今日紹介するのは、出版された時から「限定版」とされていたものです。『殺し屋ですのよ』というタイトルで1969年に未来プロモーションから刊行されました。
ジャケットに透明ビニールカバーが付いています。題箋を貼った段ボール製の外箱が付いています。
1冊ごとに署名が入っています。署名には何種類かありますが、同じ言葉でも少し違っています。たとえば……
他にも。
実際に何部刊行されたのかはわかっていませんが、完売できずに返品も多く、一部はゾッキ本として処分されたようです。
定価は800円。当時としても手が出ないほど高価というわけではなかったはずですから、販売方法にでも問題があったのかもしれません。
この本、古書展やネットオークションにたびたび登場するので、発行部数は1000部以上はあったのではないでしょうか。製本してからページをめくって署名するのは大変ですから、紙に署名したものを製本段階で綴りこんだようです。
通常の印税率10%では1部あたり80円ですから、×1000部では8万円にしかなりません。別に署名代が数十万円支払われたとしても、署名に要した手間と時間に見合うだけの報酬は得られなかったと思います。