2012年9月21日(金) 久し振りに有給休暇が取れたこの週末。 天気予報をチェックすると、日本海は穏やかな予報。 これは行くしかないな。
久し振りの連泊ツーリングは、お気に入りの島根半島に決定!
いつものように、ウイルダネスシステムズのケープホーンと、スペシャライズドのMTBを積んだアテンザワゴンで、朝4時半過ぎに家を出る。
金曜日とはいえ、まだ通勤時間帯までは時間があるので、空いた国道を快適なドライブ。
中国山地越えでは、途中車外の気温は一番低いところで12℃ほど。 いつものように、Tシャツ&短パンでやってきたのだが、休憩で外に出るとヒヤリと冷たい空気が秋の気配を感じさせる。
うん、旅には好い季節がやって来た。
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家を出てから約4時間で、漁港に到着。 今日は少し西風があるので、小波からではなくここの漁港から出させていただくつもり。
しかし、いつもクルマを停めさせていただいているスペースが、漁港の工事の関係で制限されていた。 困ったな。
しばらく待っていると、海から小さな漁船が一隻戻ってきた。 『こんにちは。 ちょっとカヌーを出させていただきたいんですが、どこかクルマを停めさせていただける場所はないでしょうか?』
『なら、あの電柱の横に停めたらええ』 『あそこですね。 ありがとうございます』
『ところで、今日は何が釣れたんですか?』 『今日はギザミ。 もう、建網を外したから、こんな魚よお』

教えていただいた場所にクルマを停め、出艇準備をしていると、何人かの地元のおばちゃんやおばあさんが歩いて来られる。 その度に、『すみません。 さっき、ここに停めてもええと言うてもろうたもんですから。 1時間ほど停めさせてください』と、挨拶代わりに声を掛ける。
ここから多古の七つ穴方面は、西風なら風裏となり、穏やかな状況。 『さあ、出発するとしようか』

数ヶ月ぶりの日本海。 今日は、洞窟三昧の予定である。

大きな穴から小さな穴まで、一つ一つ潜っていく。

これぞ、小さな手漕ぎ舟の本領発揮である。
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一つだけポッカリ開いた大きな洞窟から、複数の洞窟がつながっている迷路の様な洞窟まで様々だ。

ヘッドライトを持って来なかったので、場所によっては先に見える微かな光の出口に向かって、真っ暗な中を漕ぎ進むこともあったが、この非日常感がなんとも心地良い。
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こんなに手頃な距離で、たっぷりと洞窟巡りツーリングを楽しめるのは、島根半島ならでは。
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約一時間ほどのショートツーリングではあったが、いくつもの洞窟を巡り、島根半島らしいツーリングを堪能することができた。
シーカヤックを引き揚げ、潮抜きをして、乾くのを待つ間に途中で買ってきたコンビニ弁当でお昼ご飯。
漁港のスロープに座り、海を眺めながら食べる『秋の炊き込みご飯』は最高に美味しい。 『ごちそうさまでした』
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今日は、この海岸でキャンプの予定。 いつもながら良い眺めである。
今度は私自身の潮抜きのため、『多久の湯』へ。
クルマを駐車場に停めると、潮抜きの前にもう一汗かこうと自転車を降ろす。

神社にお参りし、

登り坂をエッチラオッチラ漕ぎ登り、

そこから海までの快適な下りでは、風になる! 『あー、気分爽快』

独特の玄関の構造を持つ、この辺りの民家の造りに感心しながら、

昔の通りが残る町中を漕ぎすすみ、

再び坂を登ると絶景が待っている。

ここはお気に入りのドライブルート。 でも、クルマじゃなくて自転車だと、ゆっくり進む分だけ今まで気が付かなかった景色も見えてくる。
約1時間ほどで多久の湯に戻ってきた。

ソフトクーラーに冷やしておいた『ゴクリ、バナナ』をゴクリ。 『うーん、美味い。 こりゃあ、たまらんなあ』
お風呂に入って潮抜きをし、一日の疲れを癒す。 風呂から上がり、体重計に乗ると、ここ数年では最低の数値を示した。 いやあ、嬉しいな!
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海岸に戻ってくると、5時前。 そろそろ晩飯の時間である。

テントを張り、荷物を降ろし、食事の準備を開始。 今日は残念ながら夕方から雲が多くなり、夕日は見えそうもない。
何はともあれ、まずは『エビスビール』で独り乾杯!

『プシュッ』 『トクトクトクトク、シュワワワー』 ではイタダキマス。
『ゴクッ、ゴクッ、ゴクーリ』 『プハーッ』 いやあ、やっぱりビールはエビスやのう!!! 最高や!

今日は、出雲蕎麦と野菜タップリの焼き餃子鍋。 『いただきます』
数ヶ月ぶりとなる島根半島での洞窟三昧シーカヤックツーリングと、日本海の景色を堪能するサイクリングを楽しんだ一日。 ビールとワインで静かに夜は更けていく。
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2012年9月22日(土) 朝起きてテントから這い出すと、浜にカヤックが置いてある。 どうやら車中泊のカヤッカーが居るようだ。
ちょうど日の出前なので、まずは高台へ。

私自身は、日の出前の徐々に明るくなっていくその変化が好きである。

他に誰もいない展望台で、少し涼しい朝の景色を独り占め。

待つ事20分程で、ようやく太陽が顔を出した。

『今日も、良い一日でありますように!』
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キャンプした浜に戻ってくると、車中泊のカヤッカーの方が準備を始めておられた。 挨拶を交わし、しばし四方山話。
話を伺うと、私のブログを読んでくださっているとの事。 うれしいな。
お湯を沸かして、コーヒーとスープ、そしてパンの簡単な朝食を済ませ、再びストームクッカーでお湯を沸かしてコーヒーをいれ、そのカヤッカーさんとコーヒーを飲みながら再び四方山話。
『俺は昨日この辺りは漕いだから、今日は別の場所で漕いで、夜は米子に泊まる予定なんや。 今日はコンディションも最高そうなので、たっぷり楽しんでな。 ほなまた!』
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キャンプ道具を片付け、今日の目的地に移動。
日が昇ると気温も上がり、Tシャツと短パンでちょうど良い快適なコンディション。
穏やかな海に、独り漕ぎ出す。

ここは、私のお気に入りのエリア。

今日もまた、洞窟三昧である。

私はこの島を、『島根半島のマチュピチュ』と勝手に命名。
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エチゼンクラゲが、ゆったりと泳いでる。 何年か前に大量発生していたが、このところ落ち着いているようでニュースでも聞く事はなくなった。

素晴らしい景色が続く。 本当にここは、シーカヤッカーにとって島根半島の楽園である。
透明な緑色の海水がきれいな洞窟の入口。

残念ながら通り抜ける事は出来なかったが、ここを『緑の洞門』と再び勝手に命名。

この抜けの良い景色が、瀬戸内海とは違う日本海らしさ。

いやあ、本当に好いエリアである。 最高!
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お昼ご飯は、『まつや』さんでウニ丼。

このお店は、以前妻とのドライブ旅行で泊まったことがあり、その時も夕食で海鮮料理をたっぷりと堪能したのだが、その時からウニ丼が気になっていたのだ。

『ごちそうさまでした!』 食後は、ホテルのチェックインまでまだ時間があるので、次回の事を考えてクルマでロケハンに。
すると、これまた楽園の様な景色を発見。

いやあ、素晴らしい! ほんと、島根半島は奥が深いなあ。
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皆生温泉では、『おーゆーらんど』の駐車場にクルマを停め、温泉に入る前に今日もプチサイクリングを楽しむ。

自転車を漕いで駐車場に戻ってきたら、隣の空きスペースにクルマが一台入ってきた。 他にもスペースはいっぱいあるのなんでわざわざ隣に? と思っていると、降りてきた男性が、『これ、カヌーですか? 海で漕ぐやつですよね』
どうやら、シーカヤックとMTBを積んだ私のクルマが気になって、隣に駐車された様子。
『ええ、そうですよ。 海で漕ぐカヤックです』 『昨日は多古で漕いでキャンプ。 今日は別の場所を漕いで、さっきは自転車で弓ケ浜を漕いで、今から潮抜きなんですよ』 『いやあ、好いですねえ。 私もやってみたいなと思っていたんです』
その後も、『これって、いくら位するんですか』とか、『瀬戸内の方が穏やかだから漕ぎ易そうですよね』とかいくつかの質問を受けた。
『ぜひ、機会があればやってみてください。 楽しいですよ。 では』
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温泉で汗を流し、Tシャツ短パン&サンダルから、ポロシャツと長ズボン&シューズに変えて、ホテルへ。

今日の宿は、『米子全日空ホテル』
ここは、地ビール飲み放題の夕食と、バイキングの朝食が付いたリーズナブルなプランがあるので、前にも利用したことがあるお気に入りのホテルである。
食事もおいしいし、ユニットバスとは言え浴槽は広くて快適だし、アメニティも充実。 さすが、全日空。
5時半。 レストランで夕食。

まずは地ビールで独り乾杯!

おいしい食事に舌鼓を打ち、おいしいビールで喉を鳴らす。

おお、日本海のイカ。 サンマもこんなにおいしく調理されて。

メインの肉料理。

そしてビールが美味い。

『ごちそうさまでした!』 いやあ、満足満足。 ビール好きには本当に最高のプランだ、また絶対来るよ!
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2012年9月23日(日) 朝起きて外を眺めると、道路が濡れている。 どうやら夜のうちに雨が降ったようだ。
バイキングのおいしい朝食を済ませ、ホテルを後にする。
途中、備後西条にクルマを停め、自転車でしばしプチサイクリング。

ここは、前から気になっていた町。 川と家が隣接し、独特の景観である。

彼岸花も咲いており、もう秋の気配。

静かな遊歩道を快適に漕ぎ進み、途中でUターンして再び町へ。

自転車を降り、川辺の歩道を散策。

川辺まで降りて初めて分かったのだが、ここは、家から河原まで降りる階段が家々に備えられていた。 昔は、野菜を洗ったり、洗濯したり、あるいは川舟を使った運搬で使われていたのだろうか?
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再びクルマで庄原へ。 今日のお昼ご飯は庄原焼き。 初めてである。
iphoneでチェックした、『コバヤシ』さんへ。

『庄原焼き』を注文すると、『庄原焼は店によって内容が違うんですよ』と、ここのお店の庄原焼きの説明。
どうやら『コバヤシ』さんでは、豚キムチチャーハンが入る事が特徴なのだとか。
焼き上がる前に、様々な調味料が並べられ、説明を受ける。

『これがポン酢ベースのソースです。 これは胡麻』 『辛いのが好きでしたら、コチジャンもどうぞ』 『マヨネーズも、普通のとカラシマヨネーズがありますから。 ポン酢に合いますから、好きなのを使ってください』
焼き上がった『庄原焼き』には、たっぷりのネギが。

これに、ポン酢ベースのお好みソース、コチジャン、カラシマヨネーズ、胡麻で自分好みのアレンジ。
『いただきます』

ポン酢風味のソースは初めての体験であったが、あっさり系でなかなかいける。 『うん、これはビールが欲しくなるなあ』
『ハフハフ、フーフー、ホフホフ』 『ごちそうさまでした。 あの、ポン酢ベースのソース、あっさりしていて美味しかったです』
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カヤック&バイクで洞窟三昧、島根半島堪能の旅の〆は、地元広島での『庄原焼き』のお昼ご飯。
今後に向けてのロケハンも出来て新たなお気に入りスポットも見つけたし、米子全日空ホテルのリーズナブルなプランも満喫した。 いやあ、今回もなかなか良い旅だったなあ!
一泊二日のキャンプツーリングは、日帰りツーリングの100倍楽しいが、2泊3日の連泊ツーリングは一泊二日に比べてさらに10倍楽しい! つまり、日帰りツーリングの1,000倍楽しいって訳である。 満足満足!!!
さて、来週はどこ行こう?