前回の記事を書くのに参考にしたのは主に「まんが郡長正物語」(昭和62年初版発行)という学習漫画だ。8年前初めて会津若松に行った時に、たしか会津武家屋敷で買った。
話の中には、白虎隊の自刃や、会津戦争の責任を負って切腹する父萱野権兵衛の姿が描かれているページがある。インクを散らして描かれた血飛沫が生々しい。最近の学習漫画系ではこういう表現は押さえ気味になってると思う。白虎隊自刃のコマのセリフは、初版発行の前年放送された日テレ版「白虎隊」の自刃シーンのセリフとほぼ同じだ。
そして物語の最後には5ページに渡って長正自身の切腹が描かれている。漫画では、会津、小倉両藩の学生たちが見守る前で切腹している。しかし、自室に戻って切腹したと記述された資料もある。学生たちの前での切腹だと、己の意思を相手に見せ付ける華々しさがあるが、自室で独りで、というのなら印象が大分違う。
漫画では、長正は「会津武士道の精神をお見せする」と言って、短刀をまず左脇腹に突き立てる。学生が医者を呼ぼうとするのを制して、右脇腹まで一文字に掻き切る。そして両藩の学生が仲良くすることを誓わせ、介錯を断った後、縦一文字に切り、さらに喉笛を切って果てた。見事な(見事過ぎる)十文字切腹だ。実際に十文字に腹を切ったかどうかは分からないが。
長くなるので次回に続く‥
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