歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

残るもの

2010年10月24日 | 読書 -books-
久しぶりの、お休みの日曜日。



ということで

まことにお恥ずかしながら、

たぶん 一ヶ月ぶりぐらいに 部屋を掃除して、
掃除機をかけることができました。


まったく、自慢できることでは、ございません。。
とっても小さな部屋だから、やれば、ものの数分で終わる事なのにね、、。


スッキリ片付いた部屋、ったら。

まるで 別世界の 心地好さです!




前から、というか、常日頃から、
いつも心に引っ掛かっては居た懸案事項だったんだけど。

「いざ!今日こそ!」と 勇んで、一気に片付けすると、


正解ですね。


気持ちも なんとなく、おおらか~になって、
ため息すら 優雅~な感じで、
最近の焦燥感やら疲労感も、ポロッと。

今、ティーなんぞ飲んで、
どこぞの貴族のような、安穏な心地になりましてよ。


あ、

“貴族”って、でも、
「安穏」としているようで、
どこか うっすらと憂鬱で、
どことなく 色褪せた、擦れた諦め感というか、
ひと巡り済みの厭世観、みたいなものを、
表立たせない奥の基層に潜めていて、落ち着き払った構えの中に隠しているけれど
やはり薄く
哀しみのようなものとして滲み出てる

っていう、
複雑なイメージ。


っていうのを、超的確なひと言で表すと、

「アンニュイ」

まさにそれ、です。

貴族といえば、アンニュイ。です。






昨日は
スッキリと晴れた、満月だったな。

今日は、
深々と、宵からの雨の降る夜です。



夕方前の束の間、丸の内で、友人と会って、

久々に 新宿の、本屋に行ったりして。

しかし、町って、
居るだけで パワーが削げ落ちてく気が。。。

ほんとは 石けんだけ買いたかったんだけど、
目当てのものが無くて、結局石けんは買わないで、
本を、買ってしまいました。




雨がなかなか止まそうになくてアレだったのもあって、
久々に、カフェに寄りました。

で、雨宿りついでに 長居して、
買った本の一冊を、一気に読み上げました。


尾崎翠の『第七官界彷徨』(河出文庫)。




かなり、好きな感じでした。

自分が一番尊敬してやまない、川端康成に通ずる、

「日常の淡々とした流れゆく流れのままの、ほんの一部だけを、スパッと切り取った手法」、
その感じが。

それと、
回想シーンや神視点の登場人物の性格解説とかが、「無い」感じ。

周囲の人々のそれぞれの事象が並列して動いていって、絡むようで絡みすぎないリアリティがあり、
何ひとつもキレイに収束・解決したりすることなく(だって人生はその後も「解決」なんてせず、淡々と続いてゆくから)、
サッと、終わっちゃう感じ。

世界に引き込んでおいて、引き込んだまま、ザックリ突き放す感じ。


そういうのが、好きです。
そういうのに、リアルを感じます。

戦前って、そういう書き方が普通だったのかな。


最近のは、読者に優しすぎるというか、分かりやすすぎるというか、解説が多すぎる。




内容的にも、語りのテンション的にも、
自分の好みに重なるものが たくさん鏤(ちりば)められていました。

そして、
唐突な読後。

もやもやと、心に、ひっかかり、残るものがありました。

これは、「良かった」という証拠です。自分の場合は、ですけど。



感想は、まだちゃんとした言葉の形に成らないけど、
良かった。それは確かです。


表紙カバーの絵(=CD買うときのジャケットと同様、自分的には、購入か否かの決定打になるもの。)
が、また、
「これは好いぞ、」というもので。

いま改めて見てみたら、

『庭』
というタイトルの、
青木陵子さんという方の絵でした。





というわけで、

永らく放置していた「読書」というカテゴリー、

超久々に、使ってみました。


そういえば、これの前に読んだのって、何だったかな、、、

と憶い出したら、

湊かなえ『告白』



でした。

これは、最近、松たか子主演で映画にもされたやつですが、
、、良かった!

心に残るものがありました。

映画も、監督が『嫌われ松子の一生』(=映画館で初めて大笑い&大号泣してしまった衝撃の映画)の人ということなので、
うむ、間違いなさそう。、、って、とっくに公開終ってて、だいぶ出遅れておりますが、
いつか見てみたいと思います。


あ、もう一個、

桐野夏生『東京島』




これも、映画化されたやつですが。


読んでるときはまあ、エンターテインメントとして、面白く読んでた気がしますが、

読後、
「あ、そう。」という、
浅い気持ちしか残らなかったな。
なんか、、、作りものらしい都合の良い展開や環境設定とかに、
RPG(ロールプレイングゲーム)っぽさ(それは確かに面白くは、ある)なら感じたけど、
リアリティを感じられなかった。


後からネットで調べた、これの元ネタになった実話のほうが、衝撃的でした。




というわけで、

珍しく、読書記録でした。

今までで一番「凄い!」と思った川端さんのこととか、
梨木香歩さんとか、
また改めて、書きたいと思います。

たぶん、忘れかけた頃にね。



明日から、また怒濤の、現場仕事です、、、!






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