言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。
粘り強く生きてこの世の花を見る
(川柳道「粘る」 雫石隆子選・佳作)
ともだちとはぐれ途方に暮れたまま
(印象吟 原 脩二選・佳作)
古池に憂いをひとつ置いてくる
(ベスト川柳「池」 油谷克己選・佳作)
まったりとあなた待ったりする至福
(駄×洒落川柳 佐道 正選・気になる一句)
微風だと思った風が呼ぶ嵐
(全国誌上句会「雑詠」佐藤芳行選・佳作)
不義理詫びながら拾った白い骨
(マガジンクラブ誌上句会「不義理」
柳 緑子選・70秀
坪井政由選・70秀)
本気には本気で応え生きている
(川柳師走賞「本」いしがみ鉄選・佳句)
本物になるまで使い込むいのち
(川柳師走賞「本」平井美智子選・佳句)
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<近詠>
最強寒波立春過ぎてやって来る
平凡な暮らし守るという仕事
家計簿がため息ばかり聴いている
息切れをしないペースで歩く道
<2月句会・課題句>
「読む」(池谷英子選)
飼い主の表情犬はすぐに読む
「律儀」(波多野律子選)
よしと言うまでフードに口をつけぬ犬
近頃の四季には律義さが足りぬ
おやすみのメール毎日くれる彼
「呑気」(鈴木順子選)
冷めやすい恋呑気にはしておれぬ
休日を呑気に過ごすぜいたくさ
<各・地・句・報.> 松本柾子抄
いくさをやめる理由ひとつが見つからぬ
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「貼る」(竹内ゆみこ・田沢恒坊共選)
貼り紙で職場の破産知らされる
(竹内ゆみこ選)
入選句の一部をご紹介いたします。
パソコンに貼り付けてあるパスワード 荘子 隆
貼りにくい場所に貼りたくなる湿布 西山竹里
半額の値札を貼られ再雇用 かきくけ子
減便の貼り紙春の停留所 徳重美恵子
命名書朝陽の見える場所に貼る 八木五十六
息詰めて付けるスマホの保護フィルム 春日綾乃
スーパーの値引きシールを待つ六時 おかのみつる
アルバムに貼ろうか胸にしまおうか 竹内ゆみこ
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<せんりゅう広場 富岳抄>
「寒波来る」
身構える普段は雪の降らぬ町
大雪は困るがちょっと見たい雪
雪道に不慣れな足がすぐ転ぶ
冬の部屋ポインセチアの温い赤
<2月句会>
「うどん」(奥山 京選)
素うどんのように素朴でぬくい人
酒の締めスイーツよりもかけうどん
「伝える」(澤崎ひらめ選)
雄弁に犬の気持ちを伝える尾
言葉足すほどに思いが伝わらぬ(地位)
「もくもく」
黙々と働く父の背の広さ
しあわせな冬の絵ぬくい鍋の湯気(五客)
「自由吟」(互選)
しなやかな心で来た球を返す(1票)
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<すずか路>
突如訪れる職場の転換期
四十代転職めざす選択肢
残る者去る者それぞれの思い
変化受けとめてやるべきことをやる
必要とされるちからは惜しまない
<誌上互選>
「待つ」
再会を指折り数え待つ暦(1点)
停戦を待ちわびている国の民(1点)
2月句会の欠席投句を失念しておりました。。。;;
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<前月号推選句>
友と鍋きのうとこれからを語る
(高嶺抄・荒牧やむ茶選)
<せんりゅう広場 富岳抄>
「年の明け」
元日も犬の粗相でお洗濯
老いること犬が教えてくれている
軽快にラインで届く年賀状
ひとりまたひとりと年賀状じまい
<1月句会>
「初」(佐野由利子選)
書き初めに強く大きく夢の文字(五客)
「おめでたい」(松田タ介選)
今日も無事家族がそろう晩ごはん(五客)
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<川柳展望ネット句会・2月>
「涙」 (互選)
武器にする涙はとうに期限切れ(8票)
涙腺がすぐに決壊する齢(2票)
5票以上が入選です。
私が選ばせていただいたのは
半分は悔し涙の銀メダル 北原おさ虫(28票)
ハンカチで拭けるくらいがよい涙 西山竹里(18票)
葬儀屋のここで涙のスケジュール 金子鋭一(15票)
非正規に涙飲ませる大企業 圦山 繁(7票)
温かい涙で送る子の巣立ち 稲垣義丹(6票)
ボランティア涙を超えて流す汗 宮尾柳泉(5票)
どうせなら涙流して大笑い はぐれ雲(4票)
でした^^
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年賀状じまいラインで告げられる
(有季川柳 山田恭正選・佳作)
元日も出動止まぬ救急車
(時事川柳 前中一晃選・佳作)
煽られて後に引けなくなった旗
(マガジンクラブ誌上句会「旗」
加藤佳子選・70秀)
澄んだ水いつも満たしておく器
(川柳霜月賞「水」猫田千恵子選・佳句)
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「豆」(鈴木かつえ選)
豆だけど肉の顔するハンバーグ(秀3)
入選句の一部をご紹介いたします。
節分の豆が飛び跳ね春を呼ぶ 成瀬雅世
豆撒きが済んで春待つ受験生 鬼頭しず江
節分の豆が出てきた大掃除 髙山龍太郎
豆のツル登るジャックに見える蟻 戴けいこ
空豆の寝床ふっくら莢のなか 佐伯たみこ(秀2)
味噌醤油うまい大豆の七変化 佐々木信生(秀1)
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「洗う」(竹内ゆみこ・田沢恒坊共選)
洗うたび肌になじんでくれるシャツ
(田沢恒坊選)
入選句の一部をご紹介いたします。
入念に洗う容器の再利用 水谷裕子
善人になれぬ半端な顔洗う 佐藤ちなみ
足洗うことも許さぬ闇バイト 羽華
いい加減洗ってくれと金魚鉢 木村行吉
誇らしく富士山頂を洗う雨 西山竹里
セーターを洗って春を呼び寄せる 橋倉久美子
丁寧に洗うと抜ける栄養価 青砥たかこ
独裁者たちを見すぎた目を洗う ならひと
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