Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 19 花と花唐草文七寸皿

2019-10-11 20:38:19 | 古伊万里
蛸唐草や花唐草はかつては極めて人気の高い文様でしたが、現在はそれ程でもありません
(蛸唐草の人気の凋落はご存知の通りですが)

ウチには蛸唐草は少ないんですが、花唐草と何がしかの文様を組み合せた品はいくつかあります
以前に紹介した「軍配に花唐草文」の品などは珍品の部類かも知れませんが、今回の品もあまり見かけない品かも知れません。
今回紹介する品は、「花と花唐草文七寸皿」です


器面を左右に分割し、左半分にはあまり見かけない花や葉の文様、右半分にはまだ盛期の繊細さを残した花唐草文が描かれています
面白いのは画面の分割の方法で、優美な曲線で左右の文様を分割しています。中期の品であれば雷割りのデザインはわりと見かけるんですが
このように曲線で分割した品は類品が少ないように思います。


さらに左側の文様も、中期であれば葉唐草あたりが定番かと思いますが、これもあまり見かけない花のような(?)文様になっています


裏の唐草も比較的に丁寧ですが、土は藍柿右衛門のような白く上質なものではなく、時代的には元禄~享保あたりといった印象です

この品は購入してから三年ほどですので、ウチではわりと新しく入手した部類の品ですが、この品は里文出版から平成五年に発刊された
「伊万里百趣」に掲載されていたこともあり、存在自体は20年以上前から知っていました。


この書籍を購入した頃は、まさか自分が同手を入手するとは考えもしませんでしたが(当時は花唐草はとても高かった)
待てば海路の日和ありといった感じでありましょうか。
ちなみに、「伊万里百趣」の所載品は直径19.0cmで六寸半サイズですが、ウチの品は直径が21.5cmとひと回り大きく
もしかすると五寸サイズも存在するのでは?、というのは考えすぎでしょうか。




回想の古伊万里 18(鍋島竹文五寸皿)

2019-10-04 20:23:09 | 古伊万里
 鍋島が江戸期における日本の磁器の最高峰であることは、どの研究本にも書いてあります
その評価の中心となるのは当然、盛期の色鍋島である訳ですが、そのような品は滅多に流通していませんし
名品の多くが美術館等に収蔵されていますので、価格と言う面を考慮する以前に貧乏コレクターには図録や美術館で見るだけの品でしかありません。
それでも何とか鍋島が欲しい、となると江戸後期~幕末の染付の品「藍鍋島」だけがターゲットになりうる存在です
とはいえ、ネットオークションを見ると、怪しい品が沢山あり、実際に中国あたりで作られたコピー品もそれなりに存在するとか。
そんな訳で、ワタシの場合ずっと「鍋島だけは手を出したらアカン!」というスタンスだったのですが
思わぬ経緯で幕末~明治の鍋島を入手するに至ったのが今回の「藍鍋島竹文五寸皿」です。



表は鍋島らしくしっかりとしたデザインと筆致で竹文が描かれており、染付の発色も良く、クオリティが高いように思います



鍋島の特徴でもある木盃形の成形、そして高い高台も約束通りですが、裏文様は一般的な七宝繋ぎなどとは違っていますが
こういった感じの裏文様は幕末~明治の平戸にも見られるようです。

そしてこの品の最も特徴的な部分が、高台部分の文様です。



鍋島といえば櫛歯文で、その描き方の丁寧さで時代判定をする程ですが、この品の場合
羽を広げた雀と思われる文様が描かれています。表が竹ですから「舌切り雀」かと思うような組合せです。
間違いなく鍋島ではありますが、この自由さは明治に入ってからの品?、という想像ができるように思います。

このように面白い鍋島ですが、実はこの品は「買ってもらった」品なんであります
当時、東京在住だったワタシの姉が骨董祭で京都の有名業者さん(通称「お休み処さん」)から購入
東京を引き払う際にお土産として持参したのがこの品でした。

その後、自分でも江戸期の鍋島(キズ物ですが)を購入しましたが、
未だに「鍋島だけは手を出したらアカン」というトラウマがあるのも確かです。

キャッシュレス狂想曲

2019-10-02 20:23:43 | 日記
 昨日から消費税の増税&軽減税率、さらにキャッシュレスでのポイント還元が始まりました

ワタシのところでも昨日はいろいろとありましたが、なんとか乗り切ったという状況です
(とにかく消費者に不利益にならない、これが総てですが)

さて、ワタシのところは中小企業ですんで、キャッシュレスでの5%還元の対象になっています
とはいっても、クジットカードやQRコード支払いなんてのは対応しておらず、「コジカ」という電子マネーだけが対応しています


この電子マネーは全国の中小スーパーが加盟している「○GCグループ」(あえて伏字)で共通に使えるんですが
ポイントとかはカードを発行した企業でした付与されないんですが、政府が行う5%還元については対象店であれば
どこでも受けられます。
と、ま~ここまでは能書きなんですが、先月下旬に10月からこのカードで5%還元が受けられることを告知したら
申し込みする人が激増、店舗での受付作業と登録作業で大変なことになっています。
来年の6月までとはいえ、やはり多くの消費者が大きな魅力を感じたということでしょうか

プリペイドカードゆえに、残高以上に使えないという点もある意味での美点であるようで
お年寄りが年金が入ると一定金額をチャージして、それで食費を管理するなんていう使い方もあるようです。

政府がキャッシュレス普及のために、目の前にニンジンをぶら下げたような制度ですが
果たしてポイント還元が終了しても使い続ける人がどれくらいいるのかは判りませんね。

ついでながら、キャッシュレスの普及には裏事情があるようで、低金利時代が長いこともあって
銀行の収益性が低下しており、キャッシュレス決済の手数料収入を収益の柱にして利益を上げさせ
そこから税収を増やそうという役人らしい姑息な目論見があるとか。(真偽のほどは?)