『獣たちの墓』原題:A Walk Among the Tombstones(墓石の間の散歩) ローレンス・ブロック著 田口 俊樹訳
レバノン系の麻薬ディーラー・キーナンの妻フランシーンが誘拐され、大金を支払ったにも係わらず妻はバラバラ死体となってキーナンの元に・・・ キーナンからの依頼でマットの調査が始まります。 今回はTJ(黒人の少年)と彼の紹介で出会ったコングズという兄弟(ハッカー)が大活躍でした。 新しい調査方法の始まりと言ったところでしょうか。 事件については実に猟奇的なもので、正に獣たちの仕業でした。
この誘拐だけにとどまらず後半にはロシア系の麻薬ディーラー・ユーリの娘が誘拐され大金を要求されたのです。 如何に生きたままの娘を取り戻すのか、その方法に思案に暮れるマット。 大金を集め廻る周囲の人びと。
娘と大金の交換は「グリーン・ウッド墓地」、此処は獣たちが複数の女性の殺人を犯したあと死体を捨て去っていた場所。 無事、娘を救うことができ犯人とは別れることに・・・ この時点では犯人の行方は判っていませんが、あらゆる手掛かりをもとに隠れ家を突き止め犯人を追い詰め、キーナン、ピート(キーナンの兄)、TJとでユーリから取り上げた大金を取り戻していました。(キーナンから取り上げた大金も・・・) そして地下で見つけた犯人の一人であるアルバートの死体。 その死体のある地下室で、キーナンは犯人・レイ(レイモンド・ジョゼフ・ガランダー)に殺人ではなく(頭に弾丸を撃ち込まず)外科手術をしたと苦しそうにマットに話していました。 これで妻の仇を討つことになったのでしょう。
すべてが癒やされたとは言えませんが、新しい一歩を踏み出すきっかけにはなったようです。
このシリーズでは、マットと古い知人で高級娼婦のエレインとの関係にもかなりの変化が訪れます。
今になって気付きましたがこのシリーズって「死」という文字が付き纏います。 仕方ありません、探偵ものに殺人は付き物ですか!?
9月に読んだ「死者との誓い」(シリーズ-11作目)が、このシリーズに最初から挑戦?してみようとのキッカケになった1冊でした。
古本屋さんで目についた本の題名に釣られて手にしたものでした📚 結果ここまで辿り着いたという訳です📖