『東京セブンローズ』井上 ひさし著
タイトルの通り、占領軍による日本語のローマ字化の計画を阻止しようと七人の名花・東京セブンローズが立ち向かうお話し。
「正字正かな」で書かれたこの本は長編でもありますが、不思議にすんなり読み進むことができるうえに、終戦前後の情景が映像のように浮かんできます。 設定を東京の下町根津に住む団扇屋「山中信介」の、1945年4月から1946年4月までの日記という形を取っていて、それも長編と感じさせない読みやすさなのかもしれません。 時々スマホの漢字よみ方アプリでチェックしながら(^_-)-☆
終戦後、信介は偶然に占領軍の恐るべき陰謀(日本語をローマ字化しようというもの)を知ることになります。 その陰謀と闘おうとするのですが何故か空回りしているようにも受け取れます。(日本男子のだらしなさ?を見た気がしました) それに引きかえ女性たちは逞しい。
7名の美しい女性(セブンローズ)、夫をB29の爆撃で失い、義父が正気を失ったともゑ、姉を空襲で失った文子と武子(山中信介の娘)、戦争未亡人の仙、両親と兄を亡くした時子、家族全員を亡くした可世子と芙美子たち。
彼女たちは日本語改革政策を最終決定する教育使節団の有力者3名に狙いを定め、自分たちの魅力を使って使節団の3名と帝国ホテルで仙や他の女性と裸でふざけているところを写真に撮らせるという手段で計画を成し遂げました。 それは、日本語のローマ字化を断念するという書類にサインさせるというものでした。
こんなに沢山の資料を調べ、読んでいたのですね📚 この話を書くヒント?は、古本屋で見つけた誰かの日記だったそうです。
17年もの歳月をかけたとは前回読んだ時には覚えていませんでした。 日本語が守られたんだぁ~との感想にとどまっていただけ・・・
読み終えて、また本棚に戻すことにしました。