さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

川柳すずか 278号(29年2月号)掲載句

2017-02-19 | 川柳すずか

<すずか路>

 傾いた月はだれにも止められぬ
      
 歯車の狂いが日常を壊す
      
 ありがたくもこわいこんなに効く薬
      
 踊らなきゃ魔法が切れる時間まで
      
 だれもその過程を知らずほめそやす


<すずか路 前号鑑賞> (277号から・圦山 繁)

 躓いた石を踏みきり板にする


<課題句>

「転ぶ」 (吉崎 柳歩 選)&今月のこの句(青砥 たかこ)

 酔っていたことに転んでから気づく

 
「プラン」 (共選)

 プランなど立てない旅がおもしろい (竹口 みか子・毎熊 伊佐男 選)


「自由吟」 (橋倉 久美子 選)

 着てみればあきらめがつく試着室 (橋倉 久美子 選)

 
<誌上互選> 「スマホ」

 スマートに見えぬ猫背のスマホ族 (4点)


<ポストイン・各誌から>

 やんわりと労わられ傷ついている (豊橋番傘)

 ジングルベルにまぎれ悲鳴はきこえない (たかね)




体調不良が続き、それにともなって持っていかれてしまった気力が
からだが回復しても戻らず、まだ半分冬ごもりの状態ですが、
日常はあわただしく過ぎていきます。
生かされている身であってみれば、その日々をだいじに生きなければ、
と思うのですが…

今しばらく、あせらず自然にまかせてみましょう。




   
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道なかば

2017-02-04 | 連作

 「道なかば」

   調律をしたくなったら旅に出る 
      
   ケガをしてひとの痛みを知ってゆく     

   できることまだまだあったこの手足 

   年輪をふやして人も太くなる

   引くことも勇気とさとす山の空

   だんだんと丸を描くのがうまくなる

   道草のおかげで見えたこの景色

   思う絵が描けぬ日もあるまたあした 

   ひとつずつ要らないものを捨てる旅  
  
   道なかばゴールはいまだ霧のなか




これまでに、いくつかの連作をつくりました。

これは、1年ほども前になりますが、

川柳展望の現代川柳大賞

(選考:天根 夢草、新家 完司、吉崎 柳歩、佐藤 岳俊、津田 暹、笹田 かなえ)

に応募した作品です。

現代川柳の何たるかも知らないままに…
いまだに、わからないでいるのですが。


受賞されたのは、全国的にご活躍されている有名なかたがたが勢ぞろいで、
なんとまあ、
そんなところにこわいもの知らずで出してしまったものだと
おそれ多い気持ちになりました。

佐藤 岳俊選でのみ、第4位にえらんでいただきました。
そのほかの選者さんでは選外でしたが、
おひとりでも目をとめていただけてうれしかったです。

今日は立春ですね。

まだまだ冷え込みますが、芽吹きの季節を前に、
冬ごもりの虫や動物たちも、木々も、起きだす準備を始めていることでしょう。




   
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豊橋番傘 平成29年2月号・掲載句

2017-02-01 | 豊橋番傘

<近詠>

 あたらしい風を迎える窓を拭く
    
 ひとり立つ更地になった城の跡
    
 笑わせてなんぼの意気で生きてゆく
    
 亡き父のぶんまでのもう父の酒


<課題句>

「狙う」 (小林 祥司 選)

 鮒ねらう鳥をねらっているキツネ

 ねらい撃ちしたいハートはガラス製         


「朝」 (尾方 静子 選)

 病癒えいつもの朝がくる安堵

 ぐっすりと寝てまっさらの朝にする


「弾む」 (藤原 緑郎 選)

 きみがいるだけでこんなに弾む歌

 まな板が弾んでうたう母の朝


「ますます」 (寺部 水川 選)

 深追いをするほど闇が深くなる
 



   
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