名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
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大山将棋研究(33); 石田流に急戦

2016-01-13 | 大山将棋研究
昭和47年4月、桐山先生との第11期十段戦です。

大山先生の先手三間飛車、桐山先生は石田流を誘って、この72飛からの反撃の構想でした。

8筋からの動きを逆用されたようでも、78金でまあまあですか。

7筋のやりとりで飛車交換に。大山陣のほうが弱いようですが

桐山先生の86歩では65歩としてしまいそうです。どちらがいいのか。大山先生も銀をしまって一安心。

ここに飛車を打つのは桐山先生らしい粘り強い攻め。2人とも粘着質ですが、大山先生は受け将棋、桐山先生は攻め将棋です。

この局面になれば飛車打ちしかないとわかるのですが、どこから見えているのか、感心します。

さらに自陣飛車。

もう一回自陣飛車

桐山先生も自陣飛車の手筋で盛り返しました。

銀を投入してからまた攻防の飛車です。

これは振り飛車党ならではの攻防の角。

飛車を切って金打で先手陣が安定し、大山先生が優勢になりました。

1手前の42銀も渋いですが、この金寄りも渋いです。

81香の角取りに、またも自陣飛車

この香打ちではっきりしてきました。

しつこいくらい出てくる攻防の角が決め手です。


自陣飛車、自陣角がたくさん出てくるので、並べて面白い将棋です。
桐山先生の敗着がはっきりしません。最初の飛車交換のところは桐山先生が有望に見えるのですが、86歩では65歩の方なんでしょうか。自陣飛車がでたところからは大山先生がややリード。いつの間にか優勢になった感じです。



#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.22 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山名人
後手:桐山6段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八飛(28)
6 6二銀(71)
7 6八銀(79)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 1四歩(13)
13 1六歩(17)
14 6四歩(63)
15 2八玉(38)
16 5二金(61)
17 7五歩(76)
18 6三銀(62)
19 6七銀(68)
20 8五歩(84)
21 7六飛(78)
22 7二飛(82)
23 8六歩(87)
24 8二飛(72)
25 8五歩(86)
26 同 飛(82)
27 7八金(69)
28 7四歩(73)
29 同 歩(75)
30 7五歩打
31 8六歩打
32 8四飛(85)
33 7五飛(76)
34 7四銀(63)
35 8五歩(86)
36 7五銀(74)
37 8四歩(85)
38 8六歩打
39 3八銀(39)
40 8七歩成(86)
41 同 金(78)
42 8五飛打
43 7八銀(67)
44 7六銀(75)
45 8六飛打
46 同 飛(85)
47 同 金(87)
48 6八飛打
49 5八飛打
50 6七銀成(76)
51 6八飛(58)
52 同 成銀(67)
53 4八飛打
54 7八成銀(68)
55 同 飛(48)
56 6五歩(64)
57 7二飛成(78)
58 7三飛打
59 同 龍(72)
60 同 桂(81)
61 8三歩成(84)
62 6九飛打
63 7八銀打
64 6八飛成(69)
65 7四飛打
66 1三角(22)
67 6五歩(66)
68 5七角成(13)
69 5八歩打
70 同 馬(57)
71 同 金(49)
72 同 龍(68)
73 6六角打
74 4四歩(43)
75 5九歩打
76 6八龍(58)
77 4四飛(74)
78 4三金打
79 同 飛成(44)
80 同 金(52)
81 6九金打
82 6六龍(68)
83 同 角(88)
84 3三角打
85 7五角(66)
86 7四歩打
87 8四角(75)
88 9九角成(33)
89 7三と(83)
90 5五馬(99)
91 7四と(73)
92 4二銀(31)
93 7六金(86)
94 3五歩(34)
95 6四と(74)
96 8一香打
97 5八飛打
98 8四香(81)
99 5五飛(58)
100 8九香成(84)
101 7五角打
102 4四銀打
103 5八飛(55)
104 8八成香(89)
105 6七銀(78)
106 3四角打
107 5六桂打
108 5五銀(44)
109 8八飛(58)
110 5六銀(55)
111 同 銀(67)
112 同 角(34)
113 5三と(64)
114 同 銀(42)
115 5八香打
116 7四歩打
117 5三角成(75)
118 同 金(43)
119 5六香(58)
120 5四歩打
121 8二飛成(88)
122 4二桂打
123 6六角打
124 6七角打
125 1一角成(66)
126 7六角成(67)
127 4六香打
128 投了
まで127手で先手の勝ち





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20160113今日の一手<その242>; 敵玉を薄くする:修正あり

2016-01-13 | 今日の一手
20160113今日の一手

11月29日の名南将棋大会からYさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




*Tさんのご指摘で実戦手順を修正し、解説も少し変更しました。
昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。先手の居玉が問題です。
先手の攻め駒は29飛77角持ち駒銀で3枚。
後手の攻め駒は74飛と持ち駒銀で2枚。
総合すれば互角です。

大局観として

先手のほうが攻撃力があります。37桂を使うのも難しくはないですし、攻め駒は4枚にできるでしょう。玉が薄いので左に移動したいのですが、その余裕があるかどうか。囲って思わしくないと思えば後手玉を薄くしてしまうのも一方です。(多くの場合は囲うほうが正しいです。)


△ 実戦は45歩でした。

拠点を確保する手です。これには35金が最善なのかという気も少しだけしますが、普通の43金引には52銀で両取りで金をはがせます。よって54金にやはり52銀33角63銀不成

結局金をはがすことに成功します。94飛(84飛には95角)54銀成同飛44金

これで両取りですから、後手は角の逃げる場所を間違えています。42角の方がよかったか。
51飛25歩に38銀(これが厳しいのが居玉ゆえ)の反撃がきます。

26飛35銀33金26銀64角42歩32金同玉55角

飛車を取られる間に後手陣をはがして角を出ました。攻防に見えましたが、55同飛同角に77角という次の一手問題のような手が飛び出しました。

Tさんの会心の一手でした。

戻って38銀に26飛ではなく、すぐに33金ならこの図。

これならまだ難しい戦いでした。飛車は29で取らせた方が後手の銀が遊びます。


○ 45歩より64歩のほうがぴったりした手です。

意味合いは45歩に近いのですが、64同飛は53銀から44銀成のあとで55角と使えます。なので64同歩で飛車の横利きが止まるわけです。そこで45歩43金引に52銀。

33角(42角も43銀成同金44金でよい)43銀成同金44金

44同金同歩同角43金

38銀44金29銀不成45桂

手順に金2枚をはがして桂馬まで捌ければ先手優勢です。


× 25歩が自然な攻め手なのですが

25同歩同桂24歩33歩

33同桂同桂成同角68玉46歩

桂馬を交換した後にパッとした手がなく、それから囲おうとしても手遅れです。反撃がきつくなります。


× 46銀は手厚い感じなのですが

73桂55銀65桂

桂馬を使われて66角55金同角33角同角成同桂

この局面は難しいのですが、後手から55角がありますからちょっと忙しいです。やや後手有利。


× 68玉が常識的ですが

73桂と使われて、64歩などでも65桂が入ります。

これが不満で、後手のほうが指しやすくなります。64歩以外にもいろいろあり、この後も変化はいろいろですが。


☆ まとめ

問題図は先手から銀交換の仕掛けで動いた後で、それから玉を囲うのでは調子がおかしいのです。戦いの前に玉を囲っておくべきです。それならいろいろな攻めが利いたのですが。
仕方ないので、後手玉を薄くして勝負にします。その時には64歩が好手です。手抜きにくいし、金でも取りにくいし、64同歩は飛車が受けに利かなくなるという仕組みです。
実戦の45歩は桂馬がさばけなくなるので、やりたいようなやりたくないような手です。この場合は拠点になるので悪手ではありません。先手は44を争点にしたく、受ける方から言えば44からかわしていく順を考えます。
コメント (1)
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