さくら・ことのは~川柳の部屋

言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。

鈴鹿ネット句会・2月「洗う」

2025-02-21 | ネット句会

「洗う」(竹内ゆみこ・田沢恒坊共選)

 洗うたび肌になじんでくれるシャツ
        (田沢恒坊選)



入選句の一部をご紹介いたします。


 入念に洗う容器の再利用 水谷裕子

 善人になれぬ半端な顔洗う 佐藤ちなみ

 足洗うことも許さぬ闇バイト 羽華

 いい加減洗ってくれと金魚鉢 木村行吉


 誇らしく富士山頂を洗う雨 西山竹里

 セーターを洗って春を呼び寄せる 橋倉久美子 

 丁寧に洗うと抜ける栄養価 青砥たかこ

 独裁者たちを見すぎた目を洗う ならひと





      
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川柳すずか 374(7年2月)号掲載句

2025-02-19 | 川柳すずか

<すずか路>

 あたらしい年がゆっくり流れだす

 最強の防寒服で初出社

 柑橘の香りを選ぶ鼻ガーゼ

 晩酌は日々の欠かせぬケアタイム

 胃腸炎おいしく食べたはずなのに


<小休止> 前月号より推薦句

 寒波来てぬくい我が家へ急ぐ足
        (山口龍一選)


<1月句会>

「隙き間」(𠮷崎柳歩選)

 あなどれぬ収納力の隙間家具


「添える」(芦田敬子、樋口りゑ共選)

 老犬の弱った脚に手を添える
      (芦田敬子選、樋口りゑ選)

 書き添えた言葉に照れている手紙
      (樋口りゑ選)


<すずか路前号鑑賞> 373号から・田辺与志魚

 値上げ後も止めぬつもりの年賀状


<誌上互選> 

「場所」

 隠れ場所ひとつネットに置いてある(2点)


  


   
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豊橋番傘 令和7年2月号掲載句~豊橋文化祭第46回誌上大会発表号

2025-02-18 | 豊橋番傘

<近詠>

 老犬と夫婦で無事に年を越す

 生前の父の雑煮は餅八個

 初ドライブは夫の親が待つ里へ

 老犬と今年もできた初詣


<1月句会・課題句>

 「プロ」(佐藤恭子選)

 プロであるために鍛錬欠かさない


 「掴む」(彦坂石転選)

 おばちゃんが俄然はりきるつかみ取り


 「作戦」(寺部水川選)

 円満に暮らす作戦実施中


<各・地・句・報> 松本征子抄

 手入れして咲かせた花はみな美人


[第46回 豊橋文化祭誌上川柳大会]

「力」

 受け流すちからも少しついてきた
         (松田タ介選)

 欠かせないパワーチャージの朝ごはん
         (鈴木かつえ選)


「違う」

 いつもと違う脈をナースは見逃さぬ
         (武山 博選)

 少しずつ違う歩幅になる別れ
         (冨川 章選)


「会社」

 会社での夫は几帳面と聞く
         (加藤由美選)


「優しい」

 時々は優しい嘘に救われる
   (梅崎流青選、鈴木順子選)


表彰作品は


 やわらかな夜になります煮大根 柴田比呂志

 なんぼでも私のスペア居る会社 戴けいこ

 ガンダムのスーツが僕を変えるかも 近藤圭介

 終戦に勝者の罪は裁かれぬ 五十嵐幸夢



でした^^





      
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第6回水の都まつえ誌上大会

2025-02-07 | 誌上大会

  (徳長 怜、月波与生、森 茂俊、宮井いずみ、米山明日歌、
   中前棋人、くんじろう、真島久美子、石橋芳山 共選)

 見納めと思えばうつくしいこの世
         (中前棋人選)


大賞作品、上位入選句をご紹介いたします。


 鳥かごは転校生のにおいする 小沢 史(大賞)
         
 ユーモレスクを2滴チャイにたらして 四ツ屋いずみ
      
 ごくたまに返事をくれる北斗星 藤成操江

 晴れの日をお取り置きしたままですが 西村みなみ

 二の腕のタプタプ世界の崩れ方 宮井元伸

 いつぞやの最中の皮と見つめ合う 青砥和子


この他に、私がいいなあ、と思った句は


 襟足を揃えあなたの季語になる 月波与生

 ヘルメットの数と合わない頭蓋骨 平井美智子

 追伸の中に隠せば雨になる 渡辺遊石

 虹を描くつもりがいつも蛇になる 宮井いずみ

 モーゼから投票用紙わたされる 句ノ一


 土曜日は蔓にまかれにまいります 米山明日歌

 レトルトの青空ですが召し上がれ 原 徳利

 カメムシの臭いになった脇の下 新家完司

 さっきまでそこで歌っていた骸 猫田千恵子

 剖検に向かう娘の頬を撫で 中筋弘充


でした^^



   
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川柳展望ネット句会・1月「無事」

2025-02-06 | ネット句会


「無事」 (𠮷崎柳歩選)

  恋したら無事ではいられないハート


入選句の一部をご紹介いたします。


  心配が一挙に溶けた無事な声 北田のりこ

  火遊びが出来ぬ男で今日も無事 圦山 繁

  無事に寝て無事に目覚めるありがたさ 冬子

  溺れずに上がり安心させる風呂 天根夢草

  掛布団ちょっと動いたので安堵 春日綾乃


  安否確認毎朝されているひとり 村上佳津代(佳句)

  無事着いたと天国からは来ぬメール 青砥たかこ(佳句) 
  
  戦地から無事の便りは届かない アカエタカ(秀句)

  一回も仕事をしないエアバッグ 甲斐良一(秀句)

  何ごとも無かったように帰還する 柳谷益弘(秀句)





      
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川柳マガジン 2025年2月号掲載句

2025-02-05 | 川柳マガジン
 神さまが望む喜劇を演じきる
    (川柳道「喜劇」尾藤川柳選・佳作)

 愛犬と夫いびきの二重奏
    (笑いのある川柳 古川政章選・佳作)
           
 昇進もストレスになる小心さ
    (駄×洒落川柳 佐道 正選・秀作)

 活躍の過去は語らぬ錆びた釘
    (全国誌上句会「釘」佐藤芳行選・佳作
              水野黒兎選・佳作)

 ゆるやかに一緒に年をとりましょう
    (川柳神無月賞「変化」猫田千恵子選・地)
            



   
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静岡たかね 2025年2月号掲載句

2025-02-04 | 静岡たかね

<前月号推選句>

 若冲と出会う雨あがりの寺で
        (若芽抄・佐野由利子選)


<せんりゅう広場 富岳抄>

「Decemver 2024」

 再会と別れ続いた年がゆく

 年賀状だけでつないでいるご縁

 日常に華を見つけて着る着物

 友と鍋きのうとこれからを語る
  

<12月句会>

「緑」(石川柳寿選)

 主役ではないが緑のキャラが好き(五客)


「赤」(中野三根子選)

 もういちど恋できそうな赤に会う


「白」(松田タ介選)

 いつだって白衣の白はしゃんと着る(五客)


「自由吟」(互選)

 まだ出番来ないコートがあくびする(1票)
 




      
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鈴鹿ネット句会・1月「罪」

2025-01-24 | ネット句会

「罪」(竹内ゆみこ・田沢恒坊共選)

 罪になるほどの情けはかけません
        (田沢恒坊選)



入選句の一部をご紹介いたします。


 推定無罪が適用されぬ朝帰り 田沢恒坊

 罪作り義母のおはぎが美味すぎる 五月

 イチジクの葉っぱ程度の罪でした おさ虫

 イケメンは微笑むだけで罪になる じいけらは 


 唐揚げに勝手にレモンかける罪 けい

 ひょっとして恋泥棒も罪ですか 糀谷和郎

 プーチンの罪 世界史を黒く塗る 青砥たかこ

 春と秋消してしまったヒトの罪 笹田しま


 判決は無罪白へは戻れない 小野雅美

 くすぐればきっと余罪が出るはずよ 竹内ゆみこ

 わたくしの罪は私が背負い切る 平井美智子





      
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川柳すずか 373(7年1月)号掲載句

2025-01-21 | 川柳すずか

<すずか路>

 寒波来てぬくい我が家へ急ぐ足

 インフルの猛威師走に医師走る

 値上げ後も止めぬつもりの年賀状

 紙オムツ犬がキュートに履きこなす

 愛犬と同じかたちになり眠る


<12月句会>

「長い」(青砥たかこ選)

 間を長くとって注意を引く話術

 長く取りすぎた縫い糸もつれだす


「抜く・抜ける」(柴田比呂志、小川はつこ共選)

 法の網抜けてグレーという無罪
      (柴田比呂志選、小川はつこ選)

 酒抜きでちょっとさびしい晩ごはん
      (小川はつこ選)


「自由吟」(橋倉久美子選)

 もう貯めぬ五百円玉貯金箱

 カップ麵お湯で素直にほぐれだす


<すずか路鑑賞> 372号から・戴けいこ

 時々はねぎらってやる足の裏


<誌上互選> 

「蹴る」

 石蹴ったあとの痛みが引かぬ足(6点)

 パワハラの抗議一蹴した上司(2点)


  

   
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豊橋番傘 令和7年1月号掲載句

2025-01-20 | 豊橋番傘

<11月号・10月号句会吟より推薦句>

 複雑な曲線えがく恋もよう
    (寺部水川 推薦)

<近詠>

 紅葉が迎えてくれた美術館

 懐かしい絵との再会果たす秋

 シャガールの歴史ゆっくり辿る旅

 年の暮れ実感わかぬこの師走


<12月句会・課題句>

 「弱い」(小松くみ子選)

 冷えそうな愛を弱火で加熱する


 「理由」(鈴木順子選)

 いくさをやめる理由ひとつが見つからぬ





      
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