さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

豊橋番傘 平成28年4月号・掲載句

2016-03-31 | 豊橋番傘

<好句往来>(2月号から・望月 弘 選)

 雑用がたくさんあって救われる

<近詠>

 戦争をあおる困った正義感
    
 偉そうにみえぬほんとに偉い人 

 あしたには過去のはなしになるニュース

 にんげんの喜怒哀楽を呑むお酒


<課題句>

「ぬけぬけ」(河合 正秋 選)

 君のため別れようなどよくもまあ

 旗色がみえてにわかに馳せ参じ 

          
「深い」(飯田 怜子 選)

 ハート文字深い意味などなかったの         

 これ以上追えば戻れぬ深い森


「レベル」(須崎 東山 選)

 ライバルになれぬレベルの大きな差


    
   
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静岡たかね 2016年4月号・掲載句

2016-03-31 | 静岡たかね

<前月号推薦句>(中前 棋人 選)

   風がゆくいつかわたしもおなじ風

<自由吟 富岳抄>

「春受信」

   殻ひとつぬいでみようか春だから

   身のうちの春よびさますふきのとう

   しあわせの感度高めて春受信

   ぬる燗にねむり誘われ春の夢


<2月定例句会> 

「あたたかい」(佐野 由利子 選)

  気まずさをホットワインがやわらげる    


「恐怖」(松田 タ介 選)

  こわいのは人の噂が生んだ鬼(天位)    


「ひ、で始まる句」(望月 弘 選)

  ひとことが今もわたしを迷わせる

  ひと塗りをためらっている未完の絵


「自由吟」(12月・1月分)互選

  相槌に味があります認知症 (3)

「自由吟」(2月分)互選

  いくつもの言えないままのありがとう (2)





   
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川柳マガジン2016年4月号・掲載句

2016-03-31 | 川柳マガジン


 ・スキップをしたがりだした春の靴 (川柳道・塩見 草映 選・佳作)


 ・へそくりもないのかなどと叱られる (笑いのある川柳・鈴木 公弘 選・佳作)


 ・踊らせる笛を離れた場所で吹く  
                     (読者柳壇「策士」
                      荒川 八洲雄・たむら あきこ・間瀬田 紋章 選・佳作)

 ・地雷やら汚染はいらぬ置き土産
                   
                     (第14期・11回 川柳マガジンクラブ誌上句会「置き土産」
                       岩田 明子 選・六十五秀)

 ・未来への置き土産にはまず平和

                     (第14期・11回 川柳マガジンクラブ誌上句会「置き土産」
                       小林 映汎 選・六十五秀)



   
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桜咲く

2016-03-21 | つれづれに

ひざしのあたたかさに、今年の桜も咲きはじめた。

もっと若い頃には、
春が来て桜が咲くだけでうきうきと心が躍ったものだが、
いまは、この季節が来るたびに、
もうこの世の桜をともに見ることができない人たちのことを
思わずにはいられない。

一昨年には父が、
その前の年と昨年には身近な友人がふたり、
そして今年は、であう前にお別れがきてしまった鰹さんが…

この世から旅立ってしまった。

ほんとうの憂いというものを、
これまで自分は知らずにいたのだなと感じる。

うまることのない喪失感。
それを抱えたまま、それでも前を向いて生きていく。
笑ったり泣いたり、季節の移り変わりを感じながら
おいしいものを食べて、うたを歌って、きれいな景色をみつけて。

昨日3月20日は、亡くなった父の誕生日だった。
生きていれば、75さいを迎えていた。
春分にうまれた父が旅立ったのは、
一昨年の立秋の日。
日付が変わってまもない頃の時間だった。

その年の、暑い夏いっぱいを生きてくれた父は
わたしの目の前で、この世でのさいごの呼吸をしてくれた。

ほんのわずかのふたりきりの時間、
父に感謝とお別れを告げて、それから、
かたわらで眠りについていた母を起こし、
2階にいた弟を呼んだ。

父にいつもしっかり守られていたわたしたち家族。
その父は、住み慣れた自宅で、家族の見守りのうちに生涯を終えた。
愛し愛され、しあわせな夫婦、親子、家族であったと思う。


おとうさん、ことしも桜が咲いたよ。
わたしたちも元気に生きているよ。


   空からも咲いた桜がみえますか

   ともにみることのできない桜咲く





   
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都会そだち

2016-03-17 | つれづれに

大阪市内でうまれ、そこで幼少の頃を過ごしたわたし。
小学5年の中途で、
いまも住んでいる兵庫県尼崎市に引越し転校してくるまで
田んぼや畑も、ふだんほとんど見ることがなかった。
土に親しむ暮らしを、いまだ経験したことがない。
お米の育つ過程も、きちんと知ってはいない。

手間ひまと愛情をかけて育ててもらった作物の
恩恵を受けるばかり。

せめて、食べ物は残さずきれいに食べて、感謝したいと思う。

小学1年の夏休み、
母のふるさとである沖縄・宮古島を初めて訪れた。
そのときわたしは畑の野菜を見ても、
なんの野菜なのかまったくわからなかった。

そして、うまれてはじめて牛を見たわたしはそのとき、

 「馬にツノが生えている」

と言ったらしい。

何年も経ったあとに、年上の従兄が教えてくれた。

知らないって、こういうことなんだなあと思った。
でも、馬を知っていたのはなぜだろう。
自分がうま年だから??
どこかで見る機会があったのかな。
本で知ったのだろうか。

ちなみに、母はうし年。


そしてウン十年。

今は、畑に育つお野菜の名前もすこしはわかるようになった。
どうぶつの名前も、たくさん知った。

ところで、うちの母はというと、
沖縄でふつうに見るのは黒豚だったため、
豚といえばわたしがさきにイメージするような
ピンクのような白っぽい豚を、
絵だか写真だかで初めて見たときはびっくりしたらしい。

 「ええっ、豚って、黒いものじゃなかったの??」

と。

 

  知らないということ知らぬ無知でした

  ひとつずつ知らないことを知ってゆく





   
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変容していくこと その2

2016-03-16 | つれづれに

  (画像の写真はいずれも「花の庵」さなえさんよりおかりしています)

昨日と今日では、自分の変化を自覚することはなかなかできない。
けれど、
自分の経てきた道を線でつないで長い目でみてみれば、
変化してきた自分を実感できることもある。

過去の句をみて、今ならこの句はつくれないな
と思うことがある。
純粋だったとか素直だったとかいう意味にしろ、
未熟だという意味にしろ、
過去の自分にしかつくれなかった句。

そして、未来の自分がつくるであろう句を、
いまのわたしはまだつくることができない。

そのかわり、今でしかつくれない句があるのだろう。

過去のわたしは、たしかにおなじわたしという人間だけれど、
何らかの変化をしたいまのわたしとは別人ともいえる。
そして、未来の自分に、いまのわたしはまだなれない。

今しかつくれない句を、今つくる。
二度とおなじ日はない今日という日をたいせつに生きることと、
意味はおなじなのかも知れない。

つくる句が自然に変化するように、
自分のこころに、より響く句が、
その時々でちがってくるのも自然なこと。

たとえば、そのひとの人生において、

病を経験する前と、そのあととでは。

子をなす前と、そのあととでは。

震災にみまわれる前と、そのあとのいまとでは。

たいせつなひとがこの世にいた頃と、去ってしまったあととでは…

たとえ大きな出来事がないと思える日々のあいだにも、
自分はどこか変容している。
ごく自然に、自分でも気づかぬうちに。
ひとつずつとしをとるということひとつをとっても。

つらいお別れもたくさんあるけれど、
そんなあたりまえのあれこれを、自然に受けとめ受け容れていければと思う。


  過去すべていまのわたしの血肉骨

  間をおいてみればすんなり出るこたえ



変容していくこと という記事を以前に書いたが、なんだかその続きのような内容になった。
考えていることが、あまり変わっていないなあ(笑)





  
   
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鰹さん追悼ネット句会

2016-03-14 | ネット句会

加藤 鰹さんの追悼ネット句会に参加しました。

多くのかたからの句が寄せられたようで、
きっと鰹さんも喜んで下さるでしょう。
鰹さんへの、それぞれの思いを持ち寄ったわたしたちも、
川柳をつうじてご縁がつながれたように感じました。

企画して下さった水品団石さん、選者の方々、お疲れさまでした。
お世話になりまして、ありがとうございます。

 
[印象吟2句]  

  このさきを追ってはならぬ白昼夢(小林 信二郎・望月 弘 選)

  ブレーキが効かなくなったふたり乗り(小林 信二郎 選)

[追悼句]  

  祭りだワッショイ空もさびしくないように



続いて、

静岡たかね川柳会「加藤 鰹追悼誌上句会」

が行われます。

こちらにも、さらに多くのかたの句が寄せられますように。



   
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昭和の川柳百人一句展

2016-03-13 | つれづれに

先日の金曜日、仕事帰りにみてきました。
展示期間が13日までということで、今日行かなくちゃ、とばかりに。
この週末も家事・雑事で終わってしまいそうだったので…
思いきっておでかけして、よかったです。

ひとつひとつの作品そのものはもちろんのこと、
個性あふれる筆文字、そして句にやさしく寄りそう水彩の絵…
どれをとっても味わいのふかいものでした。

館内にはほとんど人もおらず、
百人の一句ずつとゆっくり向き合い対話するという、
ゆたかな午後のひとときをいただきました。

味わいある筆文字や絵をお見せできないのが残念です。
どの句もすばらしくて、すべてご紹介したいくらいですが、その一部をどうぞ。
(敬称略です。失礼いたします)


  名を捨てて一つの机ひとつの書 (去来川巨城)

  花鋏花のいのちに触れた音 (石原伯峯)

  蟹の目に二つの冬の海がある (大野風柳)

  健康に自信過剰というやまい (岸田万彩郎)

  どん底の仕合せ捨るものがない (木村喜見城)

  したたかに酔う愚かさも見せておく (後藤柳悦)

  鶴を折る心に今は遠き修羅 (佐藤正敏)

  戦ってかちとる平和ならいらず (志水剣人)

  雪国の育ちと知れる酒の量 (高橋放浪児)

  母の振る鈴がこころの奥で鳴る (田中南桑)


  今日も陽が落ちる流れは変えられず (玉野可川人)

  天国も地獄も同じ独り旅 (長沢としお)

  暑さなら凌ぐと冬のぐちを聞く (野口初枝)

  木の家に住んでて四季に逆らわず (野村圭佑)

  貌のない手ばかり挙がる多数決 (野谷竹路)

  首塚やここに候ものは風 (尾藤三柳)

  ため息の中に多彩な男棲む (森中恵美子)

  隠し文字さがしあて得ず秋おわる (山崎鮮紅)

  仏にも春を告げよう桜餅 (山崎凉史)

  人を恋ふ人が集まる冬の酒 (渡辺蓮夫)


そしてもう一句。
展示されていた風呂敷?にあった句です。

  いなないた馬のむかしのものがたり (大野風柳)


もしお近くで展示される機会があるようでしたら、ぜひどうぞ。

川柳をしていてよかったな。
こんなよい句にたくさんであえるから…

そんなよろこびをいただきました。


   
   
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川柳信濃川 「しん」

2016-03-10 | 誌上大会

「川柳信濃川」の新春川柳誌上大会・課題「しん」に参加させていただきました。

参加者は全国から590名だそうです。すごいですね。

選者の先生がたは11名。敬称略で失礼いたします。

(相田柳峰・嶺岸柳舟・吉道航太郎・藤原鬼桜・願法みつる・安達 満
 みよしすみこ・千島鉄男・楠根はるえ・横山昌利・太田紀伊子)

それぞれの先生がたが選ばれた、天位・地位・人位・五客と入選句があり、
わたしは2句ともふつうの入選で、なんとかはじっこに加えていただきました。


 変わらないための進化をしつづける (相田柳峰・吉道航太郎・願法みつる・楠根はるえ 選)

 真贋の淵のぞく目はくもらせぬ (藤原鬼桜 選)


わたしがいいなあと思った句をご紹介します。
敬称略で失礼いたします。

 追伸の一語に鈴が鳴り止まぬ (家老真貴子)

 真実も月もおぼろになってゆく(西村みなみ)

 チンしたい人だな芯があり過ぎる(谷口東風)

 親の気も知らずシングル謳歌する(坂本弘子)

 辛抱のかたちで靴が減っている(塩谷たえ子)

 


   
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川柳展望「愛情」

2016-03-08 | ネット句会

「川柳展望」のネット句会に初めて参加してみました。

2月課題の「愛情」(投句者の互選)

(集句は158句・79人。 入選は5票以上の29句)



 これもまた愛なのでしょう嘘ひとつ (票数17・入選)


 叱らねばならぬこころでゆるしても (票数1・選外)



これまで選というものをしたことはなかったのですが、
互選ということで、このたびはじめて経験。
7句を選んで投票するようにとのこと。
さあどうしよう、
何を基準に、どう選べばよいのやら。

迷いだしたら決められない、
7句のきまりがあるから、しぼらなければならない…
句の評価などはできる立場になく、またその力もないので、
直感ですきな句を選ばせていただくことにしました。

選者の先生がたのたいへんさが、ちょっぴり実感できました。
いつもお世話になります…!

「愛情」でわたしが選ばせていただいた句をご紹介します。
敬称は省略させていただきました。失礼いたします。


 喧嘩してときどき愛を確かめる (吉崎柳歩)

 フルムーン常温の愛あたためる (北田のりこ)

 戦地から父が託した子の名前 (福村まこと)

 親鳥が遠く見守る巣立ちの日 (宮本彩太郎)

 愛情を知らないままの虐待死 (大木雅彦)

 鬼だってきっと愛情持っている (圦山 繁)

 親のしたすべてが僕のためと知る(西山竹里)



   
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