「池田満寿夫と3人の黒いヴィーナス展」が無事終わりました。
ご来場くださった皆さん、ありがとうございました。
たくさんの方に観ていただき購入していただき、版画家として幸せなデビューができました。
本当にありがとうございました。
1日放心状態で寝込みましたが、復活!
次なるテーマで制作の日々に入り、憧れの画家生活のスタートです。
でも絵を本気で始めるといくら時間があっても足りません!
今朝も、朝まで描いていましたが、もっとよくしたい、もっといろんな構図や描線を工夫したいときりがありません。
それでも、死ぬまでに1作でも名画を作りたい、もちろん次の作品展でも自分の自己ベスト、新しい世界をお見せしたい、と、体を壊さないようにしながらギリギリの状態で頑張っています。
若い頃から絵画を描けたら良かったと思いますが、マンガは25年以上、病気になるまで毎日描いていたのだから、一応修練はしてきたということで・・・
怖れることなく画業に挑みたいと思います。
そんな中、「吉井画廊」さんに遊びに行くと、展示がルオーに変わっていてびっくり!
今までのカトランも素晴らしかったけど、エレベーターを降りた瞬間、画廊入り口に画集でしか見たことのなかったルオーの絵を見つけ、素晴らしい焼き物の飾りと共に目が釘付けに!
中に入ると、壁には一面のルオー、 ルオー、ルオー!
ルオー晩年の傑作「ミセレーレ」という58点の作品からなるシリーズがあるのですが、そのシリーズが一面に飾られてる!
花の油絵も!
ルオーは初期に陶器の絵付けもしていましたが、今回の展示では陶器の作品もありました!
画廊はまるで美術館のよう・・・私はただ息を飲みうっとり。
ルオーは常設展として、しばらく飾られるそうです。
ルオーの描く宗教的なテーマは、宗教、宗派を超え人間の根源的な姿を見つめている気がします。
だから、キリスト教を学んでいない人にも、見ただけで何かが体験的に解るというか・・・
そして、私見ですが、人間の醜悪さ、愚かさが主題の絵でも、何かその人物を愛しく思えるというか・・・
人間のありのままの姿に対する暖かい肯定的なまなざしを、私はルオーの作品に感じます。
だからかな!?
見るたびに荘厳や畏敬と共に生きていくためのエネルギーをもらえる気が・・・だからルオーの絵は世界中で愛されるのだと思います。
その日、自分の絵や版画を持っていたので、並べさせてもらって自分の力のなさ加減を見たかったのですが、ちょっと図々しいと感じお願いできませんでした。
ひよりますね、さすがに(笑)
ちなみに絵の下にはいくつも赤丸がついていて・・・
こんな人類の文化遺産を個人で収蔵できる方がいるんですね。
こういう作品は画廊と共同で管理されるそうです。
よく美術館の作品で「個人蔵」とかいてあるのがそれ。
今回のルオーとの出会いは、山梨の「清春白樺美術館」のルオー礼拝堂でお祈りしたとき以来の感動でした。
あの日以来、私は描きたい病に取り付かれたように描いています。
自分で描いているのでなく、天から力をいただき、そのインスピレーションをただ媒体として書き付けさせていただいている感じです。
その感覚を失いたくないから、とにかく絵に対してまっすぐに向かいたいです。
私が気持ちを曇らせずにいる間は、体力とインスピレーションが与えられると思うので・・・。
そんなことを思い家に帰ると、先日の展示会の絵が戻っていて、お客様からのプレゼントなどもたくさん同封されていました。
嬉しい!
お礼状を書かなきゃと考えていると「あれ?ワイン!?これ、前の企画展示会オープニングで「吉井画廊」さんがくださったワイン!?」。
あの日、皆ですぐお酒を飲んでしまい、皆さんは飲み足りずに二次会にいかれたから、「不忍画廊」の皆さんが飲まれたかなと思っていました。
「不忍画廊」さんは優しい!
私が「吉井画廊」さんからいただいたということを知っていたので、空けずに今回送ってくださいました。
それを箱から出すと、「清春白樺美術館」と書かれた美しいラベルの赤ワイン。
画廊に伺ったところ、「清春白樺美術館」のお土産で買えるそうです。
紙の箱も重厚だから、フランスあたりの名シャトーの物かと勝手に思っていたら、勝沼のワインでした。
箱が素敵で、ラベルとワインの色はさらに素敵!
年々、日本の国産ワインもそのクオリティを上げていますよね。
今やフランス産に引けを取らないものがたくさん。
この色はそんな重厚な味わいを予感させます。
主人と「何か大切な記念日にいただこう」と決めました!
私も主人もコルク開けが苦手なので、絶対失敗しないよう、誰でも開けられるコルク抜きを買わないと。
ワインに限らず、グッズの全てに美術館の細心の配慮や美意識を感じます。
ギャラリーって人生の一番の贅沢品を扱う場所ですものね。
呉服屋さんもすごいけど、またさらに違うステージを感じます。
私は、音楽や美術などの芸術は、なくても生きられる只の贅沢品とは決して思いません。
それは空気や水と同じように人間にとって不可欠の魂の糧。
神様のように、なくては生きられないものだと思います。
マチスも師とあおぐセザンヌの「入浴する女たち」を終生手放さなかったと言います。
いまの私には名画を買うお金はないけれど、美しく尊敬できる作品に囲まれて、高みを目指して作品を作りたい。
いつかこんなインスピレーションを与えてくれる作品と共に暮らせるようになりたい。
名画は美術館や画集でだけ見るものだと思っていたけれど、いつか自分のそばに名画をコレクションできるようなアーティストになりたい。
そう感じました。