14日、とうとうガースーが降参した。年末の28日から新年の1月11日まで、Go Toトラベルを全国で一時停止すると発表したのだ。
その前日、インターネット放送の「ニコニコ動画」に出演した菅総理は、キャスターから紹介されるや、いきなり「こんにちは、ガースーです」とニコニコ笑みを浮かべながら挨拶した。
そういえば「サッちゃん」という童謡があった。
サッちゃんはね サチコっていうんだ ほんとはね
だけど ちっちゃいから じぶんのこと サッちゃんって呼ぶんだよ
おかしいな サッちゃん
サッちゃんはね バナナが大好き ほんとだよ
だけど ちっちゃいから バナナを はんぶんしか たべられないの
かわいそうね サッちゃん
サッちゃんがね 遠くへ行っちゃうって ほんとかな
だけど ちっちゃいから ぼくのこと わすれてしまうだろ
さびしいな サッちゃん
●サッちゃんとガースーの共通点
この童謡をベースに替え歌を作ってみた。
ガースーはね 菅義偉っていうんだ ほんとはね
だけど ボケてるから じぶんのこと ガースーって呼ぶんだよ
おかしいな ガースー
ガースーはね 旅行が大好き ほんとだよ
だけど ボケてるから Go Toで 遠出はできないの
かわいそうね ガースー
ガースーがね Go Toやめたの ほんとかな
だけど ボケてるから 二階のこと 忘れてたんだ
逆らっちゃったのね ガースー
ふつう「サッちゃん」は3番までだが、怖い4番があるらしい。こういう詩だそうだ。
サッちゃんはね 線路で足を なくしたよ
だから お前の 足を もらいに行くんだよ
今夜だよ サッちゃん
この4番も替え歌を作ってみた。
ガースーはね Go Toで コロナに感染したの
だから アメリカにワクチン 貰いに行くんだよ
兵器買う代わりに ガースー
もともとコロナを完全に抑えきっていないのに、経済再生政策としてGo To事業を始めたことが無理だった。
●山中教授の「ファクターX」は?
今年5月、ノーベル賞学者の山中伸弥氏が、日本では感染者数も死者数も少ないことに目を付け、そこには特殊な要因があるのではないかという仮説を立て、その要因「ファクターXを探せ」と主張した。その時点で、山中氏がファクターXの候補として挙げたのが、次の6つだった。
・マスク着用や毎日の入浴などの高い衛生意識
・ハグや握手、大声での会話などが少ない生活文化
・日本人の遺伝的要因
・BCG接種など、何らかの公衆衛生政策の影響
・2020年1月までの、何らかのウイルス感染の影響
・ウイルスの遺伝子変異の影響
この時期は中国や韓国はまだコロナの猛威にさらされており、山中氏は遺伝子的要因としては日本人に限定して考えていたようだ。が、沖縄の琉球民族も、この時期はまだ日本で最も安全な地帯だった。琉球民族は南方系であり、モンゴル系と言われているヤマト民族とは遺伝子的要素は明らかに異なる。だから私は遺伝子的要因は考えにくいと考えた。
ただ4番目の「BCG接種など、何らかの公衆衛生政策の影響」は可能性が高いと思った。とくに私が注目したのはインフルエンザ・ワクチンの接種率である。日本の医学は「予防」に重点を置いており、BCGもそうだが、子供のころから様々な予防接種を行っている。そのため、副作用問題も発生しており、むやみやたらと予防接種すべきではないという考えも強くなっている。
ただ、日本のインフルエンザ・ワクチンの接種率は、少なくとも今年春の段階ではかなりコロナに対する免疫力を作っていたのでないかと私は考えた。で、山中氏の研究室にも電話でその可能性を伝え、厚労省にも「世界中の国のインフルエンザ・ワクチンの接種率を調べるべきだ」と申し上げた。
インフルエンザ・ワクチンの効果は個体差はもちろんあるが、厚労省の見解では接種して2週間後に免疫ができ、4~5か月くらいは免疫力が持続するということだった。多くの人は接種すればすぐ免疫ができると思っているようだが(実は私もコロナ騒動の中でいつインフルエンザ・ワクチンを接種すべきか、厚労省に電話で聞いて、免疫ができるのは接種して2週間後ということを初めて知った)、インフルエンザが流行し始めてから接種したのでは遅いということが分かった。で、いつもは12月に入ってから接種するのだが、今年は11月半ばに接種した。
実は、かかりつけ医でインフルエンザ・ワクチンを接種してもらおうと思い、予約しようとしたのだが、「今年は予約は受け付けていません。いまはワクチンを切らしているので、次の金曜日に入りますから金曜日に来てください」と言われて、やっと接種してもらった。今年、インフルエンザの流行が見られないのは、多くの国民がワクチンを接種したためかもしれない。
が、この時期にコロナ感染が急拡大している状況を見ると、BCG接種もインフルエンザ・ワクチン接種もコロナに対する免疫力にはなっていないのかもしれない。あるいはコロナがかなりAI能力を持っていて、BCG接種やインフルエンザ・ワクチンの免疫力を無効にする変異を遂げているのかもしれない。いずれにせよ、きわめて厄介な強敵であることは間違いない。
●コロナ対策にエビデンスは必要か?
当初政府(当時は安倍内閣)は、緊急事態宣言中に冷え込んだ経済を再活性化するための切り札としての「Go Toキャンペーン事業」は、コロナを抑えきってから発動するはずだった。
が、そもそも緊急事態宣言に踏み切るのが遅れた。そのため当初予定ではゴールデンウィーク前に感染拡大を抑えきり、Go Toキャンペーンをゴールデンウィークに間に合わせる予定だったのが、1か月延ばさざるを得なくなった。そのため日本経済は予想以上の打撃を受けた。
直接的には観光業界や飲食業界が大打撃を受けたが、その範囲にとどまらなかった。
3密回避とかマスク着用はともかく、「ステイホーム」「不要不急の外出自粛」「テレワークの推進」が、日本経済のあらゆる分野に多大な影響を与えた。私もそうだったが、外出は食料品購入のために近くのスーパーやコンビニに出かけるくらいがせいぜいだった。
とくに大企業が可能な限りテレワークに踏み切ったことは、交通関連業界やファッション業界、ゴルフやゲームセンター、パチンコ業界などに大打撃を与えた。デパートやショッピングセンターは食品売り場を除いて事実上閉鎖状態に追い込まれ、非正規社員の雇止めや派遣切りが始まった。ガストなど、すでに調理食品の宅配ビジネスを行っていたレストランはともかく、多くの店が慌てて宅配やテークアウトに力を入れだした。コロナ禍に襲われる前だったら、人手不足で宅配ビジネスに手を出す余裕などなかったが、失業した非正規社員が宅配事業展開の受け皿になった。
政府、とくに財務省は何を考えているのか。酒税の改革である。ビールの酒税を値下げして、第3のビールを値上げした。ビールの販売が停滞し、価格が安く競争が激しいため、利益の少ない第3のビールを値上げしてほしかったビール業界のロビー活動の成果だと思うが、低所得層には酒税改革はこたえた。
さらに、保健医療制度の改革も低所得の高齢者には大きな打撃を与えるだろう。実施はまだ先だが、年金生活の高齢者に与えた心理的不安感は、当然やがてやってくる医療費の増加に備えて出費をできるだけ抑えようとする。いっぽうでGo Toキャンペーンなどの経済再生政策を打ち出しながら、他方で消費の足を引っ張るようなことをしている。いったい政府は何を考えているのか、不信感は募るばかりだ。
言うまでもないことだが、政治はあくまで結果だ。「Go TOトラベルが感染を拡大したというエビデンスはない」と、当初はうそぶいていた菅総理だが、Go Toトラベルに参加した人の感染率だけがエビデンスではない。緊急事態宣言が国民の気を引き締め、不要不急の外出を自粛し、ガースーの好きな「自助努力」によって感染の拡大を防いだことを忘れてもらっては困る。当然、Go Toキャンペーンによって国民の気が緩み、例えばこの週末の繁華街での人出の多さがそのことのエビデンスとして十分認められる。Go Toトラベルの参加者から、必ずしも多数の感染者が出ていなくても、社会全体に与えた影響力は、Go Toトラベル参加者に対してだけではない。
●直ちに緊急事態宣言を発令せよ、ただし、地域限定でだ。
一つの政策が及ぼす影響力は、その政策に直接関係する分野だけではない。緊急事態宣言でテレワークが増え、「不要不急の外出」を人々が避けるようになると、当然ファッションへの関心も薄れるし、美容院や理髪店に行く機会も激減する。
そもそも、私がずっとブログで書き続けてきたように、感染防止と経済再生の両立など、絶対にありえないのだ。両立が可能だと思うこと自体錯覚であり、本当に両立できると考えているとしたら、そのことだけで政治家失格である。
だいいち、安倍前総理や菅総理が何を考えているのか、西村康稔氏は確かにかなり優秀な政治家であることは私も認めるにやぶさかではないが、政府機構のトップに位置する内閣府で、新型コロナ感染対策と経済再生という「シーソー」を一人で操る担当大臣の職に就いている。「二足のわらじ」と言いたいところだが、もう一つ「全世代型社会保障改革」の担当大臣も兼ねている。
内閣府は本来、各行政機構に対して助言や提言をするスタッフ的立場にあるが、内閣府が行政機構の人事権を握っているため、実際には行政機構のトップである大臣に君臨する「お殿様」になっている。つまり、本来はコロナ感染対策のトップであるはずの田村厚労大臣や、経済再生担当の梶山経産相は、いちいち西村氏にお伺いを立てなければ何も決められないのである。
それが証拠に、NHKは3週連続で『日曜討論』を感染対策と経済再生をテーマにしたが、ゲストとしてご指名にあずかったのは田村氏でも梶山氏でもなく、3回とも西村氏だった。
「ひとりシーソ―」をしなければならなくなった西村氏は大変なご苦労をされていると思うが、おそらく菅総理を説得しGo Toトラベルの一時停止を決断させたのは西村氏だったと思う。
疑問に思うのは、Go Toトラベルを一時停止しながら、なぜその期間だけ緊急事態宣言も発令しないのかということだ。そもそもGo Toキャンペーンと緊急事態宣言解除はセットだったはずだ。Go Toトラベルを一時停止するくらいなら、Go Toトラベルの停止期間だけでも緊急事態宣言を発令すべきではないか。ただし、Go Toトラベルと違って緊急事態宣言で「不要不急の外出自粛」や地域外への移動自粛は、繁華街など「蜜」になりやすい地域に限定して実施すべきだと思う。
その前日、インターネット放送の「ニコニコ動画」に出演した菅総理は、キャスターから紹介されるや、いきなり「こんにちは、ガースーです」とニコニコ笑みを浮かべながら挨拶した。
そういえば「サッちゃん」という童謡があった。
サッちゃんはね サチコっていうんだ ほんとはね
だけど ちっちゃいから じぶんのこと サッちゃんって呼ぶんだよ
おかしいな サッちゃん
サッちゃんはね バナナが大好き ほんとだよ
だけど ちっちゃいから バナナを はんぶんしか たべられないの
かわいそうね サッちゃん
サッちゃんがね 遠くへ行っちゃうって ほんとかな
だけど ちっちゃいから ぼくのこと わすれてしまうだろ
さびしいな サッちゃん
●サッちゃんとガースーの共通点
この童謡をベースに替え歌を作ってみた。
ガースーはね 菅義偉っていうんだ ほんとはね
だけど ボケてるから じぶんのこと ガースーって呼ぶんだよ
おかしいな ガースー
ガースーはね 旅行が大好き ほんとだよ
だけど ボケてるから Go Toで 遠出はできないの
かわいそうね ガースー
ガースーがね Go Toやめたの ほんとかな
だけど ボケてるから 二階のこと 忘れてたんだ
逆らっちゃったのね ガースー
ふつう「サッちゃん」は3番までだが、怖い4番があるらしい。こういう詩だそうだ。
サッちゃんはね 線路で足を なくしたよ
だから お前の 足を もらいに行くんだよ
今夜だよ サッちゃん
この4番も替え歌を作ってみた。
ガースーはね Go Toで コロナに感染したの
だから アメリカにワクチン 貰いに行くんだよ
兵器買う代わりに ガースー
もともとコロナを完全に抑えきっていないのに、経済再生政策としてGo To事業を始めたことが無理だった。
●山中教授の「ファクターX」は?
今年5月、ノーベル賞学者の山中伸弥氏が、日本では感染者数も死者数も少ないことに目を付け、そこには特殊な要因があるのではないかという仮説を立て、その要因「ファクターXを探せ」と主張した。その時点で、山中氏がファクターXの候補として挙げたのが、次の6つだった。
・マスク着用や毎日の入浴などの高い衛生意識
・ハグや握手、大声での会話などが少ない生活文化
・日本人の遺伝的要因
・BCG接種など、何らかの公衆衛生政策の影響
・2020年1月までの、何らかのウイルス感染の影響
・ウイルスの遺伝子変異の影響
この時期は中国や韓国はまだコロナの猛威にさらされており、山中氏は遺伝子的要因としては日本人に限定して考えていたようだ。が、沖縄の琉球民族も、この時期はまだ日本で最も安全な地帯だった。琉球民族は南方系であり、モンゴル系と言われているヤマト民族とは遺伝子的要素は明らかに異なる。だから私は遺伝子的要因は考えにくいと考えた。
ただ4番目の「BCG接種など、何らかの公衆衛生政策の影響」は可能性が高いと思った。とくに私が注目したのはインフルエンザ・ワクチンの接種率である。日本の医学は「予防」に重点を置いており、BCGもそうだが、子供のころから様々な予防接種を行っている。そのため、副作用問題も発生しており、むやみやたらと予防接種すべきではないという考えも強くなっている。
ただ、日本のインフルエンザ・ワクチンの接種率は、少なくとも今年春の段階ではかなりコロナに対する免疫力を作っていたのでないかと私は考えた。で、山中氏の研究室にも電話でその可能性を伝え、厚労省にも「世界中の国のインフルエンザ・ワクチンの接種率を調べるべきだ」と申し上げた。
インフルエンザ・ワクチンの効果は個体差はもちろんあるが、厚労省の見解では接種して2週間後に免疫ができ、4~5か月くらいは免疫力が持続するということだった。多くの人は接種すればすぐ免疫ができると思っているようだが(実は私もコロナ騒動の中でいつインフルエンザ・ワクチンを接種すべきか、厚労省に電話で聞いて、免疫ができるのは接種して2週間後ということを初めて知った)、インフルエンザが流行し始めてから接種したのでは遅いということが分かった。で、いつもは12月に入ってから接種するのだが、今年は11月半ばに接種した。
実は、かかりつけ医でインフルエンザ・ワクチンを接種してもらおうと思い、予約しようとしたのだが、「今年は予約は受け付けていません。いまはワクチンを切らしているので、次の金曜日に入りますから金曜日に来てください」と言われて、やっと接種してもらった。今年、インフルエンザの流行が見られないのは、多くの国民がワクチンを接種したためかもしれない。
が、この時期にコロナ感染が急拡大している状況を見ると、BCG接種もインフルエンザ・ワクチン接種もコロナに対する免疫力にはなっていないのかもしれない。あるいはコロナがかなりAI能力を持っていて、BCG接種やインフルエンザ・ワクチンの免疫力を無効にする変異を遂げているのかもしれない。いずれにせよ、きわめて厄介な強敵であることは間違いない。
●コロナ対策にエビデンスは必要か?
当初政府(当時は安倍内閣)は、緊急事態宣言中に冷え込んだ経済を再活性化するための切り札としての「Go Toキャンペーン事業」は、コロナを抑えきってから発動するはずだった。
が、そもそも緊急事態宣言に踏み切るのが遅れた。そのため当初予定ではゴールデンウィーク前に感染拡大を抑えきり、Go Toキャンペーンをゴールデンウィークに間に合わせる予定だったのが、1か月延ばさざるを得なくなった。そのため日本経済は予想以上の打撃を受けた。
直接的には観光業界や飲食業界が大打撃を受けたが、その範囲にとどまらなかった。
3密回避とかマスク着用はともかく、「ステイホーム」「不要不急の外出自粛」「テレワークの推進」が、日本経済のあらゆる分野に多大な影響を与えた。私もそうだったが、外出は食料品購入のために近くのスーパーやコンビニに出かけるくらいがせいぜいだった。
とくに大企業が可能な限りテレワークに踏み切ったことは、交通関連業界やファッション業界、ゴルフやゲームセンター、パチンコ業界などに大打撃を与えた。デパートやショッピングセンターは食品売り場を除いて事実上閉鎖状態に追い込まれ、非正規社員の雇止めや派遣切りが始まった。ガストなど、すでに調理食品の宅配ビジネスを行っていたレストランはともかく、多くの店が慌てて宅配やテークアウトに力を入れだした。コロナ禍に襲われる前だったら、人手不足で宅配ビジネスに手を出す余裕などなかったが、失業した非正規社員が宅配事業展開の受け皿になった。
政府、とくに財務省は何を考えているのか。酒税の改革である。ビールの酒税を値下げして、第3のビールを値上げした。ビールの販売が停滞し、価格が安く競争が激しいため、利益の少ない第3のビールを値上げしてほしかったビール業界のロビー活動の成果だと思うが、低所得層には酒税改革はこたえた。
さらに、保健医療制度の改革も低所得の高齢者には大きな打撃を与えるだろう。実施はまだ先だが、年金生活の高齢者に与えた心理的不安感は、当然やがてやってくる医療費の増加に備えて出費をできるだけ抑えようとする。いっぽうでGo Toキャンペーンなどの経済再生政策を打ち出しながら、他方で消費の足を引っ張るようなことをしている。いったい政府は何を考えているのか、不信感は募るばかりだ。
言うまでもないことだが、政治はあくまで結果だ。「Go TOトラベルが感染を拡大したというエビデンスはない」と、当初はうそぶいていた菅総理だが、Go Toトラベルに参加した人の感染率だけがエビデンスではない。緊急事態宣言が国民の気を引き締め、不要不急の外出を自粛し、ガースーの好きな「自助努力」によって感染の拡大を防いだことを忘れてもらっては困る。当然、Go Toキャンペーンによって国民の気が緩み、例えばこの週末の繁華街での人出の多さがそのことのエビデンスとして十分認められる。Go Toトラベルの参加者から、必ずしも多数の感染者が出ていなくても、社会全体に与えた影響力は、Go Toトラベル参加者に対してだけではない。
●直ちに緊急事態宣言を発令せよ、ただし、地域限定でだ。
一つの政策が及ぼす影響力は、その政策に直接関係する分野だけではない。緊急事態宣言でテレワークが増え、「不要不急の外出」を人々が避けるようになると、当然ファッションへの関心も薄れるし、美容院や理髪店に行く機会も激減する。
そもそも、私がずっとブログで書き続けてきたように、感染防止と経済再生の両立など、絶対にありえないのだ。両立が可能だと思うこと自体錯覚であり、本当に両立できると考えているとしたら、そのことだけで政治家失格である。
だいいち、安倍前総理や菅総理が何を考えているのか、西村康稔氏は確かにかなり優秀な政治家であることは私も認めるにやぶさかではないが、政府機構のトップに位置する内閣府で、新型コロナ感染対策と経済再生という「シーソー」を一人で操る担当大臣の職に就いている。「二足のわらじ」と言いたいところだが、もう一つ「全世代型社会保障改革」の担当大臣も兼ねている。
内閣府は本来、各行政機構に対して助言や提言をするスタッフ的立場にあるが、内閣府が行政機構の人事権を握っているため、実際には行政機構のトップである大臣に君臨する「お殿様」になっている。つまり、本来はコロナ感染対策のトップであるはずの田村厚労大臣や、経済再生担当の梶山経産相は、いちいち西村氏にお伺いを立てなければ何も決められないのである。
それが証拠に、NHKは3週連続で『日曜討論』を感染対策と経済再生をテーマにしたが、ゲストとしてご指名にあずかったのは田村氏でも梶山氏でもなく、3回とも西村氏だった。
「ひとりシーソ―」をしなければならなくなった西村氏は大変なご苦労をされていると思うが、おそらく菅総理を説得しGo Toトラベルの一時停止を決断させたのは西村氏だったと思う。
疑問に思うのは、Go Toトラベルを一時停止しながら、なぜその期間だけ緊急事態宣言も発令しないのかということだ。そもそもGo Toキャンペーンと緊急事態宣言解除はセットだったはずだ。Go Toトラベルを一時停止するくらいなら、Go Toトラベルの停止期間だけでも緊急事態宣言を発令すべきではないか。ただし、Go Toトラベルと違って緊急事態宣言で「不要不急の外出自粛」や地域外への移動自粛は、繁華街など「蜜」になりやすい地域に限定して実施すべきだと思う。
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