夕食の買い出しに行った帰り道、
いつもの街の様子を見ながら、被災地に思いを馳せる。
2週間前、この当たり前の毎日が突然無くなってしまった…
当たり前の毎日…どころの話ではない。
家族がどこにいるのかさえ、まだ分らない人がたくさんいる。
避難所での不自由な生活、プライバシーのない毎日…
考えるだけで涙がにじんでくる。
…って、普段通りの生活をしているMが泣くなんて、
今、一番大変な思いをしている人に対して、失礼なことかもしれない。
映画や夢のような虚構ではなく、リアルな現実として
受け入れなければ何も始まらない…
気を取り直して家に向かって歩く。
当たり前の毎日が、当たり前にいる家族が、どれほどありがたいことか……
それに気づいて、また泣けてくる。
誰かの悲劇だとか、悲惨な様子を見て、
申し訳なく思いながらも、改めて気づく当たり前であることの幸せ。
そして、
遠くで暮らす家族の安否が、
これほどまでに心配だったことはない。
この前、街で息子と良く似ている後ろ姿を見つけ、
思わず近寄ったけど、そんなわけない…って思いだして
姿が見えなくなるまで、じぃ~~っと見つめた。
本当に生きていてくれて良かった…
あの津波、あのTVで見た火の海…と、思い出し、
知らないうちに泣いている自分に気づき、驚く。
…だから、息子は生きていたんだから、泣く必要ないんだってば…
Mでさえ、こんなザマだ…
あの未曾有の大地震、その後のさまざまな困難に直面しながら、
被災地にいる人々は、どれほどの大きな悲しみや絶望感に耐えているんだろう…
地震の前と同じような生活に戻るまで、どのくらいかかるかはわからないれど
しっかり見守って、支援したり、お手伝いできることは、参加するつもりでいるので、
どうか諦めないで……一緒に前を向いていきましょう。