最終回文庫 ◇◇雑然と積み上げた本の山の中から面白そうなものが出てきた時に、それにまつわる話を書いていきます◇◇

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私のコレクション 気になる雑誌 「風報」

2014年03月16日 | 気になる雑誌





神保町の古本街を頻繁に歩き回っていた時期、いつも立ち寄る古書店には「風報」のバラが置いてありました。書籍の場合は裏の見返しに値段が書いた店のシールが貼ってあり、雑誌の場合は裏表紙の左上に鉛筆で値段が書いてありました。
手元にあるのは通巻36、48、57、91、97、100号のバラで6冊。
36号には木山捷平「五十の手習」、48号には木山捷平「暗闇まつり」が掲載されています。


57号には庄野潤三「散髪の話」、91号には庄野潤三「豆腐屋さんのお父さん」が掲載されています。


97号には木山捷平「同人雑誌」、100号には井伏鱒二「盆踊」と庄野潤三「今年のムカデ」が掲載されています。


どれにも店主が書いた200、300あるいは500という値段が書いてあります。中には200の2を3に書き直したもの、300を消して500と書き直したものの、下には300と書いてあったことが分かるものなどいろいろあります。毎号24ページで、定価はいずれも30円。100号記念号だけは40ページです。
なぜ興味を持ったのかというと、100号以外の号には表紙にその号の執筆者の名前が書いてあり、その中に木山捷平、庄野潤三という私が好きな作家の名前があったからでした。店頭には他の号も置いてあったのでしょうが、執筆者を見て、選んで買っていたので、この6冊しかありません。
調べてみると、「風報」は1947年9月に尾崎一雄と尾崎士郎によって創刊され、創刊の前段階では坂口安吾が深くかかわっていたようです。
通巻100号は記念号でありながら、100号を以て休刊するという終刊号でもありました。
その目次。

昭和37年10月の終刊号に木山捷平の名前がないのは何故でしょう。その年は彼の代表作のひとつ『大陸の細道』(第13回芸術選奨文部大臣賞)を発表した年で、寄稿できたはずです。



















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