介添え切腹というものを知ったのは何年前だろうか。自分と同じ切腹フェチの知り合いから聞いたんだったと思う。
介添え切腹とは、切腹する本人を手伝ってもう一人が腹を切ってやるというスタイルだ。切腹人がまだ幼かったり、深手の傷を負っていて本人だけでは腹を切り遂げることができないと思われる場合、関係する者が手を添えるなどして腹を切り裂く。
手を添えるのなら、切腹人の後ろから抱えるようにして切るという体勢が想像しやすいが、相手と向かい合って前から切腹人の腹に刀を突き立てるという体勢も有りだと思う。どちらの体勢も介添える人間が1人の場合、無理矢理切ることはできないだろう。切腹人本人の協力を得ること、少なくとも抵抗されないことが必須条件だと思う。
なのでアカの他人が介添えを行うのは難しいんじゃないだろうか。形式的な切腹にして、さっさと介錯した方が効率がいい。しかし、そこはどうしても一寸でもいいから本当に腹を切って死にたい(or死なせたい)という場合、切腹人の関係者が介添えることになる。関係者というのは血縁者か朋友か、はたまた念者か。
想い想われる相手に介添えられる(または介添える)というのはとても甘美な感じがする(切腹フェチ的イメージ)。それが一方の秘めた恋心でもイイかもしれない。想っているが告白できていない相手に介添えてもらう。またはその逆に、その相手を介添える(つまり腹を切ってやる)。介添える場合、相手を介添えた後、自分も後を追って腹を切るっていう流れもあるだろう。
切腹フェチ的感想になるが、1人での切腹(ごっこ)、見る切腹、見てもらう切腹とはまた違った魅力が介添え切腹にはある。二人の共同作業であるし、二人の体が重なる。相手の体温を感じながら切腹ごっこが楽しめる。相手を刺す、または刺してもらうので、厳密に言うと自分の体に刃を突き立てる“自”刃とは違うが、こういうのもイイ。