脱サラ整体師の午後

日々の生活や施療の中で、発見したこと、気がついたことなどを綴ります。

 106歳の整体から…

2016年09月26日 | 日々の施療
先日、うちの最高齢のお客様が、亡くなられました。
Nさん、106歳(女性)です。
本当に、残念です。

Nさんは、100歳の時に脳梗塞で倒れ、以来寝たきりになりました。
そんなNさんの所へ、私は一年半前から、時々、出張整体に
伺うようになりました。
当初Nさんは、左半身が麻痺しているため、左へ寝返りが
打てなかったのですが、やがてそれが出来る様になりました。

寝たきりの高齢者の場合、セラピストとして
気を付けなければならないことがあります。

まず、骨密度が落ちているため、骨や関節への負荷は、
厳禁です。
動かせる範囲で、ゆっくりと、でも動かすことも必要です。

そして、「静脈血栓症」を起こしやすい大腿の内側(大腿静脈、
伏在静脈)は、刺激しないように注意しました。
血管内の血塊がはがれ、流れ出して、肺の細い血管を塞ぐ
「肺血栓症」を起こす危険性があるからです。

Nさんは、脳梗塞で入院した直後、一時胃ろうになりましたが、
自宅に戻ってからは、再び口から食事を取り始めました。
そして最期まで、自分の口から食べ続けたからこそ、
元気に長寿を全う出来たのだと思います。
それを支えたのは、ご家族の献身的な協力でした。
経腸栄養剤を、ゼリー状にして、食べやすく工夫したり、
一口一口時間のかかる食事に、労を惜しまず寄り添っていました。

Nさんもそうでしたが、齢とともに飲みこむ力が弱くなり、
「誤嚥性肺炎」を起こすリスクが高まります。

私は後半、“食べるための筋肉のケアー”を重視しました。
まず、唾液を出やすくするために、耳下腺、愕下腺、舌下腺を、
マッサージしました。
そして、飲み込み(嚥下)に必要な筋肉は、「愕舌骨筋」(ガクゼツコツキン)
をはじめ、首に多く集中しているので、頚そして、顔全体を
細かく丁寧にマッサージするようにしました。

Nさんの整体を通じて、私は沢山の貴重なことを学ばさせて頂きました。

笑顔が素敵で、介護に携わった全ての方々に愛されたNさん、
本当に、ありがとうございました。
そして心より、ご冥福をお祈りいたします。
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“スクワット”のススメ!?

2016年09月11日 | 日々の施療
前回のブログで、私は、
“スクワット”によって、ヘモグロビンA1c値が下がった、
ということをお話ししました。

でも、“スクワット”本来の効果は、
 <体を支え、動かす下肢の筋肉群を、手っ取り早く鍛えることが出来る>
ことです。

年齢と共に、筋肉量は、減少します。
私自身、それを実感する年齢になりました。
そして、自分の体のサイズ、重さに見合った筋肉が不足すると、
今ついている筋肉への負担は、当然大きくなります。

筋肉量の不足 ⇒ 筋肉が硬縮しやすくなる ⇒ 痛みやすくなる

この負の連鎖を断ち切るためには、やはり“筋力アップ”が、
不可欠になるのです。
セラピストが、硬縮した筋肉を緩め、血流を改善するだけでは、
問題は、解決できないのです。

最近私は、うちのお客様(とりわけ、下肢の筋力の衰えが目立つ50歳超の方々)
に、“スクワット”をどんどんおススメしています。
そして、嬉しいことに、その効果が出始めてきました!

“スクワット”によって、鍛えられる筋肉は、
大臀筋・大腿四頭筋・大腿二頭筋といった、比較的大きな
筋肉群(おしりと、太腿の表裏)です。
ですから、基礎代謝も改善します(カロリー消費が上がり、血液の質が変化します)。

トレーニングをやっているかどうか、あるいはその効果は、
その部位を触ってみればわかります。
(2週間くらいで、筋肉量は変化してきます)

「立ったり座ったりが楽になりました」 「掃除機の作業が、以前より楽に出来ます」
「歩き出しで、ふらつかなくなりました」 「肩まで少し楽になりました」
「トレーニングの効果が実感できるので、続けようという気になります」
といった声が。

≪スクワットのやり方≫

・両足を腰幅より少し広めに開き、両手は頭の後ろで組みます。
 (あるいは、両腕を胸の前でクロスしてたたむ)
・後ろに置いた椅子に腰掛けるイメージで、お尻を後ろに突き出して屈み、
 次にゆっくり、元の位置に戻します。
 この時、目線は常に水平に保ち、背中が丸くなるのを防ぎます。
 膝や腰に痛みを感じたら、きっと姿勢に問題があります。
 (重心は土踏まずに置くこと)
・特に最初、頑張りすぎて痛みを起こす人が多いので注意してください。
 初めは、深く屈まず、回数も10回位から始め、徐々に増やしてください。

まず、“スクワット”で、筋トレの効果を実感して頂けたら、更に、
個々に必要な筋力(腸腰筋、内転筋、腹筋など)を、追加していければ
いいと思います。
頑張り過ぎない“ゆるい筋トレ”こそ、長く続けられるコツだと思います。

私は、人間の体は、いわば中古車の様なものだと思っています。
齢とともにポンコツになっていくのは、仕方がないのですが、
上手に手入れをし、運転すれば、きっと100歳まで走るのです!

うちのお客様が、
「齢を取るほど、体に負荷をかけないとダメなのね!」
とつぶやいていました。
まさに、その通りです。

私たちの筋肉は、人間にとって、素直で信頼できる親友の様な存在、だと思います。 
上手に付き合うことで、体を支え、人生を支えてくれます。☆
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