600ページ近い分厚い文庫本ですが、結構一気に読めました。
一気といっても一週間くらいは掛かったかな?
0と言うのはゼロ戦の0なのですが、健太郎と慶子の姉弟が祖母が亡くなるまで知らなかった、第二次大戦でカミカゼ特攻した実の祖父、宮部久蔵のことを調べる事で物語が進んでいきます。
かつての祖父の戦友たちを訪ね歩き、宮部久蔵とはどんな人だったのか?最初に訪ねた長谷川の話では「宮部久蔵は軍人に有るまじき臆病者で、戦場ではいつも逃げまわっていた。」と伝えられ、がっかりするのですが、戦友たちを訪ね歩くうちに宮部久蔵の真の姿が見えてくる。
カミカゼ特攻隊といえば自ら志願し、みんな「天皇陛下バンザイ!」と叫びながらアメリカ艦隊に突っ込んでいった・・・そういうイメージが有りますが、宮部久蔵は最後まで志願せず、妻と子の為に生きて帰ることを何より望んでいた。
宮部は臆病者と言われても、ただの臆病者では無く、天才パイロット。
九死に一生の戦闘になら喜んで出撃もするが、十死に〇生の特攻は、上官に殴られようが絶対に志願しない、その宮部が最後の最後には何故特攻で命を落としたのか・・・
最後の最後の真実が、泣けるのですなー
解説を、今は亡き児玉清さんが書いておられますが、児玉さんも年間300冊以上本を読んでた読書家。
本を沢山読んでる方はやっぱり文章が上手です。
児玉さんの解説だけでも読む価値有り・・・かも?(笑)