小椋佳の歌に、“めまい”という歌がある。
僕も、好きな歌だ。
< 時は、私に、めまいだけを残してゆく…… ♪>
でも、この場合のめまいの原因は、恋による
心的ストレスのようだ。
最近、うちにお見えになるお客様にも、めまいの方が
増えてきた。
みなさん、メニエール病などを心配して、大学病院の
めまい科などで、精密検査を受けるのだけれど、
特に異常が見当たらず、とりあえず、薬だけ処方されて
しのいでいるケースが多い。
そして、また何時起こるかもしれない、めまいの不安に
さいなまれている。
僕は、10年前、仲間と共に、北京中医薬大学の
付属病院で、王英傑先生の臨床研修を受けた。
王先生は、30年に及ぶ豊富な臨床経験を持ち、特に難病に
強い著名な人物だった。
彼は、実際の患者さんをモデルに、症状と治療方法を
我々に説明してくれた。
その中に、重症のめまいの女性がいた。
首の筋肉、特に、胸鎖乳突筋の硬縮が、動脈を強く圧迫して
いることが原因だと、説明してくれた。
めまいの場合、このようなケースが多いという。
今でも、時々、あの時の研修を懐かしく思い出す。
確かに、めまいを訴えるお客様の首を触ると、きまって硬く
張りつめている。
そして、首の筋肉が緩むと、いつのまにか、めまいが消えて
いるのだ。
医療機関の検査の場合、耳の異常、脳の異常、血圧の
急激な変化などはチェックするが、首の筋肉の硬縮は、
見落としていることが多いようだ。
僕たちに出来る余地が、まだ充分にある!