私の予想が外れた。どうして外れたのか。
予想したのはスコットランドの独立を問う住民投票の結果である。もちろん、独立賛成派が勝つ、などとは予想していない。
私が昨日早朝に投稿したブログで書いたのは、こうである。
今朝の新聞報道によれば僅差で独立反対派がリードしているようだが、世論調査のアナウンス効果がどう出るか。もちろん大差がついていると雪崩現象が生じるのがアナウンス効果でもあるが、僅差の場合は逆効果になるケースが少なくない。ただ今回の場合、まだ態度不明としている人たちが4%前後の少数なので、果たしてアナウンス効果が生じる余地があるかどうか、私はアナウンス効果による逆転の可能性は少ないと見ているが…。
投票の結果は、皆さんご存知の通り、反対55.3%、賛成44.7%だった。賛成派の逆転はならなかったという点では、私の予想通りだったが、問題は直前の世論調査と投票結果のギャップである。
その結果から、英国営放送のBBCは、世論調査の結果が住民の投票行動に結びついたのだろうと解説したようだ(NHKふれあいセンターによる)。そんなバカなことはありえない。イギリスのメディアは日本のメディア以上にアホばかりだということが分かったので、変な安心の仕方だが、私が厳しく批判してきた日本のメディアは国際標準から考えると、そうバカにしたものではないかもしれない、と少し安心できた。
アナウンス効果についてネットで調べたわけではなかったので、改めて調べてみた。一番わかりやすい解説は『知恵蔵2014年版』の蒲島郁夫・東京大学教授の解説なので、転載する。あらかじめ断っておくが、正しい解説だとは言っていない。
「マスメディアによる選挙予測報道が有権者の投票行動に影響を与えること。戦局において、ある候補者の圧倒的優勢が報じられると、支持者は安心して、投票に行くことをやめるかもしれない。逆に、支持する候補者の苦戦が伝えられると、投票のコストを顧みず投票所に向かう。さらに、選挙予測報道は運動員の士気にも影響をもたらす。優勢が伝えられると陣営の士気が緩み、苦戦が伝えられると陣営が引き締まる。これは候補者にとって重大なことである。また全国的な議席獲得予想が、有識者の投票行動に影響を与えることもある。たとえば、仮にすべての新聞の予測が「与党(自民党)の安定多数」だとすると、与野党の伯仲状況を望む牽制的有識者(バッファー・プレーヤー)は、他党に投票したり、棄権したりすると考えられる」
この東大教授の解説を読んで、私は日本のメディアに対して、さらに安心感を強めた。東大教授ほどのアホはそういないことが分かったからだ。東大教授の説によれば、選挙で最も有利なのは泡沫候補になりかねない。泡沫候補がアナウンス効果で勝利した選挙が一つでもあったか。
別に東大が憎いわけではないが、東大教授と言うと、メディアはたちまち恐れ入ってしまう。そんな必要はないよ、と言いたいついでに、メディアにもしばしば登場する東大名誉教授で政治学者の御厨貴氏が朝日新聞で嘆いて見せた。安倍政権下で自民党の多様性が失われた原因は小選挙区制にある、と。読んでいてアホらしくなった。
自民党内で独裁的体制を小選挙区制施行以降に築いたのは、過去には小泉総理だけである。いま安倍総理が独裁体制を着々と築きつつあることは私も否定しないが、その原因は小選挙区制にあるわけではない。内閣支持率の高さによって、安倍総理のやりたい放題にしかめっ面をしている実力者たちも、沈黙を余儀なくされているだけで、別に自民党から多様性が失われたわけでもなんでもない。
こんなアホで非論理的思考力の持ち主が教えている大学を出た連中が、大きな顔をできる社会に、私は危機感を覚えるだけだ。
はっきり言えば、小泉独裁体制も安倍独裁体制(まだ万全とは言えないが)も、内閣支持率の高さによって支えられており、それこそアナウンス効果の典型的ケースである。
そういう観点から言えば、スコットランドの独立をめぐる世論調査と結果との乖離の大きさは、世論調査がアテにならない時代になったことを意味している。世論調査の誤差率は一般的に±5%とされているが、メディアによって最近は調査結果の開きの大きさが指摘されている。その落差は各メディアによる調査方法の違いによるとも言われているが、日本だけに限らず世界の先進国は少子高齢化が進行し、若者層の都心への一極集中も世論調査の誤差を拡大しているのかもしれない。
世論調査は一般的にコンピュータによる無差別抽出した相手への電話でのアンケート方式である。が、若者層の固定電話離れは、世界的潮流で、先進国だけでなく中国などでも急速に進んでいる。と言うより、電話線などの社会インフラが遅れている国(新興国も含め)では、社会インフラの整備より携帯電話(スマホも含む)のほうが、資本投資もはるかに安上がりで済むし、また利便性も高いというメリットから、電話線を引くという行為そのものが採算性の面から考えてもう無理と言う時代になっている。
インターネットも、NTTのバカな連中はいまだ必死になってひかりを推進しようとしているが、若者層のパソコン離れも急速に進んでいる。投資家のためにアドバイスしておくが、NTT株は売って売って売りまくれ、と言いたい。間違いなく赤字垂れ流し企業の仲間入りを果たすからだ。これはNTT商法に腹が立っているから言ったまでで、半分冗談。
NTTのことなど、どうでもいいのだが、固定電話による世論調査の限界を、今回のスコットランド住民投票の結果は明らかにしてしまった。今回の投票は96,7%の住民がすでに態度を決めており、アナウンス効果が生じる余地はなかった。アホな東大教授は、圧倒的に優勢な候補者が不利になるケースとしてアナウンス効果を解説しているが、圧倒的に有利な候補者が油断して負けたケースなど皆無である。そんなに大きな差でリードしているわけでもないのに、「勝った、勝った」と浮かれて、選挙戦終盤で対立候補に追い上げられることはある。だから日本には「勝って、兜の緒を締めよ」という格言もある。
アナウンス効果は、安倍総理の独裁体制構築のように世論の支持を背景に、政敵を事実上葬るというやり方を可能にする形でも現れる。対立する双方の主張について、支持率が拮抗していて、態度を決めかねている人たちがまだかなりいる場合にのみ、投票結果はふたを開けるまでわからない、つまり逆転結果が生じる可能性がある場合もアナウンス効果のひとつである。こういうケースのことをアンダードッグ効果(負け犬効果)という。
他にも社会現象の引きカネになるアナウンス効果もある。たとえば学校でのいじめ自殺なども、そういう悲劇をメディアが書きたてると、たちまち社会現象化してしまう。知らぬ者同士がネットで知り合い、初顔合わせで「初めまして」とあいさつして練炭自殺を図ることが流行したこともある。これもアナウンス効果の一種である。アナウンス効果は選挙民の投票行動だけでなく、さまざまなケースに現れる。朝日新聞の慰安婦報道も、国際社会での日本観に大きなマイナス影響を与えたという意味ではアナウンス効果と言えなくもない。
そういう意味では、今回の投票はアナウンス効果によるものではなく、事前の世論調査、つまり従来型の電話による無作為選択の相手へのアンケートでは、正確な世論を反映した数字は出せなくなったことを意味する。
ではどうしたらいいか。いろいろな要素を加味した加重平均で調査地域と調査対象の年齢(20~30代、40~50代、60歳以上)や男女の性別などの要素を加味した調査対象を絞ったうえで、人海戦術による対面アンケート方式で調査するしかない。日本の場合で言えば、各メディアが個々バラバラにそういった世論調査をすると費用がかかりすぎるから、大手メディアが三つくらいのグループを編成し(各グループの構成メディアは定期的に入れ替えるのが望ましい)、各グループがそれぞれ別の調査機関に依頼して世論調査を行うようにすれば、誤差率はかなり縮小するのではないか。
なぜ、スコットランドの投票結果が事前の世論調査と大きく異なったかを、独立反対派が勝利した理由を探すだけでなく、世論調査そのものがおかしかったと理解すべきであろう。
八つ当たりと言われれば、その通りなのだが、私が東大に合格できなかったからの腹いせで書いているわけではない。超有名進学校で「天才」と持ち上げられたこともあった私だが、記憶力には乏しく、すべての試験科目で平均的に一定の点数をとれないと合格できない大学だから、大学での教育も知識重視の教育をしているのだろう。だから異端の発想をするような人物を育てることより、知識で物事を解決する経験則的思考力を育てることに力を注ぐという、明治政府が官僚育成のために作った国策大学の遺伝子はちょっとやそっとのことでは消えてなくならない。偏差値では劣っているだろう京都大学がノーベル賞学者を輩出しているのはなぜか…大学教育の目的から洗い直す必要があるだろう。これは余計な話。
予想したのはスコットランドの独立を問う住民投票の結果である。もちろん、独立賛成派が勝つ、などとは予想していない。
私が昨日早朝に投稿したブログで書いたのは、こうである。
今朝の新聞報道によれば僅差で独立反対派がリードしているようだが、世論調査のアナウンス効果がどう出るか。もちろん大差がついていると雪崩現象が生じるのがアナウンス効果でもあるが、僅差の場合は逆効果になるケースが少なくない。ただ今回の場合、まだ態度不明としている人たちが4%前後の少数なので、果たしてアナウンス効果が生じる余地があるかどうか、私はアナウンス効果による逆転の可能性は少ないと見ているが…。
投票の結果は、皆さんご存知の通り、反対55.3%、賛成44.7%だった。賛成派の逆転はならなかったという点では、私の予想通りだったが、問題は直前の世論調査と投票結果のギャップである。
その結果から、英国営放送のBBCは、世論調査の結果が住民の投票行動に結びついたのだろうと解説したようだ(NHKふれあいセンターによる)。そんなバカなことはありえない。イギリスのメディアは日本のメディア以上にアホばかりだということが分かったので、変な安心の仕方だが、私が厳しく批判してきた日本のメディアは国際標準から考えると、そうバカにしたものではないかもしれない、と少し安心できた。
アナウンス効果についてネットで調べたわけではなかったので、改めて調べてみた。一番わかりやすい解説は『知恵蔵2014年版』の蒲島郁夫・東京大学教授の解説なので、転載する。あらかじめ断っておくが、正しい解説だとは言っていない。
「マスメディアによる選挙予測報道が有権者の投票行動に影響を与えること。戦局において、ある候補者の圧倒的優勢が報じられると、支持者は安心して、投票に行くことをやめるかもしれない。逆に、支持する候補者の苦戦が伝えられると、投票のコストを顧みず投票所に向かう。さらに、選挙予測報道は運動員の士気にも影響をもたらす。優勢が伝えられると陣営の士気が緩み、苦戦が伝えられると陣営が引き締まる。これは候補者にとって重大なことである。また全国的な議席獲得予想が、有識者の投票行動に影響を与えることもある。たとえば、仮にすべての新聞の予測が「与党(自民党)の安定多数」だとすると、与野党の伯仲状況を望む牽制的有識者(バッファー・プレーヤー)は、他党に投票したり、棄権したりすると考えられる」
この東大教授の解説を読んで、私は日本のメディアに対して、さらに安心感を強めた。東大教授ほどのアホはそういないことが分かったからだ。東大教授の説によれば、選挙で最も有利なのは泡沫候補になりかねない。泡沫候補がアナウンス効果で勝利した選挙が一つでもあったか。
別に東大が憎いわけではないが、東大教授と言うと、メディアはたちまち恐れ入ってしまう。そんな必要はないよ、と言いたいついでに、メディアにもしばしば登場する東大名誉教授で政治学者の御厨貴氏が朝日新聞で嘆いて見せた。安倍政権下で自民党の多様性が失われた原因は小選挙区制にある、と。読んでいてアホらしくなった。
自民党内で独裁的体制を小選挙区制施行以降に築いたのは、過去には小泉総理だけである。いま安倍総理が独裁体制を着々と築きつつあることは私も否定しないが、その原因は小選挙区制にあるわけではない。内閣支持率の高さによって、安倍総理のやりたい放題にしかめっ面をしている実力者たちも、沈黙を余儀なくされているだけで、別に自民党から多様性が失われたわけでもなんでもない。
こんなアホで非論理的思考力の持ち主が教えている大学を出た連中が、大きな顔をできる社会に、私は危機感を覚えるだけだ。
はっきり言えば、小泉独裁体制も安倍独裁体制(まだ万全とは言えないが)も、内閣支持率の高さによって支えられており、それこそアナウンス効果の典型的ケースである。
そういう観点から言えば、スコットランドの独立をめぐる世論調査と結果との乖離の大きさは、世論調査がアテにならない時代になったことを意味している。世論調査の誤差率は一般的に±5%とされているが、メディアによって最近は調査結果の開きの大きさが指摘されている。その落差は各メディアによる調査方法の違いによるとも言われているが、日本だけに限らず世界の先進国は少子高齢化が進行し、若者層の都心への一極集中も世論調査の誤差を拡大しているのかもしれない。
世論調査は一般的にコンピュータによる無差別抽出した相手への電話でのアンケート方式である。が、若者層の固定電話離れは、世界的潮流で、先進国だけでなく中国などでも急速に進んでいる。と言うより、電話線などの社会インフラが遅れている国(新興国も含め)では、社会インフラの整備より携帯電話(スマホも含む)のほうが、資本投資もはるかに安上がりで済むし、また利便性も高いというメリットから、電話線を引くという行為そのものが採算性の面から考えてもう無理と言う時代になっている。
インターネットも、NTTのバカな連中はいまだ必死になってひかりを推進しようとしているが、若者層のパソコン離れも急速に進んでいる。投資家のためにアドバイスしておくが、NTT株は売って売って売りまくれ、と言いたい。間違いなく赤字垂れ流し企業の仲間入りを果たすからだ。これはNTT商法に腹が立っているから言ったまでで、半分冗談。
NTTのことなど、どうでもいいのだが、固定電話による世論調査の限界を、今回のスコットランド住民投票の結果は明らかにしてしまった。今回の投票は96,7%の住民がすでに態度を決めており、アナウンス効果が生じる余地はなかった。アホな東大教授は、圧倒的に優勢な候補者が不利になるケースとしてアナウンス効果を解説しているが、圧倒的に有利な候補者が油断して負けたケースなど皆無である。そんなに大きな差でリードしているわけでもないのに、「勝った、勝った」と浮かれて、選挙戦終盤で対立候補に追い上げられることはある。だから日本には「勝って、兜の緒を締めよ」という格言もある。
アナウンス効果は、安倍総理の独裁体制構築のように世論の支持を背景に、政敵を事実上葬るというやり方を可能にする形でも現れる。対立する双方の主張について、支持率が拮抗していて、態度を決めかねている人たちがまだかなりいる場合にのみ、投票結果はふたを開けるまでわからない、つまり逆転結果が生じる可能性がある場合もアナウンス効果のひとつである。こういうケースのことをアンダードッグ効果(負け犬効果)という。
他にも社会現象の引きカネになるアナウンス効果もある。たとえば学校でのいじめ自殺なども、そういう悲劇をメディアが書きたてると、たちまち社会現象化してしまう。知らぬ者同士がネットで知り合い、初顔合わせで「初めまして」とあいさつして練炭自殺を図ることが流行したこともある。これもアナウンス効果の一種である。アナウンス効果は選挙民の投票行動だけでなく、さまざまなケースに現れる。朝日新聞の慰安婦報道も、国際社会での日本観に大きなマイナス影響を与えたという意味ではアナウンス効果と言えなくもない。
そういう意味では、今回の投票はアナウンス効果によるものではなく、事前の世論調査、つまり従来型の電話による無作為選択の相手へのアンケートでは、正確な世論を反映した数字は出せなくなったことを意味する。
ではどうしたらいいか。いろいろな要素を加味した加重平均で調査地域と調査対象の年齢(20~30代、40~50代、60歳以上)や男女の性別などの要素を加味した調査対象を絞ったうえで、人海戦術による対面アンケート方式で調査するしかない。日本の場合で言えば、各メディアが個々バラバラにそういった世論調査をすると費用がかかりすぎるから、大手メディアが三つくらいのグループを編成し(各グループの構成メディアは定期的に入れ替えるのが望ましい)、各グループがそれぞれ別の調査機関に依頼して世論調査を行うようにすれば、誤差率はかなり縮小するのではないか。
なぜ、スコットランドの投票結果が事前の世論調査と大きく異なったかを、独立反対派が勝利した理由を探すだけでなく、世論調査そのものがおかしかったと理解すべきであろう。
八つ当たりと言われれば、その通りなのだが、私が東大に合格できなかったからの腹いせで書いているわけではない。超有名進学校で「天才」と持ち上げられたこともあった私だが、記憶力には乏しく、すべての試験科目で平均的に一定の点数をとれないと合格できない大学だから、大学での教育も知識重視の教育をしているのだろう。だから異端の発想をするような人物を育てることより、知識で物事を解決する経験則的思考力を育てることに力を注ぐという、明治政府が官僚育成のために作った国策大学の遺伝子はちょっとやそっとのことでは消えてなくならない。偏差値では劣っているだろう京都大学がノーベル賞学者を輩出しているのはなぜか…大学教育の目的から洗い直す必要があるだろう。これは余計な話。