さんたろう日記

95歳、会津坂下町に住む「山太郎」さんたろうです。コンデジで楽しみながら残りの日々静かに生きようと思っています。

晴れた日の散歩道

2021-03-13 | 日記

ふと目を惹く空が綺麗でした

空にそびえる二本の木は桐の木でしょうか

手入れされていませんから枝が乱雑の伸びています。幼かった頃の桐の木といえば丁寧に手入れされていて丸く太い幹がすっくと空に伸びていました。

慶応二年(1866)生まれの祖父は畑で一緒している幼い私に「昔は女の子が生まれると家の裏の屋敷に桐の木を植えたんじゃ、そして娘が嫁入りするときにその桐を切って桐タンスを作って嫁入り道具にしたんじゃ」といっていました。それが心の底に残っているんです。

私の子どもの頃は桐の木は裕福の人の履く軽くて美しい柾目(まさめ)の下駄の材料や桐タンスの材料として植えられすっくと空に伸びる桐の木の林があちこちにありましたけど今は見えなくなりました。なんか今の桐の材料はカナダあたりで栽培されて輸入されていると聞いたことがあるような気がします

 念のためにつけくわえると裕福でない普通の家で暮らす私の下駄は杉の板でした、学校に通うにはその下駄かゴムの靴の底に藁を敷いて履いていました。藁は軟らかいクッションと湿気とりになるんです。そして家に帰れば「あしなか」という足の半分ほどの大きさの藁草履を履いて遊んでいました。足の裏が固く厚くなっていて砂利道でも山に栗の実を拾いにいって栗の毬(いが)を踏んでも痛くなかったんですよ。象の足みたいになっていたんです。

 澄み切ったそらに80数年昔のことがまるで昨日のことのように思い浮かんできたのたのです。ほおんわかと懐かしかったんです。