さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

静岡たかね 2025年2月号掲載句

2025-02-04 | 静岡たかね

<前月号推選句>

 若冲と出会う雨あがりの寺で
        (若芽抄・佐野由利子選)


<せんりゅう広場 富岳抄>

「Decemver 2024」

 再会と別れ続いた年がゆく

 年賀状だけでつないでいるご縁

 日常に華を見つけて着る着物

 友と鍋きのうとこれからを語る
  

<12月句会>

「緑」(石川柳寿選)

 主役ではないが緑のキャラが好き(五客)


「赤」(中野三根子選)

 もういちど恋できそうな赤に会う


「白」(松田タ介選)

 いつだって白衣の白はしゃんと着る(五客)


「自由吟」(互選)

 まだ出番来ないコートがあくびする(1票)
 




      
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静岡たかね 2025年1月号掲載句

2024-12-30 | 静岡たかね

<前月号推選句>

 遅くなりごめんと咲いた彼岸花
        (疾風抄・松田タ介選)


<せんりゅう広場 富岳抄>

「Novemver 2024」

 若冲と出会う雨あがりの寺で

 樹齢さえ知れぬみごとな松の寺

 初めての町にわくわく弾む足

 急速な冷えに慌てる衣替え
  

<11月句会>

「ぶらり」(増田信一選)

 足の向くままにぶらりと紅葉狩り

 ぶらり来た友がほぐしてくれたコリ


「ハッピー」(山田浩則選)

 ハッピーな気分になれるうまい酒


「カラス」(佐野由利子選)

 ゴミあさるカラスが見抜く貧富の差


「自由吟」(互選)

 居酒屋でヒントをもらう新メニュー(2票)
 




      
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静岡たかね 2024年12月号掲載句

2024-12-05 | 静岡たかね

<せんりゅう広場 富岳抄>

「October 2024」

 十月も冷房効かす電車内

 遅くなりごめんと咲いた彼岸花

 ひと晩で真夏を秋に変えた風

 愛犬が十九歳になった秋
  

<10月句会>

「月」(柴本ミチコ選)

 本心はこのまま胸におぼろ月

 傷心に月が黙ってついてくる


「変わる」(渥美さと子選)

 いろどりが変わるちいさな庭の四季(五客)


「満ちる」(松田タ介選)

 朝ごはん今日のちからが満ちてくる

 飲み飽きぬ酒でふたつの杯満ちる


「自由吟」(互選)

 器用ではないがこまめに動かす手(4票)
 




      
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静岡たかね 2024年11月号掲載句

2024-11-06 | 静岡たかね

<前月号推選句>

 暑気払いなどと称してまたビール
       (高嶺抄・荒牧やむ茶選)

 ほろ酔いでうたたねなんという至福
       (若芽抄・佐野由利子選)


<せんりゅう広場 富岳抄>

「酷暑の夏」

 暑すぎて蝉もひたすら北めざす

 休憩もさせずエアコン酷使する

 九月来て真夏の暑さまだ続く

 生き延びてやっと名残りを惜しむ夏
  

<9月句会>

「残り」(外園ピアノ選)

 旅さなか残り時間は考えぬ


「ガラス」(佐野由利子選)

 そのむかしガラスの靴を履いた足

 すりガラス本音ぼかして映し出す


「自由吟」(互選)

 来年の夏は着られぬワンピース(1票)
 




      
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静岡たかね 2024年10月号掲載句

2024-10-06 | 静岡たかね

<前月号推選句>

 まだうまくできぬ自分をあやすこと
       (高嶺抄・荒牧やむ茶選
        疾風抄・松田タ介選)


<せんりゅう広場 富岳抄>

「夏休み」

 昼間からお酒オトナの夏休み

 暑気払いなどと称してまたビール

 ほろ酔いでうたたねなんという至福

 連休に何も予定がない平和
  

<8月句会>

「本番」(佐野由利子選)

 本番に起こるまさかのハプニング

 本番の靴は早めに履き慣らす(天位)


「花火」(中野三根子選)

 つかのまの恋を見送る遠花火


「トンネル」(松田タ介選)

 いくつものトンネルを経て出会う花


「自由吟」(互選)

 葬った夢が時々化けて出る(2票)
 




      
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静岡たかね 2024年9月号掲載句

2024-09-10 | 静岡たかね

<前月号推選句>

 ちょうどよい自分の衿の抜きかげん
       (若芽抄・佐野由利子選)


<せんりゅう広場 富岳抄>

「綻び」

 免疫の低下か綻びるカラダ

 まだうまくできぬ自分をあやすこと

 存在が支えであったひとが逝く

 悔いの雨訃報の日から降り止まぬ
  

<7月句会>

「流れる」(石川柳寿選)

 行く先を流れる雲は案じない

 戦争へ流れないでという祈り


「プライド」(奥山 京選)

 群れを去る背中にライオンの誇り


「輪」(佐野由利子選)

 輪の中でひとりひとりが抱く孤独

 まるい輪を描けぬままに生きている


「自由吟」(互選)

 生きる意思あってごくりと飲んだ水(8票)
 




      
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静岡たかね 2024年8月号掲載句

2024-08-16 | 静岡たかね

<前月号推選句>

 あした咲く蕾とあした散る花と
       (高嶺抄・荒牧やむ茶選)

 バラ園で少女の頃の夢に会う
       (疾風抄・松田タ介選)


<せんりゅう広場 富岳抄>

「浴衣」

 夏が来る前におさらいする浴衣

 五十肩浴衣着るにも難儀する

 ちょうどよい自分の衿の抜きかげん

 暑くても目には涼しく着る浴衣
  

<6月句会>

「あじさい」(宮崎三千代選)

 紫陽花の雨に未練は溶けました

 紫陽花が恋しい雨を待ちわびる(五客)


「自由吟」(互選)

 おてんばな地色を少し覗かせる(2票)
 




      
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静岡たかね 2024年7月号掲載句

2024-07-09 | 静岡たかね

<せんりゅう広場 富岳抄>

「バラ園」

 ご近所にこんな素敵なバラの園

 バラ園で少女の頃の夢に会う

 とりどりのバラに画家の名女優の名

 あした咲く蕾とあした散る花と
  

<5月句会>

「あくび」(山田浩則選)

 こっそりとマスクの中でするあくび

 陽だまりで猫にあくびをうつされる


「窓」(山本勝治選)

 恋人の窓に夜ごとのセレナーデ

 引きこもる窓を優しくノックする(五客)


「ほのか」(松田タ介選)

 ジェラシーをほのかに効かす恋レシピ(五客)


「自由吟」(互選)

 おはようの笑顔で今日も愛を積む(3票)
 




      
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静岡たかね 2024年6月号掲載句

2024-05-29 | 静岡たかね

<せんりゅう広場 富岳抄>

「免許返納」

 更新はせずに返納した免許

 無事故無違反ペーパードライバーでした

 運転はできずナビ役にもなれず

 夢だったクルマの旅は夢のまま
  

<4月句会>

「鼻歌」(渥美さと子選)

 選外でした;


「のぞむ」(増田信一選)

 望むのは延命よりも生きる質


「ひらひら」(松田タ介選)

 ひらひらとリボンも恋も揺らす春


「自由吟」(互選)

 戦争が待ち伏せている曲り角(6票)
 




      
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静岡たかね 2024年5月号掲載句

2024-04-28 | 静岡たかね

<せんりゅう広場 富岳抄>

「食卓」

 猪のいのちいただく牡丹鍋

 ふきのとう春の目覚めのほろ苦さ

 菜の花を添えて食卓春にする

 沈丁花漬けて香りを愛でる酒
  

<3月句会>

「苔」(八木益代選)

 苔むした庭で仏と対話する

 日を浴びるこころに苔が生えぬうち(五客)


「氷河」(川村洋未選)

 氷河期の世代シビアに世を見る目

 旅の果て氷河に眠る冒険家


「はらはら」(佐野由利子選)

 咲ききって悔いなく散ってゆくさくら

 はらはらと新米パパが抱くベビー


「自由吟」(互選)

 気まぐれな春がわたしをはぐらかす(1票)
 




      
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