脱サラ整体師の午後

日々の生活や施療の中で、発見したこと、気がついたことなどを綴ります。

ちいさなスプリンター、来院!

2017年03月29日 | 日々の施療
最近、うちの店に、Yくん(小5・男子)が、お父さんと一緒に来るようになりました。
口数は少ないのですが、意志の強そうな少年です。
何より、“走ることが好き”なのだそうです。

父 「息子は現在、陸上のクラブチームに入っていて、短距離をやっています。
   でも、体が硬くて、動きも良くないのです。
   やわらかくなりますかね?」

私 「今、そういうお子さんが増えていて、うちにもよく来ています。
   成長期は、骨が先行して伸び、筋肉が引っ張られるので、成長痛を
   防ぐ意味でも、関節回りの筋肉は、柔らかく保ちたいのです。
   大丈夫ですよ。」

私 「Yくん、ちゃんとしゃがめるかな?やってみて。」

するとYくん、しゃがもうとしましたが、かかとが浮いてしまい、
無理やりつけようとして、後ろに転がってしまいました。
次に、ベッドの上に仰向けで寝てもらい、膝を伸ばしたまま
脚を挙上してみました。
本来の可動域は、90度ですが、60度位しか上がりません。

私 「確かに、ハムストリング(太もも裏側の筋肉群)が、硬いですね。
   でも、諦めなくていいからね。
   まだたっぷり、“伸びしろ”があると考えてね。
   この硬さが緩めば、走る時のストライド(歩幅)も広がるし、結果はタイムに現れる 
   はずだから、楽しみだね!」

きっとYくんは、普段回りの人たち(家族やコーチ)に、
“体が硬い”と言われ続けているはずです。
だから本人も、“自分は体が硬いからしょうがない”と、
ネガティブに、思い込んでしまうのです。

でも、まずここから抜け出すことが、大切です。
自分の欠点を“伸びしろ(可能性)”と、とらえ直すことで、
気持をポジティブに切り替えることが出来ます。

Yくんには、キッズ整体の30分コースを行いました。
そして、ハムストリングのストレッチの課題を与えました。

1週間後、Yくんが、またお父さんとやって来ました。

父 「少し効果がありました。
   いつも体の硬さを指摘するコーチから、ほめられたそうです。」

Yくんの表情にも、明るさと余裕が出てきました。

彼の場合、体の全体のバランスを整えること、プラス
“走るためのメニュー”も今後取り入れていきたいと考えています。
 大腿を引っ張り上げるための「腸腰筋」、
 安定した走りに欠かせない 「中殿筋」、
の強化、などです。

Yくんにとっても、「走る」ことに真剣に取り組むことで、
自分の身体を知り、トレーニングの効果を知り、
自分の体のメンテナンス方法を知る、
(学校では学べない)貴重な学びの機会になるはずです。

ちなみに、Yくんの好きな選手は、「山縣亮太(リオ五輪代表)」だそうです。

頑張れ、ちいさなスプリンター!
コメント
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