Mのダーは、めっちゃ器用。
家の中、外、Mが発注したものはたいてい作ってくれる。
一家に1台…じゃない、1人。
Mも不器用なほうじゃないけど、面倒くさがりだし飽きっぽいので
最後のほうは、たいてい雑になる…
しかし、ダーは職人さんだけあって最後まで気を抜かない。
職人さんといっても、ピンキリなんだけどね。
不器用で雑な職人さんも、中にはいるのよさ……
ダーは内装屋で床が本職。
でも壁も貼るし、大工工事もする。
器用な人の手は、繊細でカタチがいい…ような気がスル。
Mも若い頃は、指が長くて手の綺麗な男の人が理想で、
ハマショーの腕から指先にかけて好きだった。
ダーは、手は似てないけど、後ろ姿だけハマショーに似てる。
…ちょっとダーのほうが細いけど。
で、肝心のダーの手
めっちゃ無骨で、太くて短い指。
この手が器用だというのだから信じられない!!
フローリングをやった時など、特殊なのりを使う。
で、このノリがやっかい。
爪の間にも入ってしまい、なかなかとれなくて、
どんなに洗ってもキタナイ手。
洗いすぎると皮膚まで取れちゃう……イタそ~~。
しかし、
この手で、どんな小さなものでも修理してしまう。
たまに、蛇足をしてMに叱られる……。
頼んだこと以外に、ダーが勝手にアレンジするので、
せっかくやったのに、Mに却下されることしばしば。
昨日、あまりの蒸し暑さに疲れ果て、ついに網戸の無いところに網をつけた。
めっちゃ暑くてダルかったので、まともに作業する気にはなれず、
ものすごく雑に網を切って、クリアーテープで枠にくっつけてそれで良しとした。
すげ~~雑な仕事。 担当 M
これで良し! 見た目は悪いけど虫は入ってこない……はず。
この窓は両サイド開くのに、奥のほうにしか網戸が入ってない。
特殊な窓なので、網戸をつけるとなると、余計なお金がかかる。
そこで、ヒマなMがそのうち何とかしようと思って
網戸用の網を買ってきてはいたんだけど
こりがまた、面倒で……暑くても我慢してた。
でも昨日はいよいよ我慢の限界だった。
蒸し暑いんだもの……北海道が蒸し暑くなるなんて…
ま、それはさておき、
レースのカーテンを引いたら、
この雑な網は、Mには見えなくなるんだもんね~~。
ホラ、この通り。 カンペキじゃん!!
レースのカーテン越しに、ソヨソヨと風も入ってきて
ヨシヨシ…今日は良い仕事したなぁ…なんて、ひとり悦に入る。
網を縦に切ってクリアーテープでとめて…その間10分足らずの作業。
夕方になって、ダーが帰ってきて車から降りるなり
「なんじゃこれ?」という声。
網をつけたので外の声がダイレクトに聞こえる。
なんじゃこれ? と言われて、良く見るとクリアテープがはがれて
網が半分落ちかけてた……
「ありゃ…」と、ガックリ。
そこからダーの作業。
きっちりスケールで計って、カッターで丁寧に網を切って
仕事で使ってる両面テープで、ドアの開閉部分まで網をくっつけ、
網が開閉の邪魔にならないように、しかも虫が入らない程度に
微調整しながら、網を器用に窓に取り付けた。
ピンと貼られた網。…見た目もスッキリ。 担当ダー
レースのカーテンで誤魔化す必要もない…
チッ…、と、ちょっとだけ癪にさわる。
でも、Mだってヤル気になればできるんだよぉ…
…とは思わなかった。
全くヤル気にならない作業なんだもん。
てか、
「Mがやる前に先にやってくれりゃいいのよ。
他人の家ばかり綺麗にしないでさ…」と文句を言ってみた。
すると
「Mの仕事をしても、オレ、金にならんからさ~。」と返された。
まぁ、確かに……
…と、納得。
無骨で、ノリだらけで、見た目汚いけど、
めっちゃ器用な手。
一家に1台あると便利。