昭和47年7月、桐山先生との第11期十段戦です。桐山先生は六段ですからまだ20代のころ。十段リーグ入りしたのはさすがです。
桐山先生は玉頭位取りのつもりだったのでしょう。多分このころ流行していました。位取り対策の意味もあって振り飛車穴熊も流行り始めて、大山先生はこのリーグ戦で多用しています。名人戦で負けて気分転換かも。
桐山先生は46右銀急戦です。若いのですからこうでなくては。
38飛と指してほしかったのですが、準急戦に。
大山先生は強気に歩を合わせます。これは居飛車がよいという定跡ですが、穴熊なのでどうでしょうか。
最初の35歩に同歩同銀とやったのと同じようなことになりました。振り飛車が1手余計に指しているので少しは得ですが、これなら居飛車十分のはず。
34歩同銀44銀32飛として、24歩は43銀が嫌なのですが、41角の強攻もありそうで、42飛51角成同飛24歩は居飛車がやれるような気がします。この36歩は妥協した手。
左銀の急戦ならこうならないのですが(37角と合わせられる)、角の打ちあいから34歩で銀を追い返せます。
これでさばき合いですが
飛車をぶつける意味の33桂に34歩が好手。
互いに と金の作り合い
銀をこちらにかわすのでは少し桐山先生が苦しいか。48銀は と金に当たってきます。
こういうところの受け、大山先生はしっかりしています。
桂香を取り合って、と金を引いて使います。
34と で銀の交換かと思ったら、取らずに攻めるのですね。大山先生は有利と思って攻め合いにしています。
と金つくり。これで大山先生が有利です。
香の打ちあいですが、囲いを薄くする56香のほうが厳しい手です。
68銀打に角を取らずに金を置くのですね。65角の筋を気にしています。
69角も投入して、香打ち。どこまで迫られるかですが
ここでは桐山先生有望に見えます。途中で61銀の割打ちのチャンスはあったのですが、これで金を取れれば効率がいいです。反面、1手途中下車する必要があるともいえるのですが
守りに打った角を使います。
竜に寄り付かれて受け無しですが、
84角が詰めろ。攻防なのですが、大山先生が62銀と打ったのが詰めろ逃れ。取ればゼットです。
62銀は取らざるを得なく、これで投了図。
穴熊に急戦の将棋でしたが、右46銀なら攻め足が速い(多分大山先生の43銀が早かったため)ので、72金というのが臨機の囲いです。割打ちの傷があるので堅くありません。強く踏み込んで居飛車が指せる気がします。
中盤で大山先生から38歩とか32歩とかよい手筋が見れました。寄せ合いは穴熊のペースに見えたのですが、桐山先生が終盤に力を見せました。最後に62銀とすてる格好いい手があり、大山先生の勝ちになりました。これも好局です。振り飛車党なら先後逆にして並べるとよいでしょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:桐山6段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5八金(49)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 6八銀(79)
14 8二玉(72)
15 5六歩(57)
16 4三銀(32)
17 5七銀(48)
18 5二金(41)
19 9六歩(97)
20 9二香(91)
21 3六歩(37)
22 9一玉(82)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 4六銀(57)
26 3二飛(42)
27 3五歩(36)
28 7二金(61)
29 3四歩(35)
30 同 銀(43)
31 3五歩打
32 4三銀(34)
33 3七銀(46)
34 3四歩打
35 3六銀(37)
36 3五歩(34)
37 同 銀(36)
38 4五歩(44)
39 3三角成(88)
40 同 飛(32)
41 3六歩打
42 6四角打
43 5五角打
44 同 角(64)
45 同 歩(56)
46 6四角打
47 7七角打
48 3四歩打
49 2六銀(35)
50 5四歩(53)
51 3七銀(26)
52 3五歩(34)
53 同 歩(36)
54 同 飛(33)
55 2四歩(25)
56 同 歩(23)
57 同 飛(28)
58 3三桂(21)
59 3四歩打
60 同 飛(35)
61 2二飛成(24)
62 3八歩打
63 2四歩打
64 2五桂(33)
65 2六銀(37)
66 3九歩成(38)
67 2三歩成(24)
68 3二歩打
69 1一龍(22)
70 3八飛成(34)
71 2五銀(26)
72 2九と(39)
73 2四と(23)
74 1九と(29)
75 3四と(24)
76 同 銀(43)
77 同 銀(25)
78 5六香打
79 5九香打
80 4六歩(45)
81 同 歩(47)
82 4七歩打
83 9五桂打
84 8二銀(71)
85 4七金(58)
86 5九香成(56)
87 同 金(69)
88 4七龍(38)
89 6五香打
90 5六香打
91 6四香(65)
92 5九香成(56)
93 同 銀(68)
94 6五桂打
95 6八銀打
96 5六金打
97 6九角打
98 3八龍(47)
99 8五香打
100 6四歩(63)
101 8三桂(95)
102 同 金(72)
103 同 香成(85)
104 同 銀(82)
105 9五角(77)
106 8四歩打
107 7一金打
108 8二金打
109 6一龍(11)
110 5七香打
111 3九歩打
112 2八龍(38)
113 3六角(69)
114 5九香成(57)
115 5四角(36)
116 7二香打
117 5二龍(61)
118 5八龍(28)
119 8八玉(78)
120 6七金(56)
121 9七玉(88)
122 6八金(67)
123 6一龍(52)
124 8五桂打
125 8六玉(97)
126 7七桂成(65)
127 8四角(95)
128 6二銀打
129 同 龍(61)
130 6七龍(58)
131 7七桂(89)
132 同 桂成(85)
133 投了
まで132手で後手の勝ち
桐山先生は玉頭位取りのつもりだったのでしょう。多分このころ流行していました。位取り対策の意味もあって振り飛車穴熊も流行り始めて、大山先生はこのリーグ戦で多用しています。名人戦で負けて気分転換かも。
桐山先生は46右銀急戦です。若いのですからこうでなくては。
38飛と指してほしかったのですが、準急戦に。
大山先生は強気に歩を合わせます。これは居飛車がよいという定跡ですが、穴熊なのでどうでしょうか。
最初の35歩に同歩同銀とやったのと同じようなことになりました。振り飛車が1手余計に指しているので少しは得ですが、これなら居飛車十分のはず。
34歩同銀44銀32飛として、24歩は43銀が嫌なのですが、41角の強攻もありそうで、42飛51角成同飛24歩は居飛車がやれるような気がします。この36歩は妥協した手。
左銀の急戦ならこうならないのですが(37角と合わせられる)、角の打ちあいから34歩で銀を追い返せます。
これでさばき合いですが
飛車をぶつける意味の33桂に34歩が好手。
互いに と金の作り合い
銀をこちらにかわすのでは少し桐山先生が苦しいか。48銀は と金に当たってきます。
こういうところの受け、大山先生はしっかりしています。
桂香を取り合って、と金を引いて使います。
34と で銀の交換かと思ったら、取らずに攻めるのですね。大山先生は有利と思って攻め合いにしています。
と金つくり。これで大山先生が有利です。
香の打ちあいですが、囲いを薄くする56香のほうが厳しい手です。
68銀打に角を取らずに金を置くのですね。65角の筋を気にしています。
69角も投入して、香打ち。どこまで迫られるかですが
ここでは桐山先生有望に見えます。途中で61銀の割打ちのチャンスはあったのですが、これで金を取れれば効率がいいです。反面、1手途中下車する必要があるともいえるのですが
守りに打った角を使います。
竜に寄り付かれて受け無しですが、
84角が詰めろ。攻防なのですが、大山先生が62銀と打ったのが詰めろ逃れ。取ればゼットです。
62銀は取らざるを得なく、これで投了図。
穴熊に急戦の将棋でしたが、右46銀なら攻め足が速い(多分大山先生の43銀が早かったため)ので、72金というのが臨機の囲いです。割打ちの傷があるので堅くありません。強く踏み込んで居飛車が指せる気がします。
中盤で大山先生から38歩とか32歩とかよい手筋が見れました。寄せ合いは穴熊のペースに見えたのですが、桐山先生が終盤に力を見せました。最後に62銀とすてる格好いい手があり、大山先生の勝ちになりました。これも好局です。振り飛車党なら先後逆にして並べるとよいでしょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:桐山6段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5八金(49)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 6八銀(79)
14 8二玉(72)
15 5六歩(57)
16 4三銀(32)
17 5七銀(48)
18 5二金(41)
19 9六歩(97)
20 9二香(91)
21 3六歩(37)
22 9一玉(82)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 4六銀(57)
26 3二飛(42)
27 3五歩(36)
28 7二金(61)
29 3四歩(35)
30 同 銀(43)
31 3五歩打
32 4三銀(34)
33 3七銀(46)
34 3四歩打
35 3六銀(37)
36 3五歩(34)
37 同 銀(36)
38 4五歩(44)
39 3三角成(88)
40 同 飛(32)
41 3六歩打
42 6四角打
43 5五角打
44 同 角(64)
45 同 歩(56)
46 6四角打
47 7七角打
48 3四歩打
49 2六銀(35)
50 5四歩(53)
51 3七銀(26)
52 3五歩(34)
53 同 歩(36)
54 同 飛(33)
55 2四歩(25)
56 同 歩(23)
57 同 飛(28)
58 3三桂(21)
59 3四歩打
60 同 飛(35)
61 2二飛成(24)
62 3八歩打
63 2四歩打
64 2五桂(33)
65 2六銀(37)
66 3九歩成(38)
67 2三歩成(24)
68 3二歩打
69 1一龍(22)
70 3八飛成(34)
71 2五銀(26)
72 2九と(39)
73 2四と(23)
74 1九と(29)
75 3四と(24)
76 同 銀(43)
77 同 銀(25)
78 5六香打
79 5九香打
80 4六歩(45)
81 同 歩(47)
82 4七歩打
83 9五桂打
84 8二銀(71)
85 4七金(58)
86 5九香成(56)
87 同 金(69)
88 4七龍(38)
89 6五香打
90 5六香打
91 6四香(65)
92 5九香成(56)
93 同 銀(68)
94 6五桂打
95 6八銀打
96 5六金打
97 6九角打
98 3八龍(47)
99 8五香打
100 6四歩(63)
101 8三桂(95)
102 同 金(72)
103 同 香成(85)
104 同 銀(82)
105 9五角(77)
106 8四歩打
107 7一金打
108 8二金打
109 6一龍(11)
110 5七香打
111 3九歩打
112 2八龍(38)
113 3六角(69)
114 5九香成(57)
115 5四角(36)
116 7二香打
117 5二龍(61)
118 5八龍(28)
119 8八玉(78)
120 6七金(56)
121 9七玉(88)
122 6八金(67)
123 6一龍(52)
124 8五桂打
125 8六玉(97)
126 7七桂成(65)
127 8四角(95)
128 6二銀打
129 同 龍(61)
130 6七龍(58)
131 7七桂(89)
132 同 桂成(85)
133 投了
まで132手で後手の勝ち