『人間万事塞翁が丙午』 青島 幸男著
戦中戦後の江戸っ子たちが住む下町での「人情」を、弁当屋「菊弁」を軸にリズミカルな文章で、辛く悲しいこともあったのに、そんな風には感じさせないものでした。 読んでいて、以前読んだ井上ひさしの「東京セブンローズ」を思い出しました。(お二人とも同世代の方々でしたよね)
どちらもよく似た時代背景で、女性が強く逞しく、したたかに生きた様子を再確認。 逆に男性のだらしなさや滑稽な様子も際立って?いました。 そりゃそうだ! 残された女・子供・年寄りは苦労したもんね。 戦後生まれの私には判りませんが映画やドラマ、本などからの知識によるといったところでしょうか。 著者である青島幸男の母(丙午生まれ)をモデルにした作品だそうですが、ということは家族の話でもあるのですね。
長年気になっていた「本」だったのですが、古本屋さんで出会ってやっと読むことができました。
青島、井上両氏の文章の巧みさ?が読み易さに繋がるような気がします。