脱サラ整体師の午後

日々の生活や施療の中で、発見したこと、気がついたことなどを綴ります。

ほろ苦い午後(日々の施療より)

2018年09月25日 | 日々の施療
カテーテル治療の第一人者 三角和雄院長(千葉西総合病院)が、
以前“カンブリア宮殿”(TV番組)で、

「“私、失敗しないので”という名医はいません。
私は、失敗は必ず起こるものだと思って対処しています。
世の中に、簡単な手術というものは無いのです。
簡単と思ったら、どこかに油断が生じます。」

と、おっしゃっていました。

最近、その言葉を思い出す、ほろ苦い出来事がありました。

先日、久しぶりに、Yさん(73歳・女性)が来院しました。
少しびっこを引いています。
2日前に家の中でつまずいて、転倒したそうです。
昨日、念のためレントゲン写真を撮ってもらおうと、
ご主人の車で整形外科を訪ねたのですが、移転しており
見つからなかったそうです。
そして今日は日曜日で、病院も休み。
転倒した際の後遺症で、体があちこち痛むし、硬くなっており、
楽になりたいと、うちにやって来たのでした。

びっこは引くものの、歩けるし、打撲箇所の強い疼痛、しびれ、
腫れも無いので、骨は大丈夫だろうと判断しました。
私は、痛みを確認しながら整体を行い、施術後も特に問題なく
Yさんは歩いて帰られました。

でも1週間後、他のお客様から、Yさんが入院し、手術を受けるそうだとの
情報を聞き、私は驚きました。
それから1週間後、私はお見舞い方々、Yさんの入院先を訪ねました。
そして、入院に至る経緯を伺いました。

整体を受けた翌日、Yさんは、事務所に出て仕事をしたそうです。
でもその日の夜、玄関近くでバランスを崩し、倒れたまま動けなくなり、
救急車で運ばれたのでした。
原因は、大腿骨頚部の骨折で、人工股関節を埋める手術をしたそうです。
恐らく、自宅で最初に転倒した際、骨折はしていなかったものの、既に
亀裂は入っていたものと思われます。

整体が、Yさん骨折の、直接の引き金では無かったことが判り、少し安堵しましたが、
でもそんな状態のYさんを整体してしまったことを、私は、多いに反省しました。

Yさん 「リハビリが進んだら、また整体に伺いますからよろしくね。」

私  「明日からのリハビリ、どうぞ頑張ってください!」

Yさんの順調な回復を、心から願うばかりです!

☆今回の教訓

転倒や打撲のお客様の場合、まずは整形外科でレントゲン写真を撮って頂き、
骨に問題が無いことを確認した上で施術するという、従来からの原則を
どんな時も崩してはいけない、ということ。

失敗のリスクを減らす作業を、常に怠らず、行っていくこと。
当たり前のことを、当たり前に行うこと。
三角和雄院長の言葉が、今回改めて身にしみました。

最近、三角先生の診察とオペを実際に体験した私は、
先生が言葉だけでなく、日々の治療の中でそれを実践されている
ことを大いに実感しました。
患者さんと治療(お客様と施術)に対する真摯な姿勢を、大いに見習いたいです!
コメント
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