20160127今日の一手
12月13日の名南将棋大会から、MさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは少し後手が堅いのでしょうが、あまり違いません。
先手の攻め駒は28飛16角35銀45桂で4枚です。
後手の攻め駒は37角と55銀で2枚です。
総合すれば先手が指せる局面です。
大局観として
後手陣の姿が異様ですが、飛車も使って守り重視の構えです。44にいた銀を55銀左として、早く攻めてきなさいという手に対応して先手が攻勢を取り、後手は角を打って反撃を見せました。
先手としては角打ちの傷がある(筋違い角を先に打った)ので玉の囲いが中途半端なのが痛く、しっかり読まないと悪くなりそうです。せめて79玉なら有利と言えたのですが。幸い攻め駒4枚は目いっぱいに働いていますから、しっかり攻めて優勢にしたいです。
× 実戦は29飛で常識的な手ですが
25歩同角34歩23歩
23同飛は危険なので23同金に27飛15角成24歩
途中27飛で馬を作らせるのが悔しい手ですが、28歩があっては仕方ないですか。
24同金同銀同馬が手厚く、53桂成
53同金34角同馬22飛成同玉
角桂を捨てて飛車交換では自信なしです。攻め駒が2枚しかありません。この後うまく迫ったものの寄せ合い負けです。
29飛の後で28歩があるのが不満です。
△ 最初に27飛なら1手違います。
19角成の効果はないので、15角成で43角成同金
23歩92飛24銀26歩
15銀27歩成79玉
これはまあまあなのですが、15銀の働きが悪く少し不満です。
43角成ではなく23歩を先にすると
23同飛43角成同飛34金49角
飛車は取れるのですが、27の飛車をいじめられます。これは互角でしょうか。
× 激しい手を見てみます。24飛は
23歩29飛15角成
これは難しいです。
後手は24同飛と応じて
24同銀28飛51飛41歩53桂成56歩
この歩の味がよすぎます。後手の28飛の位置がよいので24飛とぶつけるのではまずそうです。
○ 23歩とたたく手。
23同飛24銀22飛23歩12飛とおとなしく指されたら
43角成同金22金
42玉に12金で
後手も悪くはありませんが、先手の攻めも切れにくいです。
後手はどこかで飛車を取り合うでしょう。23歩の時に取ると
22歩成同玉43角成同銀53桂成
これは先手が攻め合い勝ちに見えます。
24銀の時に取ると
23銀成同金51飛
これも先手が勝ちそう。
後の23歩で取ると
22歩成同玉43角成同銀82飛
これも先手が勝ち。
ということで、飛車の取り合いもまずく、残るのは最初の23歩を同金です。
27飛15角成43角成同銀53桂成
この順は先ほどの27飛を先にした変化では出現しません。42歩43成桂同歩34銀打49角
29飛38角成23銀成同飛34銀
29飛を逃げることもできるのですが、取らせる間に後手玉に詰めろをかけられそうです。
△ なお、最初に43角成も考えられるのですが
これはいつでも取れる(手抜かれない)ので、最初に指さないほうがいいです。どこかで手順前後で困るかもしれませんし、影響ないかもしれません。
☆ まとめ
実戦の29飛はおとなしすぎました。後で27飛としているのですから1手損で、この違いは大きいです。
27飛ならほぼ互角です。
工夫して先に23歩を入れて、飛車の取り合いになれば先手が指せます。でも24飛とぶつける飛車交換は後手を引きますし、28飛と打たれる位置が働いていますし、37角も寄せに少し利いています。28で飛車を取らせるなら構わないのではないか?と読んでみると有利優勢になる順がありました。
23歩同金27飛、こういうのは手順の妙という表現をされます。観戦記のために作ったような言葉だと思いますが、将棋には時々作ったような妙手順があり、鑑賞する楽しみがあります。実戦で読み切って指せたらさぞかし気持ちがよいことでしょう。
12月13日の名南将棋大会から、MさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは少し後手が堅いのでしょうが、あまり違いません。
先手の攻め駒は28飛16角35銀45桂で4枚です。
後手の攻め駒は37角と55銀で2枚です。
総合すれば先手が指せる局面です。
大局観として
後手陣の姿が異様ですが、飛車も使って守り重視の構えです。44にいた銀を55銀左として、早く攻めてきなさいという手に対応して先手が攻勢を取り、後手は角を打って反撃を見せました。
先手としては角打ちの傷がある(筋違い角を先に打った)ので玉の囲いが中途半端なのが痛く、しっかり読まないと悪くなりそうです。せめて79玉なら有利と言えたのですが。幸い攻め駒4枚は目いっぱいに働いていますから、しっかり攻めて優勢にしたいです。
× 実戦は29飛で常識的な手ですが
25歩同角34歩23歩
23同飛は危険なので23同金に27飛15角成24歩
途中27飛で馬を作らせるのが悔しい手ですが、28歩があっては仕方ないですか。
24同金同銀同馬が手厚く、53桂成
53同金34角同馬22飛成同玉
角桂を捨てて飛車交換では自信なしです。攻め駒が2枚しかありません。この後うまく迫ったものの寄せ合い負けです。
29飛の後で28歩があるのが不満です。
△ 最初に27飛なら1手違います。
19角成の効果はないので、15角成で43角成同金
23歩92飛24銀26歩
15銀27歩成79玉
これはまあまあなのですが、15銀の働きが悪く少し不満です。
43角成ではなく23歩を先にすると
23同飛43角成同飛34金49角
飛車は取れるのですが、27の飛車をいじめられます。これは互角でしょうか。
× 激しい手を見てみます。24飛は
23歩29飛15角成
これは難しいです。
後手は24同飛と応じて
24同銀28飛51飛41歩53桂成56歩
この歩の味がよすぎます。後手の28飛の位置がよいので24飛とぶつけるのではまずそうです。
○ 23歩とたたく手。
23同飛24銀22飛23歩12飛とおとなしく指されたら
43角成同金22金
42玉に12金で
後手も悪くはありませんが、先手の攻めも切れにくいです。
後手はどこかで飛車を取り合うでしょう。23歩の時に取ると
22歩成同玉43角成同銀53桂成
これは先手が攻め合い勝ちに見えます。
24銀の時に取ると
23銀成同金51飛
これも先手が勝ちそう。
後の23歩で取ると
22歩成同玉43角成同銀82飛
これも先手が勝ち。
ということで、飛車の取り合いもまずく、残るのは最初の23歩を同金です。
27飛15角成43角成同銀53桂成
この順は先ほどの27飛を先にした変化では出現しません。42歩43成桂同歩34銀打49角
29飛38角成23銀成同飛34銀
29飛を逃げることもできるのですが、取らせる間に後手玉に詰めろをかけられそうです。
△ なお、最初に43角成も考えられるのですが
これはいつでも取れる(手抜かれない)ので、最初に指さないほうがいいです。どこかで手順前後で困るかもしれませんし、影響ないかもしれません。
☆ まとめ
実戦の29飛はおとなしすぎました。後で27飛としているのですから1手損で、この違いは大きいです。
27飛ならほぼ互角です。
工夫して先に23歩を入れて、飛車の取り合いになれば先手が指せます。でも24飛とぶつける飛車交換は後手を引きますし、28飛と打たれる位置が働いていますし、37角も寄せに少し利いています。28で飛車を取らせるなら構わないのではないか?と読んでみると有利優勢になる順がありました。
23歩同金27飛、こういうのは手順の妙という表現をされます。観戦記のために作ったような言葉だと思いますが、将棋には時々作ったような妙手順があり、鑑賞する楽しみがあります。実戦で読み切って指せたらさぞかし気持ちがよいことでしょう。