光井先生

光井先生とは、わたしが離婚して東京に一人で出てきて住んだ、武蔵小金井で知り合いました。引っ越し二年目に初めて外食できそうな一万円が月末余り、ずっといきたかったCafe de Vertというレストランに行くと、素晴らしいギターをひいていたのが、光井先生です。
なんとか知り合いになりたくて話しかけ、勢いで「ギター習いたい」と、いってしまいました。それが出会いで、27歳だったから、56歳のいま、29年たったことになります。
不安定な仕事で一人で暮らして知り合いもいなかったわたしをジャズ仲間に引き合わせてくれた、東京のお父さんです。光井先生なしで、わたしは歌を始められませんでした。
先生は「武田先生とミミちゃんがずっと仲良く幸せでありますように」といって観音様をおいて、すぐ雨のなかをお帰りになりました。もう、言葉がありませんでした。
わたしは実の親とはうまく行かなかったけど、神様が光井先生や、横田滋さんと引き合わせてくれ、疑似親子体験をさずせてくれました。寂しかったことはみんな忘れました。もう、愛情をもとめて泣く子供ではなくなれたと思います。
来年は一緒に、曲を作り、遠藤征志さんとレコーディングしたいねと話しました。必ず実現したいです。

