歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

四季の折り返し地点

2009年08月16日 | 徒然 -tzure-zure-
8月の、15日。

8月の、ちょうど真ん中の日。
真夏の、ちょうど真ん中の日。




8月15日。

この日を境に、
日本の一年は 切り替わる気がします。

前半から、後半へ。

上昇してゆく「春」と「夏」が終わって、
下降してゆく「秋」と「冬」へ。




この日を境に、「海に入ってはいけない」と言われます。
クラゲが出るから。
海に入って良い季節は、お盆をもって 終了。

つまり、
一般に夏休みの終わりとされる8月31日を前に、
実は、
夏は、終わっている、、、!




8月31日は、ゆえに、
もはや とても虚しく、
無性に哀しく、
なんだか、やりきれない。


買ったばかりのサンダルの出番も、



もう、終了。




ここまでなんとかやって来て、
やっとそろそろ忘れかけてきた、冬。

じりじりと耐え忍んで、
じりじりと待ち焦がれて、やっと来た、夏。

そしたら
もう やって来てしまった。

夜の、
「肌寒さ」、、、!


もう 窓を開けっ放しでは ちょっと寝てられない。
掛け布団無しには おちおち寝てられない。

もう
あの「肌寒さ」ってやつが、忍び寄って来ている。


ああ、終わったのか。

夏好き&冬嫌いの私は、気が遠くなります。


「先へ進まなきゃ。」

、、などと、
わざわざこっちから思わなくても
事態はどんどん、勝手に、進んで行きます。


気が遠くなります。






夏の終わりは、特に速く
「残暑」という罠に ウッカリだまされ


光が まだまだ とても強いから

さすがに花が まぶしいなあ

とか

突き刺さる光が とても強いから

さすがに影も 深くて濃いなあ


なあんて 思って


よし 夏の風景を残しておこうと カメラを携え

よくよく見つめてみれば


影は 


伸びて かすれ始めてるし


空は 


うっすら 遠ざかっている。


もうそこには 夏本番の、
劇しくおしよせる姿は無くて、

「予感」の頃が
実は「本番」だったと気づき

気づいた頃には、
もう終わってる。



そして 秋は、
しらじらしく、もうそこに居る。
そうとは気づかれないうちに、そっと忍び寄って 居る。

気づいた頃には、もう始まっている。

付いて来れないならば、
置いてけぼり。

憂えようが 喜ぼうが
そんな ヒトの気分などは、
一向に、お構い無し。








夏の花は逝き



秋の色が生まれ





後ろ髪を引かれても
終わりは来て

前髪を引っ張られるように
始まりは来て




どうしようもないのに
途方に暮れて。




四季の折り返し地点。


この節目は

無性に 置いてけぼり感が募って

無性に 何かをやり残した感が募って

無性に このままじゃいけない感が募って

無性に 途方に暮れるのです。






 *


8月15日。
八月のちょうど 真ん中の日にして
真夏のちょうど 真ん中の日。

そして
奇しくも、終戦記念日。


その一日の前後で、ガラッと 世界が変わった日。



切り返し地点。



あるいは、

折り返し地点。



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