言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。
<前月号推選句>
遅くなりごめんと咲いた彼岸花
(疾風抄・松田タ介選)
<せんりゅう広場 富岳抄>
「Novemver 2024」
若冲と出会う雨あがりの寺で
樹齢さえ知れぬみごとな松の寺
初めての町にわくわく弾む足
急速な冷えに慌てる衣替え
<11月句会>
「ぶらり」(増田信一選)
足の向くままにぶらりと紅葉狩り
ぶらり来た友がほぐしてくれたコリ
「ハッピー」(山田浩則選)
ハッピーな気分になれるうまい酒
「カラス」(佐野由利子選)
ゴミあさるカラスが見抜く貧富の差
「自由吟」(互選)
居酒屋でヒントをもらう新メニュー(2票)
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「ネット」(木村行吉選)
闇バイトネットの海で網を張る
ワンクリックで買える凶器もゆりかごも
入選句の一部をご紹介いたします。
詳しくはネットでなんて不親切 戴 けいこ
ネットへは箝口令が届かない 颯爽
デパートで下見してからネット買い 山崎止水
いくらでも入るカ―トがあるネット 西岡ゆかり(秀3)
引っかかるネット社会の霞網 本多雅子(秀2)
墓参りネットで済ます不孝者 原 啓二(秀1)
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「磨く」(平井美智子・西山竹里共選)
にんげんを磨く苦労というやすり
(平井美智子選)
まいにちの菜煮るために磨く鍋
(西山竹里選)
入選句の一部をご紹介いたします。
お日さまが好きでしっかり磨く窓 橋倉久美子
つまずいた石に私は磨かれる ならひと
ありふれた石も磨けば味がでる 冬子
錆びてきた脳味噌根気よく磨く 新家完司
思い切り笑えるように歯を磨く 柴田比呂志
光るまで磨き続ける泥団子 平井美智子
磨いても価値に変わりはない硬貨 福村まこと
磨かれてつまらぬ人になっている 岡本 恵
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「花」
(真島久美子、北川拓治、木本朱夏、
新家完司、小島蘭幸 共選)
あした散る花が笑って今日を咲く
(北川拓治選)
各選者さんが選ばれた特選句をご紹介します。
花束を抱くときれいに立つ角度 青砥たかこ
(真島久美子選)
たんぽぽを束ねて嫁がせた昭和 笹島耕三
(北川拓治選)
サボテンが咲いたよ待ち受けにしよう 藤田武人
(木本朱夏選)
向日葵を植えて長生きしています 谷口 義
(新家完司選)
花の種死んだ兵士のポケットに 居谷真理子
(小島蘭幸選)
おかみさんのお店ですっぽん料理をいただくとき、
おとものお酒はいつも「たけはら」です^^
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<すずか路>
紅葉の遅い木々にも迫る冬
二煎目のお茶のうまみがわかりだす
一通の喪中はがきが告げる冬
ひび割れぬうちにこころも保湿する
時々はねぎらってやる足の裏
<11月句会>
「情報」(西川幸子、青砥たかこ共選)
情報の処理能力が落ちた脳
(西川幸子選、橋倉久美子選)
情報をすべてスマホに握られる
(西川幸子選)
「自由吟」(𠮷崎柳歩選)
差額分確認しては貼る切手
<誌上互選>
「渋い」
渋い顔しつつ娘に甘い父(7点)
渋い色選びたくなる秋の服(3点)
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<10月号・11月号句会吟より推薦句>
ていねいに洗った皿に今日を盛る
(戸沢ほたる 推薦)
コスモスが踊りはじめた秋の風
(彦坂石転 推薦)
<近詠>
まだ単衣着たい暑さの残る秋
霜月に金木犀が花ざかり
ひと雨を境に秋が深くなる
愛犬と暖を分け合う綿毛布
<11月句会・課題句>
「ポスト」(寺部水川選)
ポストただ無事のしらせを待ちわびる
「美人」(青嶋由紀美選)
手入れして咲かせた花はみな美人
「自由」(鈴木順子選)
思うのは自由と今も片思い
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<川柳展望ネット句会・11月>
「鼻」 (𠮷崎柳歩選)
愛犬の鼻に尋問されている
入選句の一部をご紹介いたします。
降る雨に今日の出鼻をくじかれる 甲斐良一
鼻の差で負けたことならたんとある 高杉 力
鼻呼吸しておっぱいを飲んでいる 三村 舞(佳句)
赤ちゃんの象も釣り合いとれた鼻 天根夢草(佳句)
中央でなくてはならぬ鼻の位置 足立ミツエ(佳句)
威張らないように言い聞かされた鼻 橋倉久美子(秀句)
ウイルスの通過を検知できぬ鼻 西山竹里(秀句)
性能に問題はない低い鼻 甲斐良一(秀句)
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<せんりゅう広場 富岳抄>
「October 2024」
十月も冷房効かす電車内
遅くなりごめんと咲いた彼岸花
ひと晩で真夏を秋に変えた風
愛犬が十九歳になった秋
<10月句会>
「月」(柴本ミチコ選)
本心はこのまま胸におぼろ月
傷心に月が黙ってついてくる
「変わる」(渥美さと子選)
いろどりが変わるちいさな庭の四季(五客)
「満ちる」(松田タ介選)
朝ごはん今日のちからが満ちてくる
飲み飽きぬ酒でふたつの杯満ちる
「自由吟」(互選)
器用ではないがこまめに動かす手(4票)
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飼い主の異変直ちに気づく犬
(川柳道「異変」今田久帆選・佳作)
熊よけの鈴を街でも持ち歩く
(時事川柳 井上一筒選・佳作、前中一晃選・佳作)
試したいパフェの突飛なトッピング
(駄×洒落川柳 佐道 正選・佳作)
動機なく人を殺めて病むこの世
(全国誌上句会「動機」蔀 帆子選・佳作)
愛読書小脇に抱え小旅行
(マガジンクラブ誌上句会「脇」
山崎夫美子選・70秀)
平凡な日記を今日も書けました
(川柳葉月賞「書く」
髙瀨霜石選・佳句
山下吉宣選・佳句
森田律子選・佳句)
お別れの手紙感謝で締めくくる
(川柳葉月賞「書く」
相田柳峰選・佳句)
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