ここ二日ほど大雪でエラい目に会いましたが、今年最後の伊万里を購入しました
「陽刻鳳凰文七寸皿」(実際には22cmくらいあります)
一見して判るように、天明~寛政あたりに多く見られるタイプの品で
倉石梓氏の「古伊万里染付図譜」ではこの手を新様式の「陽刻型打ちグループ」として分類しています。
釉薬感も含めワタシの初見での印象も、鳳凰が見込み中央に大きく描かれているのはちょっと珍しいものの
典型的な江戸中期末の品というものでした。
やや鉄分の飛びは見られるものの、鳳凰の絵付け・発色は悪くありません
陽刻部分のアップですが、このタイプの品の陽刻はかなり種類があるようなので、珍しいのかどうかは不明です
この手の品は結構見かけますので、普段であれば安くても購入しようという気はしないんですが
購入するに至った理由は裏面にあります。
このタイプ(陽刻型打ち)の品の多くが裏文様のない、いわゆる「裏白」なのに対し
この品は享保期の品のような全面唐草の裏文様になっています。
唐草そのものはやや繊細さを失った時代の描き方ですが、まだそれ程崩れてはいません。
あくまでも私見でしかありませんが、「陽刻型打ち」タイプの中でも、比較的早い時代の品ではと想像しています。
このタイプの品で最も人気があるのは、以前に紹介した「陽刻麒麟文」のお皿だと思いますが
この品には別の魅力があるように感じます。(値段は何分の1しかしませんが)