またテーマは居飛車穴熊に戻ります。矢倉流中飛車では、先手が66歩の形ならば振り飛車穴熊を指向したのですが、66銀ならば美濃囲いを選択します。先手は66銀型にするならば、58金右を保留して穴熊を優先することが多いです。その後で合流することもあるでしょう。
先手が77角~88玉とすれば、ほぼ居飛車穴熊です。53銀98香64銀66銀
先手は58金右としていなくても、とりあえず中央は大丈夫です。42飛99玉45歩
後手は四間飛車に転じます。4筋の受け方ですが、26飛と受ける形を調べます。後手は65銀
65同銀77角成同桂44角
銀を捨てても飛桂取りで返します。28飛77角成88角
88同馬同銀57桂
59金右69桂成同金46歩53桂
46同歩同飛の形ならば評価値は-231の後手良しになるところでしたが、この図の評価値は+257の先手良し。矢倉先生は後手苦戦としています。
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26飛に46歩同歩を入れておいたらどうか。タイミングはここしかなさそうです。
46同飛とされていた場合は同飛同歩47飛~46飛成とすれば後手陣に隙がありませんでした。65銀同銀77角成同桂44角
後手よしになるでしょうか? 28飛77角成に88銀打
先にやったように88角だと同馬同銀57桂・・・で後手良しです。銀を打てば話は変わります。67馬に、矢倉先生は58金右66馬以下後手有利になるという手順を解説されているのですが、AIに聞くと58金右66馬68飛
先手は飛を使う方が難しいです。67桂に75角
75同馬同歩59桂成同金
金銀交換で、駒の損得はほとんどないです。52金左に74歩同歩31角
こんな岐れで、評価値は+90、互角~先手ペースです。後手振り飛車と思えば十分でしょうか。
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4筋の突き捨てが入ったら、65銀に同銀では危ないようです。78金66銀同歩
先手は1歩得を主張してみます。この図の評価値は+134、先手ペースのような、作戦勝ちとは言えないような。52金左から駒組に戻って一局です。なお矢倉先生は57銀と打って後手が指せるとしているのですが、59金72銀55歩
銀を打っても66銀成86角や46飛や46銀成の効果は薄く、一度72銀と締まったら55歩。この図の評価値は+303の先手有利です。55同角は24歩が間に合うので、55同歩54歩52飛24歩同歩43銀
先手の攻めは続きます。
銀を捨てるのは面白い変化ですが、先手ペース~互角というのが結論です。