない板金は見送り。

  

いやもう、伝建地区だし、この際、板屋根でいいかな、と私は思ってたのですが、

板屋根、朽ちても薪ボイラーで焚けばいいし、とか言って(笑)

でも屋根勾配が2寸しかないため、

板屋根にするにも、ちょっと勾配緩すぎて、水切れが悪いと、板が水を吸って、重くなるから、それもこの下屋の場合はまずいな、と。

  

工場の柱が細いので、そこから追いかけての下屋の梁寸になってるから華奢な下屋なんですね。

なので、重い屋根になるのは止めた方が無難だね、となり

しかし、ポリカは絶対やだ! なワタクシ。。

あんなものは、新しい時だけ綺麗で、後はどんどん醜くなる一方の建材。

侘びも寂びも何もないし

それならまだ鉄板の錆びの方が私的には許せる、と

あーだこーだと
 
主人と、たかが工場の屋根一つで、なかなか意見が合わず。

  

で、結局は、波トタンで我慢する事にしました

  
 
波トタンで妥協はしたものの

今度は、その波トタンの裏の色が気に入らない!

(ホント、うるさい私ですよね

垂木の上に波トタンだと、裏が丸見えで、

グレーっぽい色が見えるのが、いかにも安っぽい感じで切ない。

なので、裏を茶色のスプレーで塗りたいと私が言い出すと、

旦那が、スプレー代も面積から勘定すると、結構掛る、から、そこまでやるのか?

ってなりまして、

じゃあ、大工さんが、野地板張ってやれば? ってなり

野地板の金額と大工さんの手間賃と、スプレー代と天秤に掛け

スプレー代にそこまで出すなら、野地板にしよっか

どんどん仕様が本格的になってきた訳です(笑)

  
 
大工さんのセンスもいいしね。

和風な日本的なそれらしい建物に

気がついたらなっちゃってたというね♪

梁に繰形まで施してくれてるし、超ウレシイ♪

 
 

しかし、野地板張っても、それでも軒先の一部に鉄板の裏が見えるので、

そこだけスプレーで茶色に塗ったりして、

 

野地板の実(さね)も、いずれ隙いて白木が見えるのを防ぐため、先に塗装したり、

 

ここまでくれば、現場と同じ仕事をしているので、

我が家なのに、仮設的なのに、予算無いのに、手を抜かない、抜けない(笑)

取りあえず、ここで大工工事は終了~

残すは木部の塗装を自分達でやるだけ。

といいつつ、多分、旦那さん一人で塗ってしまうんだと思います。

 

亜鉛カラー波板 

  
やっぱり、ちょっとした事でも、こうやって安普請は出来ない我々の性格なのだと自覚してしまいますね

 
この精度でやってれば、いつまで経っても、うちの屋敷の再生は無理だな~と

(金銭的にも、時間的にも、、、)

つくづく思います。。。

 

 

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2015年の伝建協の総会・研修会は海野宿

2015年05月27日 | ◆建築に思うこと

今年2015年(平成27年度)の全国伝統的建造物群保存地区協議会(伝建協)総会・研修会並びに住民プログラムが、

ここ長野県東御市で先週の5月20日から22日にかけて開催されました 

  

海野宿では保存会を中心に昨年より準備を進めていまして、

うちの主人も準備委員会の一員として協力をして参りました。

 

ちょうど今年の2月に海野宿ひな祭りイベントをやったばかりでしたので、

我が家ではその流れのまま、この仕上がっていない主屋の仮舞台に5月飾りをしまして、視察の方々をお迎えすることにしましたデス

 

息子の兜の他に、親戚のものや、この屋敷にあったものなど

ぜ~んぶ 飾りました

しかし、こうして眺めてみると古い物ばかり。。。

 

大会前には、町内一斉清掃もし

今まであまり掃除しなかったようなところまで念入りにお掃除してスッキリ

自宅周辺の他に、私共で管理している建物の周りも

折角の機会なのでお掃除☆

息子も頑張りましたよ~ えらい~

  

そしていよいよ全国大会を迎えまして

海野宿では幟を立て、視察の方々が見学する時間帯は街道を通行止めにしてお迎え致しました。

 

  

 

全国に109箇所ある伝建地区の市町村から大勢の視察の方々がこの海野宿のいらっしゃいました。

幾つかのグループに分かれてもらい、其々グループ毎に町内の方がガイド案内をしながら海野宿を視察して頂きました。

我が家では武者飾りをしてお迎えしておりましたので、地元ガイドの方も我が家の前に立ち止まって熱心に説明して下さっていたようです

武者飾りの目印に、ひな祭りの時と同じように短冊を掛けておきました。

前日に急遽こしらえたものです

いつもギリギリ~

  

また、地元住民による手作りの胡桃おはぎの振舞いや

地元小学6年生による説明などもありました。

(うちの息子はまだ小5でしたので、今回は残念ながら出番はありませんでしたケド)

視察の様子については全国町並み保存連盟さんのフェイスブックにも紹介されてました

 

この視察の後は、住民プログラムがありまして

これがね、、、住民の皆さん、かなりのプレッシャーだった様子で

皆さんの表情をみているだけで、私まで冷や汗ものでしたが

無事にそれも終えまして

本当にお疲れ様でした~

 

ちなみに

昨年2014年の全国大会は、福井県の若狭町熊川宿で開催されまして

来年2016年は石川県加賀市で行われるという事です

 

 

 

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近くで火事

2014年10月27日 | ◆建築に思うこと

 

今日は色々な事がありました。

 

P1110556

この数週間、仕事や風邪で

ずっと事務所&家に籠りっぱなしでしたが

久々に表に出てみると

ドウダンツツジがこんなに紅葉してました

 

 

  

色々あった出来事、1つ目は

我が家の床暖房ボイラーが壊れた(かも)の件。

アタター

今朝、床暖房ONしようとスイッチ押すも着火せず

おかしいな、と何度もON・OFF繰り返しましたが

エラー ・・・

取説を見てみると

エラー番号から察するに

うーむ。。。まずいかも。

床暖房施工してもらった方に連絡しましたが

考えられる原因を聞いて

あれこれ旦那さんが復旧をやってみるも

うーむ。。。稼働しない。

  

取り敢えず週明けには

(って、もう日が変わってしまったので今日ですが)

メーカーに問い合わせてみますが

石油ボイラーはだいたい7年から10年くらいで壊れる

と言うのは経験的にも知ってはいたので

とうとう我が家もか、という感じです。

リフォームして10年経ちますからね。

壊れてもおかしくない時期です

 

ちょうど今年から床暖房を

灯油との併用で稼働しようと

薪ボイラーを購入してあるんですが、

これまた設備屋さんがまだ来てくれてなく

未接続

(早く来て~っ)

 

ちなみに我が家の薪ボイラーはこれにしました。

ウッドボイラー

http://www.ato-nagoya.com/boiler/index.html

  

ということで

薪ボイラー接続と合わせて

予定外だった灯油ボイラーの交換必至な状況で

とても頭痛い。。。

(ついでに風邪もぶり返しそうだし

 

取り敢えず、メーカーの修理が可能かどうかは

明日次第ということで

今日のところは床暖房無しで我慢します。

(幸いにもあまり寒く無いので良かった)

   

*********************************************

  

さて、2つ目の出来事ですが

小4息子の週末の宿題の件です。

  

『海野宿を調べる』という

社会の宿題がありまして

 

 

 

 

海野宿に暮らす者として張り切って

息子と一緒に海野宿を歩きました。

  

学校の授業で出た意見の中から

息子が調べる事になったものは

◎海野宿はどこからどこまでが海野宿なのか

◎家は何軒あるのか

◎水路の長さは?

◎なぜ海野宿に住んでいるのか

◎なぜ観光地なのか

 

ということでした

なんか凄い内容です

なぜ海野宿に住んでいるのかって、、、

そういう疑問を子ども達が持っている事に 

んー 逆にドキッとします。。。

(考えようによってはかなり深い問題が) 

  

まず、

海野宿はどこからどこまでが海野宿なのか

については

まず枡形を教えないといけません。

実際に

 

西の枡形の場所まで行き

東の枡形まで歩くことにして

(というか息子は自転車でしたが

家は何軒あるのか

建物の棟数も歩きながら数えることにしました。 

    

海野宿の西の枡形付近の看板↓

P1110562

あらら、、、

消火用ホースの格納庫が壊れてる・・・

町会で把握していないのかな?

と思い、

記録用に写真を撮っておきました。

 

近くにこんな消火栓蓋が。

P1110560

絵本に出てきそうな可愛らしいハシゴ車

  

P1110561

案内看板。

わりと最近に新しくなったものです。

  

さてここ(西の枡形)からスタートして

息子は海野宿の建物を数え始めました

  

伝統的建造物に指定されている建物と

昭和時代に建てられた指定外の建物も含め

北屋敷南屋敷、合わせて

95棟の建物があったようです。

(正確に数えられているか確認してませんが)

 

ちなみに海野宿の地番小字(こあざ)は

通りの北側は北屋敷と付きますが

(小字は住所には表記されませんので

一般的に知られることは無いでしょう)

この屋敷という小字が前々から

気になっていました。

  

と言いますか、

我が家を競売で買うことになったのも

競売物件一覧の地名地番に

「本海野北屋敷」とあり

屋敷、という小字から

もしかして海野宿じゃないのかと

気が付いて

まぁ、現在に至るわけです。

   

 

実はまだ工事中の上田の古民家改修現場も

小字に屋敷が付いておりまして

やっぱり立派なお屋敷だもんなぁ~

なんて思っていたのですが、

 

お施主さんの80歳過ぎのお母様のお話によれば

屋敷の意味は地域の中心という意味合いだ

と教えて頂き、

なるほど!

すんなり合点がいきました。

   

話が逸れました。

 

次に、

息子にちょっとした豆知識といいますか

海野宿の建造物の特色と言えば

 卯建(うだつ)の町並み

 海野格子

 出梁(だしばり)造り

 気抜き

が謳われるのですが

そこを一歩踏み込んで

卯建にも4つの種類が海野宿にはあるから

それも発表してみれば!

ま、これは親の入れ知恵なんですが

4種類の卯建を教えながら歩きました。

 

こちらは本卯建。

卯建が屋根よりも上に出ているタイプ。

P1110563

   

これは袖卯建。

屋根よりは卯建のほうが低いタイプ。

P1110572

  

これは軒卯建。

卯建が軒裏まであるタイプ。

P1110585

 

そして脇卯建。

P1110568

 

 

以上、4種類あるのでした。

  

そのうち3種類の卯建が並ぶスポットが

こちら↓

P1110589

手前から

軒卯建・袖卯建・本卯建

 

卯建のタイプを息子と確認しながら

海野宿を歩いていたのですが、

何やら怪しげな煙を発見! 

 

 

 

 

息子の宿題の海野宿調べは

取り敢えずここまでとなりました。 

  

*********************************************

 

さて本題に入りまして

3つ目の出来事です。

 

海野宿を息子と歩いていると

海野宿の通りの向こうに

煙らしきものが出ています。

P1110599

焚き火にしては煙が多い。

しかも、結構な煙の匂いが・・・

普段、炭火を熾していますが

そんないい臭いではない。

色も黒い。

 

煙の方角は

やだ、我が家の方じゃないですか!

 

とにかく行ってみようと

息子と主人と一緒に足早に戻ると

消防車のサイレンがどんどん近くなってきて

海野宿内に入ってきた

P1110600

皆、煙の方角へ行き始める。

私も、まさか我が家では無いだろうとは思いつつ

煙の距離感がつかめず

とにかく近くまで行ってみないと

心配でならない。

  

一先ず

我が家の前まで来て

うちでは無いことを確認したけども

煙が近くに見えたので

同じ町内かもしれないと、

そのまま煙の方角へ

ご近所さん達と向かう。

 

P1110603

やっとポンプ車のところまで辿り着く。

海野宿では無いけども

お隣の町会地域。

(でも海野地域ではある)

  

街道沿いの火災では無いようで

しかし、ポンプ車の入れないところの

倉庫?のような空き家からの出火だったらしい。

 

用水路を堰き止めてはあったが

これじゃ全然足りない

と口々に住民達が言っていた。

確かに。。。

P1110601

 

周辺地域から

消防団の方々が応援に来ている。

P1110602

 

消火活動を間近で見たことは無かったけども

うちの主人は以前から防災に関して

消火栓の位置の確認や

初期消火をいかに地元の住民で素早く対処出来るか

という事を

よく口にしていたので

そうか、なるほどと思い

少し消火活動の様子を見ていました。

 

狭い道には消防車が入れず

消火ホースを幾つも繋いでいました。

P1110607

 

 

 

 

この状況を見て

以前に書いたブログの事を思い出しました。。。

しょうぼうじどうしゃ じぷた

  

 

こちらが火災現場。。。

P1110605

空き家となっている家の倉庫からの出火?

倉庫の周りに置いてあったとみられる薪?が

炭になっているのが見えました。

周りは畑で隣家はありませんでしたけど

実際、火災現場を見ると

少なからずショックを受けました。

   

火災は恐ろしい。。。

  

防災意識を持とう持とう

と思っても

なかなか実感が持てない中で

今回の火災は衝撃でした。

もし海野宿だったら

とか

いろいろ考えると

本当に怖い。

 

ちょうど今、設計計画している案件に

市街地の古民家改修計画を2件

やっている最中ではありますが

(準防火地域)

 

確認申請を出す・出さない

そういう観点だけで

防火仕様にする・しない

という考えに

どうしてもなりがちですが

建物が密集していれば

どこかで火事が起これば

延焼の恐れがあるわけで、

風情だけで仕様を決められない部分が

やはりあるなと

再認識する次第です。

    

下火になった頃を見計らって

取り敢えず家に帰ることにして、

おや、我が家の屋根の上には

虹が出ているじゃないですか。

P1110614

この家を修理する時は

茅葺き屋根を葺き直したいと

思った事もありましたけど

防火の事を考えれば

これで(板金)

良かったのかもと思いました

 

 

  

今日はたまたま

息子の宿題のために

卯建の事なんかを教えていましたけど

卯建も元は防火壁としてあったもので

そのうち装飾的な意味合いが強くなってきた

と言われてますけど

いや、

装飾的な部分があったとしても

もし火災が起これば

卯建は防火壁としての役割が

今でもあると感じました。

 

今日は本当にいろんな事があり

考えさせられる一日でした。。。

 

 

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コピペに思うこと。

2014年03月16日 | ◆建築に思うこと

小保方晴子さんの博士論文のコピペ(コピー・アンド・ペースト)問題がニュースで話題になっています。

  

このコピペについて私は数年前から

CADを使っての設計図面の作成過程においても

問題意識を持っておりました。

 

ちょうど小保方さんと同じくらいの年代のスタッフを数年前、雇っていたことがありまして、

スタッフにCADで図面を描いてもらってたのですが

その図面をチェックしていて

非常に苦労したことを思い出します。

 

整合性がとれてない

細かいところが納まっていない

のに

なんとなく描いてある図面。

 

チェックしていると

なーんかおかしいぞ

あれ???

ここも、あそこも

合ってないし、

このは何ぞや?!

不必要な線やら

意味のわからない線やら。 

寸法も基準がはっきりせず

どこのなんの寸法かも読み取れない。

肝心な必要な線が無かったり、、と。、

 

これはどういうことなのだ?

 

仕舞いには

自動計算で弾き出される数値すら

電卓で計算し直してみると

合ってない!

 

という不思議な状態。

 

コンピューターなんだから

計算は合っていて当然(だと思っていたが)

なのに、合ってない?!

その時点から

すべての図面が信用出来なくなり

徹底的にチェックする破目に。

 

そんなケアレスミスを含めた徹底チェック、

本当は所長の仕事じゃないと思うんだけども。。。

      

解らないことがあるならば

本来なら、

線が描けない筈なんです。

   

なのに図面はできている。(←ここが問題)

 

でもおかしい図面。 

どうして描けたのか?

少なくとも「手描き」図面ではあまり起こらないミスばかりだったのです。

 

 

  

 

図面というものには

まず正確さが求められますし

設計図の役割がどういうものなのかを

理解していれば

自分で解らない線は

安易に引けない(描けない)筈なんです。

(↑ ここも重要)

 

なのに

描いているし

なんとなく描けているように見える

(↑ これがまた問題)

 

図面の食い違いや、 

多少のミスは最初はあってもいいです。

人のやることですし、

まだ経験が浅いわけですから

完璧な設計図が描けなくても仕方ありません。

 

でも

 

明らかにそういうことではない図面に直面し

とにかくチェックするのが大変で

当時かなりイライラしていたものです。

(スタッフが一生懸命やっていたのは分かってますが)

   

 

うちの旦那さんもCADで図面を描きますが

スタッフの描いた図面をチェックするような

ストレスは感じたことはなく、

何故なんだろう?と思っていたところ、

旦那さんがその原因を見つけました。

 

原因は、そう「コピペ」だったのです。

  

コピペの元図が

どういう意図で作られた図なのか、

或いは、

全体に対してその部分が

どのような意味を持っているのか

まだしっかり理解できていない段階で

コピペを巧みに用いて

図面が出来てしまっていたのです。

 

CADデータがあれば

簡単にコピペ出来ますからね。

      

一方、手描き図面ではどうでしょう。

そうは簡単に複写なんてできません。

せいぜい、トレーシングペーパーで

部分的に書き写すくらいは出来るでしょうが、

条件が違えば

都合よく繋ぎ合わせられる訳ではありません。

   

そういえば、そのスタッフは

「手描き」で図面を描いたこと無いと言ってました!

大学時代からCADを使っていたことになります。

(大学に問題ありだと思う)

 

図面を手で描くことは基本だと思うのですが、

子どもが文字を覚えるのに学校で何度も何度も

字をノートに書いて覚えるのと同じで

その後で、パソコンで打つようになるのなら分かります。

 

小学生のように文字を書く訓練をするのと同じく

図面も手で描く訓練を一度はするべきなんじゃないかと思うのです。

  

幸い(?)にも

建築士の資格試験には

学科試験と製図試験がありまして、

製図試験では手描きで図面を描かなければなりません。

 

大学で手描きで図面を描く機会が無かったとしても

資格を受ける時に必ず一度は手描きをやることになります。

 

なので

最近の建築士を目指す方々の大半は

資格学院に通って猛特訓することになります。

 

そんなんで

本当によいのでしょうか。。。

  

 

(ちなみに私は一切、資格学院へはお世話になりませんでしたけども)

  

 

 

CADがいけないということではありません。

また手描きがいいと言いたいのではありません。

設計を思考する上で、

手描きで図面を描く時の思考方法が必要なのではないかと、ずっと感じているのです。 

  

   

どのような材料を、

どのような寸法で、

どのように組み合わせれば良いのか

 

を知らないと

本当は設計図は描けないものなのです。

 

 

だから、私だって未だに線を描く手が止まる(考える)ことはありますし、

設計事務所に入って新人だった時は

解らないところばかりで線が引けず(描けず)

空白になるわけです。

 

その空白を埋めるために

いろいろ調べ

納まりを教えてもらったり、

参考図を探して

それを手元に置きながら

 

それでも 

「線の行く先が決着つかず」

(納まらないということ)

悩む、考える

という繰り返しを経て

空白部分が多かった図面が

段々埋まっていき

線が増え

線の数と共に

内容のある濃い図面に

成長していくのです。

  

なので

解らないうちは空白だっていいと思ってます。

むしろ、空白の方が「実害」は少ない。

解らない事を明示しておくことの方が

大きな問題にならない。

 

解らない線をいい加減に描いてしまった方が

現場で大変なことになる場合もありますし、

実務ではそれが賠償責任問題にまで発展することだってあるかもしれない、

ということまで

設計図を描く人は想像出来ないといけないと思うんです。

プロとしてやっているんですから。

学生と違うのはそこです。

 

また、

「全体」と「部分」を

相互に行ったり来たりしながら

関連性を常に意識しながら

図面を描いていかないと

辻褄の合わない

整合性の取れない

ちぐはぐな図面になります。

  

全体を見渡しながら部分を描くのには

手描きの方が意識しやすい

と思います。

そうやって図面を描く事に慣れてきてから

CADで製図するのならいいと思うんです。

      

CADでも、手描きのように

線一本一本で描くことが出来ますし、

効率的に図を描くために複写機能を使うことも

いいと思うんです。

ただ、若いうちから手を抜いて

コンピュータの便利な機能に甘えて

部分をまるごと複写して切り取ってくっつけちゃうようなコピペに頼っていたのでは

設計の本質を見失ってしまいます。

  

そうやって出来上がった図面は

一応体裁が整っているように見えますし

実線で表記された図面を印刷して見れば

あたかも設計図として出来上がったかのように見えてしまいます。

    

しかし手描きの図面では

そんなコピペのような小細工や誤魔化しは出来ません。

思考や時には感情までが線となって図面に現れます。  

線に迷いがあれば弱い線となって現れますし

後で継ぎ足したり、訂正した線も

見分けることが出来ます。

描き手が複数いたとしても

誰がどこの図を描いたか

線の個性で見抜くことも出来ます。

  

それに比べるとCADは

製図過程が解りにくく

誰がどのように手を加えたか

見ただけでは全くわかりませんから

図面をチェックするのは本当に大変。

 

何度も言いますが

CADがいけないとは言いません。

CADには手描きには難しいこともできます。

手描き以上の精度を求めることもできます。

  

ただ、どちらにも言えることですが

「線」の表す意味を真に理解できなければ

どんな手段を使おうと、

線は描けない、描いてはいけない

と思うのです。

 

設計する能力、そして設計図を描く能力は、

CADソフトを使いこなして図を作成する能力とは違います。

そこを勘違いしないようにしないと。

 

   

シンプルでモダンにデザインされている建物は

それを本当に意図して設計されている方も当然いらっしゃいますが

大方、単に、

設計担当者の力量に応じた「描き表せる線」の結果が、今の建物なのじゃないかと思ってます。

(線が少ない)

   

伝統的な建造物に携わっていると

古建築を図面化してみれば分かるのですが

線の複雑さ、多様さに苦労します。

ということは、逆を返せば

古建築は

図面ありきで全てが決定付けられているのではない

ことに気づきます。

 

今回は長くなりました。

とりとめなく書き連ねてしまいましたが、

     

小保方さんの今回のニュースとは

分野も内容もレベルも違いますが

コピペに潜む問題は

他人事じゃない!と思ったのでした。。。

 

 

 

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引き戸が珍しい時代になってしまったのか・・・

2014年01月30日 | ◆建築に思うこと

最近、ある新聞の記事を読んでいて

また愕然としてしまったのですが、

お寺の建物についての記事だったんですけどもね。

なんと

敷居のことを「下枠」と書かれてありました

 

下枠?!

 

その記事は、ある町のお寺のちょっとした修理の様子を取材されていたもので

修理と言っても大掛かりな工事ではなく、

建具(4枚の引戸)の建てつけ、滑りが悪くなったものを、敷居を削るなどをして地元の有志ボランティアの方が直した、

という微笑ましい記事だったんですけどもね。

敷居と書いて欲しかった部分が「下枠」という用語が使われており

思わず絶句・・・

 

下枠という言葉の方が一般的なんでしょうか?

敷居(しきい)という言葉はもうあまり使われなくなってしまったのでしょうか。

ということは鴨居(かもい)という言葉も?

 

P1050513

 

   

窓枠という言葉がありますから、

枠という言葉を用いる場合は

その背景には「開きドア」の文化があるように思えます。

P1170686

 

ということは、

「引戸(ひきど)」そのものに

日常的に接する機会が一般的に無くなっている

ということになるのかもしれません。

 

がーん

 

更に

今やっている平成の家のリフォーム現場から

「片引戸(かたびきど)」の写真が欲しい

と言われまして

 

なんで?と聞くと

 

片引戸のイメージをお施主さんに伝えるため

 

というじゃないですか。

 

んんん???

 

片引戸のイメージって

え?

片引戸って、片引きじゃないですか!

↑ なんの説明にもなってない

  

これまた衝撃を受けたワタクシなんですが

それくらい、今のごく普通の住宅からは

引戸が無くなってしまっているということなんですね。

驚きです。

 

ということで、

片引戸の写真

特に硝子戸の片引戸の参考事例を!との事なので、

今までの設計事例の中から抜粋して

お施主さんに見て頂くことにします

  

もしかして

和室の引戸(障子戸や襖戸)は分かっているけれども、

板の間の部屋に引戸というものが

想像し難いのかもしれませんね。

  

   

事例1

Photo

 

 

事例2

Dscn6046

  

    

事例3

P1050011

P_1050308

 

事例4

P_1040732

 

 

おっと、あれこれブログのネタを考えているうちに

現場にいるうちの旦那さんから

ブログUPしたか?と催促の電話が!

ということで、

ブログ更新します

 

  

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研究室の同窓会

2012年05月18日 | ◆建築に思うこと

先週末、大学時代の研究室の同窓会がありまして

京都まで行ってきました

P1210362

京都駅・・・。

未だに馴染めないのは私だけでしょうか。

(と言っても、まだ数回しか利用していませんが)

P1210361

京都駅から京都タワーをみる。

どちらも景観論争となった建物です。

  

いやいや、今日はその話題ではなく、

  

私の建築人生の原点ともなる

京都工芸繊維大学 

日本建築研究室の恩師 日向進先生が、

この3月で退官されたとのことで、

研究室同窓会で退官記念パーティーが催されました。

会場はヴォーリズ設計の東華菜館

95_large

(幹事さんの写真より)

  

大学を出て以来、

建築設計という仕事に就き、

いつも設計のこと、建築のこと、仕事のことばかりで

大学の研究室のことを振り返る余裕もなかった私。

    

今、私自身が、設計事務所を開業して

日本建築の中でも、日本の伝統民家に暮らし、

保存・活用をしていること、

重要伝統的建造物群保存地区「海野宿」で暮らしていることを

先生にきちんとご報告しなくてはいけない、と

ずーっと心のどこかでいつも思っていました。

  

その報告する機会が満を持してやってきたかのように、

こうして退官記念という知らせを受けまして

これは絶対に行かねばと

ご無沙汰していた無礼もお詫びしなくてはと、

17年ぶりに

先生に会いに行って参りました。

 

あまりに長い間ご無沙汰だったため、

正直かなり緊張していったのですが、

同時期に過ごした研究室のメンバーと顔を合わせた途端

不思議なもので

すっかり17年前の雰囲気に戻ってしまい、

懐かしさを通り越して

当時と同じような

なんとなく居心地の良い空気に包まれて

始終、笑いの絶えない楽しい同窓会でした。

 

before (研究室に在籍中の頃の写真)

72_large

↓ ↓ ↓ ↓ ↓

after  (同窓会幹事さんの写真より)

52_original

  

皆、全然、変わっていませんでした☆

 

ちなみに着物をきているのがワタシ。

自分が写っている写真をブログに載せるのは実は初めてです。。。

(自分の顔は一切、HPにもブログにも公開してませんでしたので

  

  

この研究室の雰囲気、空気は

まぎれも無く、

日向先生のお人柄からくる雰囲気なんだと

改めて実感し、

 

お酒が必ず傍らにあった研究室であったことを

これまた再認識させられました。

 

そう

  

お酒の美味しさ、素晴らしさを教えてもらったのは

  

いえいえ

  

日本建築の面白さ、素晴らしさを教えてもらったのは

  

日向先生でした!!!

  

    

そして、

同窓会幹事さんの粋な計らいの記念品には驚きで、

  

日向先生の「益々」のご発展を祈念して

「斗栱(ときょう)」と「枡」が先生にプレゼントされました!

 

(要するに、斗(ます)と枡(ます)で、ますます。

す、す、すごい!)

P1210351

  

P1210355

  

「斗(ます・と)」とは、日本建築の部位を示す名称でもあるのですが

敢えてここでは説明しません。

気になる方は是非、調べてみて下さい!

  

 

こうして京都で先生にお会い出来て、

心がすっきりしたと言いますか

また前を向いてしっかり歩いていこう!

なんだか清々しい気持ちで一杯です。

 

私は今年で42歳になりますが

ここのところ、節目を感じる出来事が続き

それもこれも、今年はそういう年回りなのかなと

しみじみ感じます。

 

さてさて、

信州に戻りましたので

私も「ますます」頑張っていきたいと思います

  

と・・・勢いづいたのも束の間で・・・

家族中でどうも細菌性の胃腸炎にかかったようでして・・・

今週はじめから発熱と吐き気に襲われて、

やっと今日あたりから少し良くなってきました。

トホホ

 

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言葉の言い回しからわかること~ご理解とは~

2011年12月10日 | ◆建築に思うこと

ちょっと気になった事を、今日は書きます。

  

同業者のブログを読むことがありますが

言葉の言い回しで、

凡そ、その方の建物・設計に対する姿勢を

伺い知ることが出来ます。

  

その中に、気になった言い回しがありました。

  

お施主さんのご理解を頂き

という言い方・・・

 

例えば、

   

お施主さんのご理解を頂き、

とても良い住まいになりました~

  

みたいな。

 

この言い回しから、私が感じるのは、

  

お施主さんにとって、本当はよろしくない のですが

そこのところを理解していただいて

設計者のやりたいこと(意図、特にデザイン)を

実現することができました

  

と、その文言から読めるのです。

 

「ご理解」の裏側には、

どちらかと言えば、お施主さんにとって

「よろしくない」こと

が前提となっているからこそ、

「ご理解」を頂いて、

実行しているわけです。

     

そして、もっといけないのは 

そういう言い方に潜む本質に、

当本人が全く気が付いていない こと。

  

無意識に使っている言葉にこそ、

実はかなり本質的なものが見え隠れしています。

 

(もちろん、私自身にも言えることです。

だからこそ、

ブログを書く意義があると思っています。

私はこんな人間です! 

ということが、このブログでわかると思いまして。

拙いブログですが・・・)

   

もちろん、私も「ご理解を頂く」と使ったことはあります。

それは、建物に対してではなく、

私個人の事情をお施主さんに汲んで頂きながら

スケジュール的に設計の仕事をさせてもらうことが多いので、

「お施主さんにご理解いただきながら進めています」

という具合に

今までよく言ってました。

  

まだ気になることは色々あるのですが、

今日はここまでにします。

 

(ちょっと 怒り気味のワタシ

 

  

追記です。(2011.12.12)

  

「理解」とは、辞書(広辞苑)によれば

  

①物事の道理のさとり知ること。

意味をのみこむこと。

物事がわかること。了解。

  

②人の気持ちや立場がよくわかること。

  

とあります。

  

「お施主さんにご理解を頂き、とても良い住まいになりました」

という文を言いかえれば、

  

A お施主さんに、建物の意味、道理をわかってもらったので、とても良い住まいになりました

  

もしくは、

  

B お施主さんに、(設計者の)気持ちをわかってもらったので、とても良い住まいになりました

  

となるでしょうか。

どちらにしても、

私にとっては この言動は不可解です。

(気持ちはわからなくもないですが)

  

多分、本人はたいして気にもせず、書いたと思われます。

(自分の書いた文章をすぐに撤回するくらいですから。)

  

政治家みたいです。

自分の言葉にすら責任を持てない。

  

この文を書かれた方は、知る限りまだ若い設計者です。

実務経験も浅い。

それを踏まえてこの文の真意を探ってみます。

  

【Aの場合】

お施主さんは建物の意味や道理を分かっておらず、

それを分かってもらえたから、とても良い住まいになった、

ということになります。

それでは、設計者はどうなのかといえば、

当然、

建物の意味や道理がわかっているのでしょう。

まあ、一般的に設計者は専門家であるのですから、

当然かもしれませんが、

専門家という立場からお施主さんに対して

完全に「上から目線」です。

お施主さんは、そんな馬鹿ではありません。

失礼です。

  

【Bの場合】

若い設計者ですから、

どちらかと言えば、Bの意味かもしれません。

僕の設計に対する想いをわかってもらったので、

とても良い住まいになりました。

と。

これじゃまるで、俺の提案通りにやれば、

こんなに良くなっただろう 的な、

高飛車な感じを受けます。自己満足。

  

そもそも「とても良い住まい」って、

一体だれが決めるのでしょうか。

  

そんな主観的な物の言い方があるものでしょうか。

  

良いかどうかは、

最終的にはお施主さんが暮らしてみて、

お施主さんが評価するものではないでしょうか。

  

設計者が自ら「とても良い住まい」だなんて。

傲慢すぎます。

  

せめて、「良い雰囲気になる」

ぐらいに留めておくべきではないでしょうか。

  

それにしても、この文章が

いかに主観的観点に立った文章か。

それも気になります。

  

主観的な観点であるのにも関わらず、

客観的な文章の体裁をしているので

不可解になるのです。

  

主観で物をいうのであれば、感想でいいのです。

それであれば、全く問題がないのです。

  

こういう主観的なものの言い方で

あたかも建物の価値を評価するかのような書き方は、

私にしてみれば、

思い上がりもはなはだしいのです。

  

さらに、「時が経っても価値の薄れない住まい」

などとも書いておりました。

  

なんじゃそれ

(雑誌社が書くのならまだわかりますが)

  

それは、

その建物に価値があるということが

が大前提の言葉。

  

自分の住まいに

誇りをもっているお施主さんに対して

建物の価値付けを

あたかも客観的にする設計者。

  

あきれてしまいます。

   

価値観は、とかく主観的なものです。

客観的に価値を述べるのであれば、

その内容を具体的に示すべきだと思います。

 

私は、少なくとも

もしかすると、一般的には価値がない

と思われる建物でも

お施主さんがなんとかして欲しい

と言われれば

なんとかする。

それが私達の仕事だと思っています。

(リフォーム、再生の場合ですが)

  

それがいろんな条件で

叶わなくても

トライしようとします。

  

だから

私達が、勝手に「良い住まい」だの「良い建築」だのって

一括するように建物を評価するなんて

おかしい。

評価するなら、きちんと理由を付けて評価しないと。

   

こういう未熟な設計者をみるたび

胸が痛むのです。

  

若い方が建築に対して

想いを持つことは良いことです。

  

でも、それと、

若かろうがなんだろうが

仕事をしている以上、「プロ」なのです。

自分の立場、

世間からの専門家としての立場、

会社組織の中での社員としての立場、

など

いろんな関係の中で

自分が活動していることを

まだ判っていないのでしょう。

  

最近の建築家・建築士に対する批判・意見を

読んでみると、

もっともだ と思うことがあります。

  

「理解不能」

http://blog.goo.ne.jp/gooogami/e/5bd03df374582ae7ef7267e4f0af7b11

「求められるのは実務者」

http://blog.goo.ne.jp/gooogami/e/e56135a93f8bff9dcaca860ffc869aa0

「生活と現場を知らない困った設計者達」

http://homepage3.nifty.com/net-forum/honnne/honnelink/20031204.htm

  

だからこそ、

時に、同業者に向けて

私ですら、こうした意見を述べたくなるのです。

  

私のようなものが

本当は、こんな偉そうなこと

言えたものではないのですが

自分が感じたことを

今日は、思い切って書いてみました。

  

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今日の会話の一コマ

2011年09月29日 | ◆建築に思うこと

P1170397

気が付けば、庭の片隅で咲いていたサフラン。

と、思っていたのですが、、

今、ブログを書くためにネットで軽く調べてみると

サフランではなく、イヌサフランのようでした

 

-------------------------------------------------------------  

さて、 

ちょっとの時間でも

なにかしら建築のことを考えていたい私は

小1息子の宿題を横で見ながら

建築本を読んでいると

  

息子:「ママ 何読んでいるの?」 

私    :「ん~ 建築の本よぉ~」

息子:「ナニ?なに?むずしい本?」  

私    :「ん~ そうね~ 耐震の本よ~」  

息子:「タイシン ってなーに?」

私    :「ん~ 地震が最近いっぱいあるでしょー

でさー ママ・パパは、おうちをセッケイしているでしょー

地震で おうちが たおれちゃったら、こまるでしょー

たおれないようにするためには、どうしたらよいか って

かんがえてるのよ~。

ねー どうしたら たおれないとおもう?」

    

なーんて、息子相手に話をしていたら、

  

息子の返答がこれ↓

「おうちが 浮いていればいいんだよー」

   

素直なその発想にオドロキ(ちょっと親ばか

耐震 タイシン ・・・

その言葉自体にも、違和感を感じるのですが

まさしく、そこを直感で免震のことを示唆するような

息子の発言に少々ビビりながら

    

私:「やっぱり そーおもうかー」

    

息子相手に、なんという会話をしているのだろうかと

自分でもあきれるのですが

素朴に、直感的に、

こういうことを息子と話をしながら

いろいろと考えを巡らす・・・

     

道産子のワタシは

冬、凍結したアイスバーンの道を歩く時、

滑って転ばないようにするために

「滑るところでは、滑りながら歩けば 滑って転ばない」

という持論で、乗り切ってきました。

   

同じような発想?は、建築にも通じると

一人でモヤモヤといつも考えているのですが

(少なくとも、現行の一般的な設計法は

逆の発想になっている。。。)

それをちゃんと実践するには

まだまだ勉強が私には必要なのです!

   

まだママにべったりの息子を横目にみながら

早く成長して、ママを開放してくれ~

願うばかりなのでした!

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専門家ですら誤用が多くなってきた建築用語?!

2011年06月08日 | ◆建築に思うこと

建築用語について、

今日は少し書きたいと思います。

(ちょっと辛口かもしれませんがお許しを)

  

建築用語は、一般の方にしてみますと

建築の「専門用語」になるかと思うのですが、

どこからが、専門用語で

どこまでが、暮らしの中でお施主さんでも知っている用語なのか、

ということを、

最近、いろんな場面で考えさせられることがあり、

改めて初心にかえって考えておりました。

  

木造住宅における構造部材の名称の場合ですが、

柱(はしら) は、誰でも知っているかと思います。

でも、

梁(はり) は、どうでしょう?

  

思い起こせば、私が大学に入学したばかりの時、

 という用語は知りませんでした。

(お恥ずかしい話ですが。)

    

同じように、

最近、お施主さんとやりとりをしている時に

気が付いたのですが、

梁などの横架材 のことを  

と表現された方がおりまして、

その時、はっ と思ったのです。

そうかー、、、

部材の名称は、専門用語でもあるのだから

まずは、その名称をきちんと説明してから

設計に入らないといけなかったな

今更、反省。

 

今の現代の住宅は、

柱の見えない大壁の建物ばかりですから

そのうち

 という用語すらも

専門用語になってしまうのかも。。。

  

更に、   

最近、震災関係のTV放送で

基礎(きそ)と土台(どだい)

の用語が間違って使われていたり、

  

更に更に

鴨居(かもい)のことを 上敷居?!

と言っていたTVもあったとか。

その言い方ってあるのでしょうか?

(どなたかご存知でしたら教えて下さい!)

   

ちなみに、うちにある建築関係書籍には

そのような用語が見当たらず、 

ネットで「上敷居」を検索すると、

フックの商品に上敷居用などど記載しているものが

ありました・・・(誰かが勝手に作った造語?)

   

更に更に更に、たまたまではあるのですが、

一般の方 向けに発行されている「古民家検定本」

という本を見ていましたら、これまた なんとっ

「本当は服をかける目的ではない長押(なげし)の種類」

という見出しがあるではないですか!

  

ど、ど、どういう意味?

  

いきなり、洋服を掛ける目的ではない、という見出しは

まるで一般の方の大半が本当にそう思っているのかのような

或いは、 

思っていない人にも、そう思わせてしまうような書き方で

私の頭はくらくらです

 

確かに、ハンガーなどを掛けてしまうことも多々ありますけども

その書き方って、どうなのでしょうか?

逆に一般の方に対して、大変失礼だと私は思いました。

  

*「古民家検定本」に記載されている“古民家の各部について”の文章には問題がかなりあると思いましたので、私は直接、執筆した方に、改訂本を出すようにと要請をしました。なんの返答も今のところありませんが・・・。

     

まだあります!

東関東大震災では

長野県の栄村も大きな被害を受けましたが、

栄村で被災された古民家を

応急的に安全性を判定する応急危険度判定士さんが、

(ボランティアとして協力している建築士さんです)

TVで、堂々と、

差(指)鴨居(さしがもい)のことを

二重梁(にじゅうばり) と説明されてました・・・

(その説明はまずいでしょう。。。焦)

  

多分、この建築士さんは伝統構法に馴染みがなく、

名称を御存知なかったと思われます。

  

でも、そういう方でも倒壊の危険性を判定してしまうんだと

んー

応急危険度判定士の講習の内容が気になります。

    

差鴨居という用語は

建築界の内においても、

分野別の専門用語?の部類になってしまっているのかも。

うーむ。

(しかし、私の学んだ大学では、

講義に使われた一般的な建築構法の教本に、

差鴨居の図解と説明が載っていましたから・・・

一応、基礎的な用語であるような気がするのですが。)

        

日本の伝統的な家屋が急速に失われ

今の新築住宅には和室すらない家も増え、

一昔前なら 多分、

多くの方が知っていたであろう用語が

これからは

「専門用語」になってしまうのか?!

  

という衝撃

   

このような時代になってしまったのだと

受け止めながらも、

このままでは非常にマズイ

と思いまして

急遽、

お施主さん向けにではありますけれども、

在来構法の構造の図解を描きまして

現在計画進行中のお施主さんには

図解をお渡しするようにしました。

  

(*既に竣工したお施主さんにも

ご希望でしたら今からでもお渡し致しますので

お知らせ下さい)

    

いろんな本、資料を探しましたが

意外に私達の求める図解が無い!

ことが わかりましたので、   

いずれ、造作材の名称や、

伝統構法の図解なども用意したいなと思ってます!

  

 

◆本記事に使った建築用語 (「建築大辞典」より)

 

柱(はしら):①屋根や床の荷重を支え、基礎に伝える役目を果たす鉛直部材をいう。<後略>

梁(はり) 柱頭の位置にある水平材で小屋組を支えるもの。側柱上にあって垂木を受けるものは特に桁(けた)という。<後略>

二重梁(にじゅうばり):①和小屋において大小の梁を上下に2本以上渡している場合、下から2番目の梁をいう。②大小の梁が上下二重に渡してある梁組み。

土台(どだい) 木造建築の柱の下部に配置して、柱から伝えられる荷重を基礎に伝える役割を果たす横材。<後略>

基礎(きそ) 上部構造からの荷重を地盤に伝える下部構造の総称。<後略>

鴨居(かもい) 和風建築の開口部で内法高に入る横材。引戸、引違戸を建て込むための溝が彫られる。<後略>

敷居(しきい):門の内外を限り、また部屋の区画を設けるために敷く横木で、建具を受ける横木を含む。<後略>

指(差)鴨居(さしかもい):通常の鴨居のせいは2寸ほどであるが、特にそのせいが7寸以上2尺ほどまでの鴨居をいう。<中略> 普通の鴨居が造作材であるのに対してこれは構造材でもあり、1間半以上3間ほどまでの柱間内の内法高の位置に入れられる。<後略>

長押(なげし):①長が押しの略。柱を両面から挟み付けて大釘で打留めて固定した横材の総称。<後略>②内法(うちのり)長押のこと。貫が使用され長押の構造的役割が減退するに従い、内法長押のみが残り意匠化し、室の格式を示す指標と化した。<後略> ③.④.省略

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見直し~我が家の火災保険~

2011年04月13日 | ◆建築に思うこと

震災から1ヶ月、、、経ちました。

昨日は長野県でも大きい余震がありました。

 

私達の暮らす東御市は、

たいして揺れませんでしたが

まだ続く余震に

不安な気持ちです。

  

ちょうど、我が家の火災保険の

更新が近づいてきたので

地震保険を付けることにしました。

    

今回の大震災のようなことが起きた場合、

きちんと保険金は支払われるのだろうか

親しくしている保険屋さんに

聞いてみましたところ、

「余裕」だとか。

 

阪神大震災では783億円の保険金を

政府と損保会社の折半で支払われたそうです。

今回の東日本大震災では約1兆円程の保険金が

政府と損保会社の折半で支払われるとのこと。

  

今回の地震発生時で

地震保険の積立金が2兆3千億円あり、

「余裕」で支払えるのだそうです。

  

ちなみに地震保険の加入率は

全国で2~3割ぐらいで、

地震に敏感な宮城県で32%だったそうです。

  

地震によってもし、

建物に限らず、家財に損壊を受けた場合、

地震保険に入っていないと

保険は使えないとのことで、

(火災保険だけでは補償されない)

 

長野県も揺れてますし、

家財が損壊を受けるかもしれないと思いまして、

地震保険に加入することしました。。。

 

参考までに。

地震保険制度の概要

 

  

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