あんな・こんな

観たり、聴いたり、感じたり・・・あんな・こんなを綴ります。

映画鑑賞、散歩、寄り道の合間の読書📚⌛🎦👣⌛ 

2024年08月23日 16時57分51秒 | 読書

『夕映え天使』浅田 次郎著 

 

 現実社会から少し離れた場所から眺めているようなお話たち。

「切符」「琥珀」「丘の上の白い家」が興味深かったかな? 特に「丘の上の白い家」の主人公の友人の死には泣けてしまいました。
夕映え天使:幸せの掴み方を知らない「女」の過去にはどんなことがあったのでしょう。

切符:少年が祖父と暮らした家で、間借り人夫婦の離婚で女性が引っ越して行くことになり・・・その時の女性への祖父のぎこちない優しさ、引っ越しの荷物と女性を載(乗)せたオート三輪のあとを裸足で追っかけた切ない気持ち、最後に別れた母からもらった切符(ここには母の連絡先が書いてあった)を泥川に投げ込んだ気持ちはどんな思いだったのか・・・

特別な一日:定年退職の日を特別な日にしたくなかった主人公の一日でした。

琥珀:定年間近な刑事が、休暇消化のために立ち寄った「琥珀」という喫茶店で時効間近の犯人に遭遇するのですが、「あと一週間や・・・・・・・看板を下げて、じいっとしとってくれ」と言い残した刑事の思いは?(逮捕すれば大手柄になる筈) そして、それを告げられた犯人(琥珀のマスター)の思いは?

丘の上の白い家:運命の別れ道とは・・・ 貧乏故に奨学金を受けている品行方正な「清田」と真逆な主人公。 「丘の上の白い家」に纏わる話。 そして清田の死は余りにも哀しいものでした。 最後に主人公に宛てられた「丘の上の白い家」に住む百合の遺書は、誰の手元にあるのかしら???(清田と百合は心中、清田だけが死んでしまったのでした)

樹海の人:作者が陸上自衛隊にいた頃の樹海での訓練の回想? そもそも入隊を決めた理由は・・・作中に出てくる自殺した小説家は明らかに「三島由紀夫」。「樹海の人」は作者自身のことで、最後には「物語の樹海」にいるのですね。

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