2014年9月27日(土) 今年で7年目となる夏のシーカヤック教室。
ここ数年は、夏の終わりに近くの島に渡ってカレーを作って食べたり、釣りをしたり、泳いだり、キャッチボールをしたりと、芸予諸島の晩夏/初秋の海を子供達と楽しむのが定番となっている。
今日は、その島渡りの日。 晴れて海が穏やかだといいなあ。
***
朝、いつもの場所に到着。
途中の海沿いでは、結構風が吹いていたり、潮が流れていたりしたのだが、ここは穏やかで絶好のツーリング日和。
まずは、挨拶をして準備運動。
今年も、毎年この島渡りのサポートをいただき、お世話になっているベテランの方が来てくださった。
ありがたいことである。 そしてなにより、心強い。
PFDの装着状態を確認し、シングル艇を漕ぎたい子供に手を挙げてもらい、これなら大丈夫というペアで舟割りを決めていく。
そして、印刷してきた今日の天気予報、潮汐情報、距離情報を見せながら、ツーリング前のナビゲーション。
いくら小学生を対象としたシーカヤック教室や、その〆としてのツーリングとはいえ、何も考えずに付いて来いというスタイルにはしたくない。
なんと言っても、シーカヤッカーは、自立/自律が基本である。
できる限りの情報を集め、目的意識を持ち、自分たちの力で目的地まで行くのだという事を、実感してもらいたいと思っている。
『じゃあ、出発しようか』 『Yさん、いつものように先頭をお願いします。 私はしんがりを務めますから』
今日は大潮で、特にこの辺りは流れが複雑なので、細心の注意を払って漕ぎ進む。
少し雲があり、潮波も立ってはいるが、絶好のツーリング日和。
一人一人の表情やスピードを確認し、時には声をかけながら漕ぎ進む。
***
タンデム艇の前に乗っていた女の子が少し船酔いしたようだが、無事に島に到着。
今は大潮の満潮なので、浜がない事は織り込み済み。
ここからは、のんびりまったりと島時間を楽しむ。
あるグループは、伴走船に乗って船釣りへ。
他の人々は、竿を取り出し陸釣りを始める。
そして、残った職員さんと子供達は、お昼ご飯の準備を開始。
ここへの島渡りでは、カレーを作るのが定番である。
***
今年は、ご飯は上手く炊けたのだが、カレーの水量が多く、スープカレーの雰囲気。
それでも、海を眺めながら外で食べるカレーは、やっぱりおいしいな。
『ごちそうさまでした!』
***
午後は、潮も引き始め、浜が顔をのぞかせる。
そして、元気な子供達は、初秋の海にサブーン!
たまらず俺も、PFDを付けてザブーン! プカリ、ぷかぷか。
『ああ、気持ちええなあ。 今日の気分は、まだまだ夏やなあ』
***
芸予諸島の晩夏/初秋をたっぷりと堪能。
『じゃあ、そろそろ帰る準備をしようか』 荷物を片付け、記念撮影。
『ここからは、引き潮で追い潮になる。 島の岸に沿って戻りましょう』
帰りは俺が先頭を漕ぎ、ベテランのYさんにしんがりをお願いする。
海は朝よりも穏やかになり、追い潮で、絶好のコンディション。
行きはタンデム艇の前で船酔いになった子も、帰りは自らシングル艇を志願し、ここまで無事に漕いできた。
『すごいじゃない! よう頑張ったなあ。 えらい、えらい』
行きも帰りもシングル艇を漕いだ男の子に、『どうやった?』と聞くと、
『すごい、楽しかったです!』と、満面の笑みで答えてくれる。
このような子供達の成長と、本当によろこんでくれているのが伝わってくる嬉しい反応が、なによりの励み。
7年間続けてきてよかったなあと、心底実感する時である。
シーカヤック教室と〆の島渡りを通じて、参加してくれた子供達も、担当する職員さんも、そしてなにより俺自身も、一歩一歩成長していることが実感できている。
俺が大事にしているテーマである『瀬戸内海洋文化の復興、創造、そして継承』を、実践し続ける事ができている唯一の取り組み。
これからも、大切に続けて行きたいものである。
***
『ようし、ここまで無事に戻って来たよ。 港に入る時が一番危ないんだ。 最後まで、気を抜かずにしっかり漕ごうな』
一夏を一緒に過ごした、かわいいシーカヤック部員達と島渡りを堪能した、至福の休日。
『みんな、本当にありがとう!』
ここ数年は、夏の終わりに近くの島に渡ってカレーを作って食べたり、釣りをしたり、泳いだり、キャッチボールをしたりと、芸予諸島の晩夏/初秋の海を子供達と楽しむのが定番となっている。
今日は、その島渡りの日。 晴れて海が穏やかだといいなあ。
***
朝、いつもの場所に到着。
途中の海沿いでは、結構風が吹いていたり、潮が流れていたりしたのだが、ここは穏やかで絶好のツーリング日和。
まずは、挨拶をして準備運動。
今年も、毎年この島渡りのサポートをいただき、お世話になっているベテランの方が来てくださった。
ありがたいことである。 そしてなにより、心強い。
PFDの装着状態を確認し、シングル艇を漕ぎたい子供に手を挙げてもらい、これなら大丈夫というペアで舟割りを決めていく。
そして、印刷してきた今日の天気予報、潮汐情報、距離情報を見せながら、ツーリング前のナビゲーション。
いくら小学生を対象としたシーカヤック教室や、その〆としてのツーリングとはいえ、何も考えずに付いて来いというスタイルにはしたくない。
なんと言っても、シーカヤッカーは、自立/自律が基本である。
できる限りの情報を集め、目的意識を持ち、自分たちの力で目的地まで行くのだという事を、実感してもらいたいと思っている。
『じゃあ、出発しようか』 『Yさん、いつものように先頭をお願いします。 私はしんがりを務めますから』
今日は大潮で、特にこの辺りは流れが複雑なので、細心の注意を払って漕ぎ進む。
少し雲があり、潮波も立ってはいるが、絶好のツーリング日和。
一人一人の表情やスピードを確認し、時には声をかけながら漕ぎ進む。
***
タンデム艇の前に乗っていた女の子が少し船酔いしたようだが、無事に島に到着。
今は大潮の満潮なので、浜がない事は織り込み済み。
ここからは、のんびりまったりと島時間を楽しむ。
あるグループは、伴走船に乗って船釣りへ。
他の人々は、竿を取り出し陸釣りを始める。
そして、残った職員さんと子供達は、お昼ご飯の準備を開始。
ここへの島渡りでは、カレーを作るのが定番である。
***
今年は、ご飯は上手く炊けたのだが、カレーの水量が多く、スープカレーの雰囲気。
それでも、海を眺めながら外で食べるカレーは、やっぱりおいしいな。
『ごちそうさまでした!』
***
午後は、潮も引き始め、浜が顔をのぞかせる。
そして、元気な子供達は、初秋の海にサブーン!
たまらず俺も、PFDを付けてザブーン! プカリ、ぷかぷか。
『ああ、気持ちええなあ。 今日の気分は、まだまだ夏やなあ』
***
芸予諸島の晩夏/初秋をたっぷりと堪能。
『じゃあ、そろそろ帰る準備をしようか』 荷物を片付け、記念撮影。
『ここからは、引き潮で追い潮になる。 島の岸に沿って戻りましょう』
帰りは俺が先頭を漕ぎ、ベテランのYさんにしんがりをお願いする。
海は朝よりも穏やかになり、追い潮で、絶好のコンディション。
行きはタンデム艇の前で船酔いになった子も、帰りは自らシングル艇を志願し、ここまで無事に漕いできた。
『すごいじゃない! よう頑張ったなあ。 えらい、えらい』
行きも帰りもシングル艇を漕いだ男の子に、『どうやった?』と聞くと、
『すごい、楽しかったです!』と、満面の笑みで答えてくれる。
このような子供達の成長と、本当によろこんでくれているのが伝わってくる嬉しい反応が、なによりの励み。
7年間続けてきてよかったなあと、心底実感する時である。
シーカヤック教室と〆の島渡りを通じて、参加してくれた子供達も、担当する職員さんも、そしてなにより俺自身も、一歩一歩成長していることが実感できている。
俺が大事にしているテーマである『瀬戸内海洋文化の復興、創造、そして継承』を、実践し続ける事ができている唯一の取り組み。
これからも、大切に続けて行きたいものである。
***
『ようし、ここまで無事に戻って来たよ。 港に入る時が一番危ないんだ。 最後まで、気を抜かずにしっかり漕ごうな』
一夏を一緒に過ごした、かわいいシーカヤック部員達と島渡りを堪能した、至福の休日。
『みんな、本当にありがとう!』
2014年9月20日(金) 朝起きると、この週末も休日出勤だという長男を見送り、着替えてコーヒーを楽しむ。
リモワの小さめのキャリーバッグに詰めた荷物をクルマまで運び、ロードスターのトランクへ。
シートに乗り込むと、いつものように手を伸ばして左右のラッチを外し、ソッと幌を下ろす。
ギアがニュートラルである事を確かめ、クラッチを踏み込み、キーを捻ってエンジンを目覚めさせる。
『じゃあ、出発しようか!』 この週末は妻と二人でドライブ旅行。
土曜日の朝の快適な海沿いの国道を走り、まずは広島市内へ。
記念日の朝食は、アンデルセンのモーニングからスタート。
『ああ、やっぱりアンデルセンのパンは美味しいな』
『ほんと、あのゴマが入ったパンがおいしかった』 『俺は、フランスパンの皮の部分があんなに美味しくて驚いたよ』
『ごちそうさまでした』 うん、これはなかなか良いスタートじゃないか。
***
今日の最初の目的地に到着。
角島である。
少し曇りがちではあるが、やはりここの景色は素晴らしい。
ちょうどお昼時。
今日のお昼ご飯は、せっかくだから角島でいただくことにしよう。
俺はイカ刺し定食。
妻は烏賊と雲丹の二色丼。 いつものように、シェアしていただく。
『ごちそうさまでした』
***
角島を出ると、湯本温泉に向けてドライブ。
途中、海沿いの公園でしばし休憩。 ベンチに座り、コンビニで買い込んできたホットコーヒーを飲みながら、景色を堪能。
青い空。 青い海。 秋の心地よい風が吹き抜け、とても心地よい一時である。
***
午後2時。 今日お世話になる宿、大谷山荘の別邸、音信に到着した。
玄関に着いた時には、複数の他のお客さんも少し先に到着されていたようで、クルマがずらり。
BMW、Audi、インフィニティ。。。 いずれも一千万円クラスの高級車ばかりである。 その最後尾に、幌を開けたロードスターの俺たち。
『やっぱり俺たち、ちょっと場違いかなあ』と笑い合う。
ここでは、宿の方が駐車場に廻してくださるので、ここで幌を閉め、荷物を降ろし、キーを付けたままにしてクルマを預ける。
荷物を運んでいただき、茶室へと案内される。
毛氈の上に座ってお菓子を頂き、薄茶をいただく。 至福の二日間の始まりである。
***
部屋に案内していただくと、なんと去年お世話になったのと同じ部屋。
広々として眺めが良く、お気に入りとなった部屋である。 『これはうれしいなあ』
部屋に入るとまずはお風呂へ。 部屋に備え付けられている露天風呂である。
今日一日のオープンドライブの汗をさっと流す。
風呂から上がると、やっぱりまずはビール!
ここ音信では、非日常を楽しんでいただくというコンセプトからか、自動販売機や一般的な売店はなく、ビールやジュース、お茶などの飲み物一式がキッチンに備えられているのである。
冷えたビールを取り出し、きれいに洗われているグラスに注ぐ。
『いただきます!』 ゴク、ゴク、ゴクリ。 プハーッ。 『うん、旨い! ほんま、最高の気分やなあ』
缶ビールを一本飲むと、妻と一緒に大浴場へ。
『じゃあ、適当な時間に上がるよ』 『うん、分かった』
普段なら、何時頃にここで待ち合わせしよう、などと決めるのだが、この宿では二枚のICカードキーを渡してくれるので、お互い気の向くままにお風呂を自由に楽しみ、好きな時間に部屋に戻る事ができるのだ。
また、ここ音信は、広い空間に18部屋しか備えられておらず、廊下やエレベータで他のお客さんとすれ違ったりすることもほとんどない。
静かな空間で、のんびりまったりと自分たちのペースで楽しむ事ができるのが、本当に心地よいのである。
そしてスリッパを履かなくてよいのも、快適に過ごせる要因の一つ。
部屋に備えられた足袋を履き、きれいに掃除された廊下を浴衣と足袋で歩くのだ。 まるで、自宅で過ごしているような快適さ。
それら全ての心遣いが素晴らしい。
大浴場で、露天風呂と岩盤浴を楽しみ、部屋に戻る。
そして、再び風呂上がりのビール。 至福の一時。
***
『ちょっと、下に降りてみようか』
1Fには、本やDVD、CDなどが置かれたスペースがあり、ソファーや自分たちの部屋で自由に楽しむ事ができるのである。
本を物色していると、『ジュースでも如何ですか?』と声をかけていただき、『はい、いただきます』ということでソファーに座り、ジュースをいただきながら本を開く。
『どうもごちそうさまでした』
別の本を持って部屋に戻る。
夕食の時間まで、しばし読書の一時。
***
午後6時半。 部屋のチャイムが鳴る。 『夕食の準備をさせていただきます』
今回は、部屋食のプランを選んでみたのである。
今日の献立。
こちらの宿では、四季折々の食材が使われるという事で、今回はどんな料理がいただけるのか、とても楽しみにしているのである。
まずは妻とビールで乾杯! 『おめでとう。 そして、これからもよろしくな』
今回は、好きなクラシックのCDを家から持参してきたので、それを適度な音量で流しながら、妻と二人で向かい合い、静かで豪華な夕食の一時。
一つ一つの料理は、きれいに盛りつけられ、舌だけでなく目でも楽しむ事ができる。
土瓶蒸し。
今年初の松茸である! 『うーん、いいお味だなあ』
刺身は、もちろん最高。 雲丹がまったり濃厚で素晴らしい後味。
これは、日本酒にしなければ。
この宿でいただくのは、昨年に引き続き『獺祭』 日本酒が苦手な妻も、このお酒は美味しいとのこと。
肉は、”百姓の塩”で。
ふくの唐揚げ。
出汁にこだわっておられるとの事で、薄味でも味の奥深さが堪能できる。
『ごちそうさまでした』 6時半から始まった夕食が終わったのは、なんと9時前であった。 あっという間の至福の一時。
お世話してくださった方に、『いやあ、部屋食にして良かったです。 また来年来れたら、ぜひまた部屋食でゆっくり楽しみたいですね』
この宿では初めての部屋食であったが、広々とした部屋で自分たちの好きな音楽を聴きながらゆっくりと食事を楽しむ事ができる事に加え、夕食のお世話をしてくださった担当の方の様々な気配りや楽しい会話もあり、たっぷり2時間の夕食を心から堪能する事ができた。
***
2014年9月21日(日) 朝目覚めると、カーテンの外からうっすらと日差しが差し込む。
電動カーテンを開け、お気に入りの景色を目の前に。
妻と二人、大浴場で朝風呂を堪能。
8時から朝食。 朝食の会場へ。
ここは広い会場ではあるが、テーブルごとに仕切られており、静かに食事を楽しむ事ができるのだ。
窓からは、大谷山荘とプールが見える。
運ばれてきた朝食は、朝からとても充実したメニューである。
そして、運んできてくださった方を見ると、見覚えのある顔である。
『去年来た時も、あなたに朝食のお世話をしていただきましたね』 するとその方も、『見覚えがある方だなと思っていました』
『その時、シーカヤックの話をしたんです』 『はい、覚えています。 確か去年は11月に来られて、あちらのスペースでしたよね』
『はい。 あのときはいろいろな話をさせていただき、”また来年もぜひいらしてくださいね”って言ってくださり、俺たちも、来年来てあなたに会えるのを楽しみにしていますって話したんで、今回もお会いできて本当に嬉しいです』
『私も、どこかで見覚えが。。。って、なんだかモヤモヤしていたので、声をかけていただいて良かったです』
おいしい朝食をゆっくりと楽しみ、食後のコーヒーも頂いて部屋に戻る。
お気に入りのCDを聞きながらマッサージ椅子でリラックスし、部屋の露天風呂に入り、コーヒーをゆっくりと飲む。
11時前。 荷物をまとめて部屋を出る。
チェックアウトし、クルマが玄関に廻されるのを待つ。
『お車の準備ができました』 荷物を持ってクルマまで案内してくださったのは、夕食のお世話をしてくださった方と、去年に引き続き朝食の時にお世話になった方。
『また来年も来られるように、仕事がんばりますよ!』と笑う。 『ええ、またぜひいらしてください』
クルマに乗り込み、幌を開けて出発。
家の近くまで戻り、ガソリンを入れると。。。
500kmちょっと走り、燃費は17.17km/L。 ハイブリッドでもアイドルストップでもない、総走行距離16万km近いクルマにしては良い燃費!
***
大切な妻の記念日を、とっておきの宿、音信さんで過ごす事ができた。 妻も喜んでくれたようだ。
『いやあ、やっぱりここの宿は最高だね。 年に一度の贅沢。 来年もまたぜひ来ようね』
『来れるかな?』 『うん、来られるように頑張るよ!』
リモワの小さめのキャリーバッグに詰めた荷物をクルマまで運び、ロードスターのトランクへ。
シートに乗り込むと、いつものように手を伸ばして左右のラッチを外し、ソッと幌を下ろす。
ギアがニュートラルである事を確かめ、クラッチを踏み込み、キーを捻ってエンジンを目覚めさせる。
『じゃあ、出発しようか!』 この週末は妻と二人でドライブ旅行。
土曜日の朝の快適な海沿いの国道を走り、まずは広島市内へ。
記念日の朝食は、アンデルセンのモーニングからスタート。
『ああ、やっぱりアンデルセンのパンは美味しいな』
『ほんと、あのゴマが入ったパンがおいしかった』 『俺は、フランスパンの皮の部分があんなに美味しくて驚いたよ』
『ごちそうさまでした』 うん、これはなかなか良いスタートじゃないか。
***
今日の最初の目的地に到着。
角島である。
少し曇りがちではあるが、やはりここの景色は素晴らしい。
ちょうどお昼時。
今日のお昼ご飯は、せっかくだから角島でいただくことにしよう。
俺はイカ刺し定食。
妻は烏賊と雲丹の二色丼。 いつものように、シェアしていただく。
『ごちそうさまでした』
***
角島を出ると、湯本温泉に向けてドライブ。
途中、海沿いの公園でしばし休憩。 ベンチに座り、コンビニで買い込んできたホットコーヒーを飲みながら、景色を堪能。
青い空。 青い海。 秋の心地よい風が吹き抜け、とても心地よい一時である。
***
午後2時。 今日お世話になる宿、大谷山荘の別邸、音信に到着した。
玄関に着いた時には、複数の他のお客さんも少し先に到着されていたようで、クルマがずらり。
BMW、Audi、インフィニティ。。。 いずれも一千万円クラスの高級車ばかりである。 その最後尾に、幌を開けたロードスターの俺たち。
『やっぱり俺たち、ちょっと場違いかなあ』と笑い合う。
ここでは、宿の方が駐車場に廻してくださるので、ここで幌を閉め、荷物を降ろし、キーを付けたままにしてクルマを預ける。
荷物を運んでいただき、茶室へと案内される。
毛氈の上に座ってお菓子を頂き、薄茶をいただく。 至福の二日間の始まりである。
***
部屋に案内していただくと、なんと去年お世話になったのと同じ部屋。
広々として眺めが良く、お気に入りとなった部屋である。 『これはうれしいなあ』
部屋に入るとまずはお風呂へ。 部屋に備え付けられている露天風呂である。
今日一日のオープンドライブの汗をさっと流す。
風呂から上がると、やっぱりまずはビール!
ここ音信では、非日常を楽しんでいただくというコンセプトからか、自動販売機や一般的な売店はなく、ビールやジュース、お茶などの飲み物一式がキッチンに備えられているのである。
冷えたビールを取り出し、きれいに洗われているグラスに注ぐ。
『いただきます!』 ゴク、ゴク、ゴクリ。 プハーッ。 『うん、旨い! ほんま、最高の気分やなあ』
缶ビールを一本飲むと、妻と一緒に大浴場へ。
『じゃあ、適当な時間に上がるよ』 『うん、分かった』
普段なら、何時頃にここで待ち合わせしよう、などと決めるのだが、この宿では二枚のICカードキーを渡してくれるので、お互い気の向くままにお風呂を自由に楽しみ、好きな時間に部屋に戻る事ができるのだ。
また、ここ音信は、広い空間に18部屋しか備えられておらず、廊下やエレベータで他のお客さんとすれ違ったりすることもほとんどない。
静かな空間で、のんびりまったりと自分たちのペースで楽しむ事ができるのが、本当に心地よいのである。
そしてスリッパを履かなくてよいのも、快適に過ごせる要因の一つ。
部屋に備えられた足袋を履き、きれいに掃除された廊下を浴衣と足袋で歩くのだ。 まるで、自宅で過ごしているような快適さ。
それら全ての心遣いが素晴らしい。
大浴場で、露天風呂と岩盤浴を楽しみ、部屋に戻る。
そして、再び風呂上がりのビール。 至福の一時。
***
『ちょっと、下に降りてみようか』
1Fには、本やDVD、CDなどが置かれたスペースがあり、ソファーや自分たちの部屋で自由に楽しむ事ができるのである。
本を物色していると、『ジュースでも如何ですか?』と声をかけていただき、『はい、いただきます』ということでソファーに座り、ジュースをいただきながら本を開く。
『どうもごちそうさまでした』
別の本を持って部屋に戻る。
夕食の時間まで、しばし読書の一時。
***
午後6時半。 部屋のチャイムが鳴る。 『夕食の準備をさせていただきます』
今回は、部屋食のプランを選んでみたのである。
今日の献立。
こちらの宿では、四季折々の食材が使われるという事で、今回はどんな料理がいただけるのか、とても楽しみにしているのである。
まずは妻とビールで乾杯! 『おめでとう。 そして、これからもよろしくな』
今回は、好きなクラシックのCDを家から持参してきたので、それを適度な音量で流しながら、妻と二人で向かい合い、静かで豪華な夕食の一時。
一つ一つの料理は、きれいに盛りつけられ、舌だけでなく目でも楽しむ事ができる。
土瓶蒸し。
今年初の松茸である! 『うーん、いいお味だなあ』
刺身は、もちろん最高。 雲丹がまったり濃厚で素晴らしい後味。
これは、日本酒にしなければ。
この宿でいただくのは、昨年に引き続き『獺祭』 日本酒が苦手な妻も、このお酒は美味しいとのこと。
肉は、”百姓の塩”で。
ふくの唐揚げ。
出汁にこだわっておられるとの事で、薄味でも味の奥深さが堪能できる。
『ごちそうさまでした』 6時半から始まった夕食が終わったのは、なんと9時前であった。 あっという間の至福の一時。
お世話してくださった方に、『いやあ、部屋食にして良かったです。 また来年来れたら、ぜひまた部屋食でゆっくり楽しみたいですね』
この宿では初めての部屋食であったが、広々とした部屋で自分たちの好きな音楽を聴きながらゆっくりと食事を楽しむ事ができる事に加え、夕食のお世話をしてくださった担当の方の様々な気配りや楽しい会話もあり、たっぷり2時間の夕食を心から堪能する事ができた。
***
2014年9月21日(日) 朝目覚めると、カーテンの外からうっすらと日差しが差し込む。
電動カーテンを開け、お気に入りの景色を目の前に。
妻と二人、大浴場で朝風呂を堪能。
8時から朝食。 朝食の会場へ。
ここは広い会場ではあるが、テーブルごとに仕切られており、静かに食事を楽しむ事ができるのだ。
窓からは、大谷山荘とプールが見える。
運ばれてきた朝食は、朝からとても充実したメニューである。
そして、運んできてくださった方を見ると、見覚えのある顔である。
『去年来た時も、あなたに朝食のお世話をしていただきましたね』 するとその方も、『見覚えがある方だなと思っていました』
『その時、シーカヤックの話をしたんです』 『はい、覚えています。 確か去年は11月に来られて、あちらのスペースでしたよね』
『はい。 あのときはいろいろな話をさせていただき、”また来年もぜひいらしてくださいね”って言ってくださり、俺たちも、来年来てあなたに会えるのを楽しみにしていますって話したんで、今回もお会いできて本当に嬉しいです』
『私も、どこかで見覚えが。。。って、なんだかモヤモヤしていたので、声をかけていただいて良かったです』
おいしい朝食をゆっくりと楽しみ、食後のコーヒーも頂いて部屋に戻る。
お気に入りのCDを聞きながらマッサージ椅子でリラックスし、部屋の露天風呂に入り、コーヒーをゆっくりと飲む。
11時前。 荷物をまとめて部屋を出る。
チェックアウトし、クルマが玄関に廻されるのを待つ。
『お車の準備ができました』 荷物を持ってクルマまで案内してくださったのは、夕食のお世話をしてくださった方と、去年に引き続き朝食の時にお世話になった方。
『また来年も来られるように、仕事がんばりますよ!』と笑う。 『ええ、またぜひいらしてください』
クルマに乗り込み、幌を開けて出発。
家の近くまで戻り、ガソリンを入れると。。。
500kmちょっと走り、燃費は17.17km/L。 ハイブリッドでもアイドルストップでもない、総走行距離16万km近いクルマにしては良い燃費!
***
大切な妻の記念日を、とっておきの宿、音信さんで過ごす事ができた。 妻も喜んでくれたようだ。
『いやあ、やっぱりここの宿は最高だね。 年に一度の贅沢。 来年もまたぜひ来ようね』
『来れるかな?』 『うん、来られるように頑張るよ!』
ある日のこと。
夕方、会議が終わって事務所に戻るため社内バスに乗っていたら、向かい側の席に座っておられた方が突然私の横に移動され、『シーカヤックのNさんですよね?』と話しかけられた。
少し戸惑いながらも、『ええ、そうですが。。。』
おそらく名札も見ておられたのだとは思うが、『色黒で坊主頭、そしてその時計で分かりました』
まさかこんな所でと、俺は驚くとともに苦笑い!
***
お話を伺うと、最近シーカヤックを始められ、また私のブログも見ていただいているとの事。
そこからは、短い時間ではあるが、しばし歓談。
私は、『実はかなり以前、会議で一度同席した事がありましたね』『へえ、そうなんですか』
その後、自転車仲間の方々が、最近シーカヤックを始められた事や、私の事をご存知だということなどなどを伺う。
『それにしても、社内でもブログを見ていただいている方が居られるのですね。 なんだか恥ずかしいなあ。 それに、社内って以外と狭いもんですねえ』
バスを降りるとき、『せっかくのご縁ですから、機会を作って一度ご一緒しますか?』 『ええ、ぜひ』
『カヤック含めて道具は一式準備できますから。 また連絡します』
***
2014年9月13日(土) 音戸大橋の駐車場で待ち合わせ。
今日は、久々にシングル艇を2艇積み。
少し風はあるが、秋晴れの絶好のツーリング日和である。
9時半前。 到着され、挨拶を交わし、私のクルマに乗り換えていただいて、今日の出艇地へ。
『晴れてはいるんですが、少し風があるので、今日の風向きでも漕ぎ易いエリアに行きましょう』
ここは、俺のお気に入りのエリア。 日帰りツーリングでは良く訪れる場所である。
カヤックを浜に降ろし、ドリンクとお弁当を積み込むと出発だ。
ソロツーリング派の俺にしては珍しく、久々に他の方と一緒に出掛けるツーリング。
今日の空は青く澄み、空気はスッキリ。
まさに、秋を感じる芸予諸島ツーリングである。
途中、向かい風や少しの波も楽しみながらのパドリング。
11時半頃には、お昼ご飯を食べるために浜に上陸した。
***
流木に座り、蒼い海と青い空を眺めながら、お弁当を食べ、四方山話を楽しむ。
『このエリアは、シーカヤックを始めた頃から通っていて、いまだに自然海岸がたっぷりと残るお気に入りの場所なんです』
『昔は、妻と子供達を浜で遊ばせておいて、一人で島まで渡ったり、子供が大きくなった後は、彼らと漕ぎにきて海遊びしたり。 潜って魚を突いてもいいし、釣りもできる』
『海の水もきれいでしょう?』
私はその方から、シーカヤックを始められた経緯や、長くやっておられる自転車のお話を伺った。
『ここには、俺のぬいぐるみがあるんですよ』
『ここまで持ってきたんですか?』 『まさか! 浜で拾って、雨風で流されないように、ここに避難させたんですよ』と笑う。
***
『せっかくですから、もう少し漕いでみますか』
『少し南下して、あの岩まで行ってみましょう』
『あの島を一周して帰りますか』
朝の風も治まり、穏やかな芸予諸島。
”芸予ブルー”も美しい、最高のツーリング日和になった。
『お疲れさまでした。 良いツーリングでしたね』
***
カヤックをカートップし、温泉に移動。
露天風呂につかりながら、またまた四方山話。
無事、音戸大橋の駐車場に戻る。
『今日は楽しかったですよ。 また、機会を作って漕ぎましょう』
家に戻ると、カヤックを降ろし、道具を潮抜きして干す。
『いやあ、今日は楽しんでもらえたようだし、秋晴れになって本当に良かったなあ』
『さて、夜は久し振りに家族で焼き肉にでも行くか』 ツーリングの後のビール、いやあ、こりゃあ楽しみだ!
夕方、会議が終わって事務所に戻るため社内バスに乗っていたら、向かい側の席に座っておられた方が突然私の横に移動され、『シーカヤックのNさんですよね?』と話しかけられた。
少し戸惑いながらも、『ええ、そうですが。。。』
おそらく名札も見ておられたのだとは思うが、『色黒で坊主頭、そしてその時計で分かりました』
まさかこんな所でと、俺は驚くとともに苦笑い!
***
お話を伺うと、最近シーカヤックを始められ、また私のブログも見ていただいているとの事。
そこからは、短い時間ではあるが、しばし歓談。
私は、『実はかなり以前、会議で一度同席した事がありましたね』『へえ、そうなんですか』
その後、自転車仲間の方々が、最近シーカヤックを始められた事や、私の事をご存知だということなどなどを伺う。
『それにしても、社内でもブログを見ていただいている方が居られるのですね。 なんだか恥ずかしいなあ。 それに、社内って以外と狭いもんですねえ』
バスを降りるとき、『せっかくのご縁ですから、機会を作って一度ご一緒しますか?』 『ええ、ぜひ』
『カヤック含めて道具は一式準備できますから。 また連絡します』
***
2014年9月13日(土) 音戸大橋の駐車場で待ち合わせ。
今日は、久々にシングル艇を2艇積み。
少し風はあるが、秋晴れの絶好のツーリング日和である。
9時半前。 到着され、挨拶を交わし、私のクルマに乗り換えていただいて、今日の出艇地へ。
『晴れてはいるんですが、少し風があるので、今日の風向きでも漕ぎ易いエリアに行きましょう』
ここは、俺のお気に入りのエリア。 日帰りツーリングでは良く訪れる場所である。
カヤックを浜に降ろし、ドリンクとお弁当を積み込むと出発だ。
ソロツーリング派の俺にしては珍しく、久々に他の方と一緒に出掛けるツーリング。
今日の空は青く澄み、空気はスッキリ。
まさに、秋を感じる芸予諸島ツーリングである。
途中、向かい風や少しの波も楽しみながらのパドリング。
11時半頃には、お昼ご飯を食べるために浜に上陸した。
***
流木に座り、蒼い海と青い空を眺めながら、お弁当を食べ、四方山話を楽しむ。
『このエリアは、シーカヤックを始めた頃から通っていて、いまだに自然海岸がたっぷりと残るお気に入りの場所なんです』
『昔は、妻と子供達を浜で遊ばせておいて、一人で島まで渡ったり、子供が大きくなった後は、彼らと漕ぎにきて海遊びしたり。 潜って魚を突いてもいいし、釣りもできる』
『海の水もきれいでしょう?』
私はその方から、シーカヤックを始められた経緯や、長くやっておられる自転車のお話を伺った。
『ここには、俺のぬいぐるみがあるんですよ』
『ここまで持ってきたんですか?』 『まさか! 浜で拾って、雨風で流されないように、ここに避難させたんですよ』と笑う。
***
『せっかくですから、もう少し漕いでみますか』
『少し南下して、あの岩まで行ってみましょう』
『あの島を一周して帰りますか』
朝の風も治まり、穏やかな芸予諸島。
”芸予ブルー”も美しい、最高のツーリング日和になった。
『お疲れさまでした。 良いツーリングでしたね』
***
カヤックをカートップし、温泉に移動。
露天風呂につかりながら、またまた四方山話。
無事、音戸大橋の駐車場に戻る。
『今日は楽しかったですよ。 また、機会を作って漕ぎましょう』
家に戻ると、カヤックを降ろし、道具を潮抜きして干す。
『いやあ、今日は楽しんでもらえたようだし、秋晴れになって本当に良かったなあ』
『さて、夜は久し振りに家族で焼き肉にでも行くか』 ツーリングの後のビール、いやあ、こりゃあ楽しみだ!
地元呉を出発し、尺取り虫方式で兵庫県の姫路までを目指す旅。
これまで3回の旅で、瀬戸大橋を越えて岡山県の児島までたどり着いていた。
その後、スウェーデン旅行があるなどしているうちに夏になり、海水浴のシーズンへ。
この時期は、暑い事に加えてキャンプ地となる浜が海水浴で使えなくなる事もあり、恒例の『夏のシーカヤック教室』を活動のメインにして、秋がくるのを待ち構えていたのである。
2014年9月5日(金) 今日は久し振りの有給休暇。 週末の天気予報もまずまずなので、瀬戸内横断旅を再開しようか。
クルーソー460とキャンプ道具、お気に入りのパドルである『アークティックウインド』と共に旅に出る。
久し振りの『尺取り虫旅』 やっぱ、ワクワクするなあ!
最寄りの駅までタクシーで移動し、そこからJRを乗り継いで児島へと向かう。
新幹線を使えば早いのだが、今日は移動だけの設定なので、ゆっくりと普通列車の旅を楽しむ事にした。
まずは呉線で三原まで。
そこからは山陽本線に乗り換えて岡山へ。
岡山からは、児島行きの普通列車に乗ってみた。
4時間ちょっとの列車旅。
呉線では海の景色を楽しみ、岡山までは本を開き、児島までの短い時間は普段見る事のない車窓の景色を堪能した。
鈍行列車の旅も良いものである。
***
戻ってきました、前回ゴールした児島へ。
今日は、明日の出艇にもちょうどよい宿を予約済み。
送迎のマイクロバスに荷物を積み込む。
部屋からは、瀬戸大橋も見える。 目の前は、前回ゴールした浜。
***
早めのチェックインだったので、まだまだ時間がある。
重たいカヤック道具一式も宿に預けたので、児島の町を散策してみる事に。
ホテルの前から、循環バスに乗る。
よく見ると、バスの運転手さんのズボンがジーパンである。 これって制服?
町を走っているEVタクシーもジーンズ模様。
名前だけは聞いていたジーンズストリートへ。
狭いながらも、こじんまりとしてなかなか良い雰囲気の通りであった。
***
本当は、町で一杯飲んで帰ろうと思っていたのだが、決めていた店に行ってみると、『今日は予約で一杯なもので。。。』
ということで、スーパーで晩ご飯とビールを買い込みホテルへと戻る。
帰りは、17時半過ぎの最終の循環バス。
このバスは、瀬戸大橋の眺めが良いルートを走るので、なかなかのお気に入り。
宿に戻り、お風呂で汗を流し、部屋に戻って買い込んで来た晩ご飯。
***
2014年9月6日(土) 朝起きると、いつものように5時前。
天気予報をチェックし、温かいお茶を入れて飲み、しばしのんびり。
5時45分になると、フロントへ行き、昨日預けておいたカヤックを受け取る。
『浜へはどっから行けば良いですか?』 『はい。 一旦外に出ていただいて、観光船乗り場の方に行っていただければ』
浜へ降り、久し振りに引っ張りだすクルーソー460を組み立てる。
今日は朝から蒸し暑く、すぐに汗がダラダラ、ポタポタと流れ出す。
後はパッキングするだけにして、一旦完成。
部屋に戻ると、着替えを持って朝風呂へ! 『あー、気持ちええなあ!!!』
こういう時に、尺取り虫旅の途中で、宿に泊まっているのは良いものであるというのを実感する。
***
7時からの朝食はバイキング。
海を眺める事ができる席に座り、いつもよりしっかりと朝ご飯をいただく。
普段なら、ご飯は茶碗に軽く一杯なのだが、今日はこれから長い漕ぎ旅。 おかずと味噌汁に加え、タマゴ掛けご飯に納豆を加えたものを二杯いただいた。
久し振りのお変わりである。 『あー、お腹いっぱい。 ごちそうさまでした』
部屋に戻ると荷物をパッキングし、チェックアウトして浜へ。
キャンプ道具と行動食、晩ご飯&朝ご飯を積み込んで、8時前に出発した。
***
今日は、午後2時過ぎまで下げ潮であり、つまりは追い潮で漕ぎ進む事ができる。
所々潮がきつい場所を漕ぎ抜けながら、東へと進んでいく。
今日は天気が穏やかなので、沿岸沿いではなく最短距離でショートカットしていく。
潮も良く、快調なパドリング。
ただ、とても蒸し暑く、漕いでいると汗が流れてくる。 『海水浴シーズンは終わったけれど、まだまだ夏なんだなあ』
ペットボトルのお茶は準備していたのだが、この蒸し暑さと発汗ではとても足りないという事で、途中の渋川海岸に立ち寄り、ドリンクを買い足す。
疲れたときにはコーラとビタミンC&炭酸系。
***
順調に漕ぎ進み、久し振りの景色を堪能。
玉野では、ちょっと上陸して休憩。
歩いてみると、競輪場が。
印刷してきた地図を開き、今日の予定を検討する。
今回の案は二つ。
一つは、一泊二日で宇野までのんびり漕いでゴール。
宇野であれば、JRの駅が近いので今回の撤収と次回のスタートが楽である。
二つ目の案は、二日で約50kmを漕いで牛窓でゴールするというもの。
牛窓の場合、JRの駅から遠いので不便ではあるが、姫路まで行く事を考えると、今回頑張っておけば次回以降の予定が楽になる。
***
今日は蒸し暑くはあるけれど、体調も良くまだまだ漕げる感じ。
せっかくだから、牛窓コースにしてみようか!
再び漕ぎだし、東へ。
このエリアは、きれいな小島が点在し、なかなか良い雰囲気。 今回一番のお気に入りエリアとなった。
途中の浜では、しばしカヤックを引き上げ、オーバーヒートした体を海に浸してクールダウン。
『あー、やっぱり海は気持ちええなあ』
***
今日のキャンプ予定地は宝伝海水浴場だったのだが、その手前から雲行きが怪しくなり、果ては遠くで雷が鳴りだす始末。
『こりゃいかん』
予定していた宝伝は、もう岬一つ越えた所にあるのだが、そんな事は言っていられない緊急事態。 安全第一である。
テントを張ると、流木を利用して小さなキッチンをしつらえる。
今日は、店もない浜でキャンプする予定だったので、ビールから食材まで、一式そろえて来たのが役に立った。
落ち着くと、まずは妻に無事メール。
その後、お湯を沸かしてまずはカップラーメン。 疲れた体に、温かいラーメンが染み渡る。 『うん、美味い』
クーラーから取り出した、冷えていないビールをゴクリ。 『うん、冷えてはいないがやっぱ漕いだ後はビールだなあ!』
その後、レトルトのカレーを温め、昨日買い込んでソフトクーラーで保存していたコロッケを食べる。
やっぱ、キャンプの時のカレーは最高だ!
***
そうこうしていると、雲行きがさらに怪しくなって来た。
『こりゃ、やべえなあ』
ぽつり、ポツリと雨が落ち始める。 テントの中に避難する。
外は雨模様。
布切れ一枚で、ギリギリ一人分の狭いスペースだが、こんな雨の日のテントは本当にありがたいものである。
***
尺取り虫旅で俺が愛用しているのは、ICIのゴアライト。
コンパクトでカヤック旅にぴったりな事に加え、フライシートがないので風が強い日でも設営や撤収が楽なのがお気に入りで、もう17-18年愛用しているテントである。
10年前の瀬戸内横断尺取り虫の旅も、このテントにお世話になった。
でもさすがに草臥れて来たのか、今日の激しい雨で、あちらこちらから雨粒が染みだしてくる。 そして時には天井からポタリ。
『うん、そろそろ買い替え時だな。 でも、よく頑張ってくれたよなあ。 ありがとう!』
***
2014年9月7日(日) テントのフロアが水浸しになりながらも、なんとか快適に眠る事ができた。
朝は、いつものように5時に目が覚める。
テントからはい出し、お湯を沸かしてまずは温かい味噌汁で体をあたためる。
朝食は、買い込んで来ていたパン。 海を眺めながら、パンをかじり、天気予報を確認した。
食事を終えると、濡れたテントやマットを片付け、カヤックにパッキングしていく。
『さあ、今日は牛窓まで約2時間のパドリングだ!』
7時前には漕ぎだした。
***
海は穏やかで、空気も昨日とは入れ替わった様子。
風も心地よく、かすかに秋の雰囲気。
朝方は曇り空だったが、次第に青空も覗いてきた。
牛窓の町が見え始める。
しばしパドリングを停め、水分を補給し、アンパンでエネルギーを補給。
***
約2時間ほどで、牛窓へ。
前島との間の狭い瀬戸を追い潮で抜け、
小さなスロープにカヤックを引き揚げる。
荷物を片付け、カヤックをパッキング。
折り畳んだクルーソー460をゴロゴロと引っ張りながら、牛窓の町を抜けていく。
どうやら今は、ひな飾りを公開しているらしい。
観光案内所の所まで行き、タクシーを呼ぶ。
邑久駅まで、タクシーで移動。 料金は3,000円ちょっとである。
なかなか良い雰囲気のローカル駅である。
岡山駅からは新幹線。
車内販売でエビスビールを買い、一人で乾杯!
あっと言う間に広島へ。
***
ようやく秋が来て、『旅するシーカヤック』の季節が戻って来た。
その第一弾として実行した今回の尺取り虫旅。 児島からスタートし、目的地であった牛窓まで無事にゴールする事ができた。
さて、次回は10月かな? 牛窓からでて、どこまで行こうか? 楽しみだ!
これまで3回の旅で、瀬戸大橋を越えて岡山県の児島までたどり着いていた。
その後、スウェーデン旅行があるなどしているうちに夏になり、海水浴のシーズンへ。
この時期は、暑い事に加えてキャンプ地となる浜が海水浴で使えなくなる事もあり、恒例の『夏のシーカヤック教室』を活動のメインにして、秋がくるのを待ち構えていたのである。
2014年9月5日(金) 今日は久し振りの有給休暇。 週末の天気予報もまずまずなので、瀬戸内横断旅を再開しようか。
クルーソー460とキャンプ道具、お気に入りのパドルである『アークティックウインド』と共に旅に出る。
久し振りの『尺取り虫旅』 やっぱ、ワクワクするなあ!
最寄りの駅までタクシーで移動し、そこからJRを乗り継いで児島へと向かう。
新幹線を使えば早いのだが、今日は移動だけの設定なので、ゆっくりと普通列車の旅を楽しむ事にした。
まずは呉線で三原まで。
そこからは山陽本線に乗り換えて岡山へ。
岡山からは、児島行きの普通列車に乗ってみた。
4時間ちょっとの列車旅。
呉線では海の景色を楽しみ、岡山までは本を開き、児島までの短い時間は普段見る事のない車窓の景色を堪能した。
鈍行列車の旅も良いものである。
***
戻ってきました、前回ゴールした児島へ。
今日は、明日の出艇にもちょうどよい宿を予約済み。
送迎のマイクロバスに荷物を積み込む。
部屋からは、瀬戸大橋も見える。 目の前は、前回ゴールした浜。
***
早めのチェックインだったので、まだまだ時間がある。
重たいカヤック道具一式も宿に預けたので、児島の町を散策してみる事に。
ホテルの前から、循環バスに乗る。
よく見ると、バスの運転手さんのズボンがジーパンである。 これって制服?
町を走っているEVタクシーもジーンズ模様。
名前だけは聞いていたジーンズストリートへ。
狭いながらも、こじんまりとしてなかなか良い雰囲気の通りであった。
***
本当は、町で一杯飲んで帰ろうと思っていたのだが、決めていた店に行ってみると、『今日は予約で一杯なもので。。。』
ということで、スーパーで晩ご飯とビールを買い込みホテルへと戻る。
帰りは、17時半過ぎの最終の循環バス。
このバスは、瀬戸大橋の眺めが良いルートを走るので、なかなかのお気に入り。
宿に戻り、お風呂で汗を流し、部屋に戻って買い込んで来た晩ご飯。
***
2014年9月6日(土) 朝起きると、いつものように5時前。
天気予報をチェックし、温かいお茶を入れて飲み、しばしのんびり。
5時45分になると、フロントへ行き、昨日預けておいたカヤックを受け取る。
『浜へはどっから行けば良いですか?』 『はい。 一旦外に出ていただいて、観光船乗り場の方に行っていただければ』
浜へ降り、久し振りに引っ張りだすクルーソー460を組み立てる。
今日は朝から蒸し暑く、すぐに汗がダラダラ、ポタポタと流れ出す。
後はパッキングするだけにして、一旦完成。
部屋に戻ると、着替えを持って朝風呂へ! 『あー、気持ちええなあ!!!』
こういう時に、尺取り虫旅の途中で、宿に泊まっているのは良いものであるというのを実感する。
***
7時からの朝食はバイキング。
海を眺める事ができる席に座り、いつもよりしっかりと朝ご飯をいただく。
普段なら、ご飯は茶碗に軽く一杯なのだが、今日はこれから長い漕ぎ旅。 おかずと味噌汁に加え、タマゴ掛けご飯に納豆を加えたものを二杯いただいた。
久し振りのお変わりである。 『あー、お腹いっぱい。 ごちそうさまでした』
部屋に戻ると荷物をパッキングし、チェックアウトして浜へ。
キャンプ道具と行動食、晩ご飯&朝ご飯を積み込んで、8時前に出発した。
***
今日は、午後2時過ぎまで下げ潮であり、つまりは追い潮で漕ぎ進む事ができる。
所々潮がきつい場所を漕ぎ抜けながら、東へと進んでいく。
今日は天気が穏やかなので、沿岸沿いではなく最短距離でショートカットしていく。
潮も良く、快調なパドリング。
ただ、とても蒸し暑く、漕いでいると汗が流れてくる。 『海水浴シーズンは終わったけれど、まだまだ夏なんだなあ』
ペットボトルのお茶は準備していたのだが、この蒸し暑さと発汗ではとても足りないという事で、途中の渋川海岸に立ち寄り、ドリンクを買い足す。
疲れたときにはコーラとビタミンC&炭酸系。
***
順調に漕ぎ進み、久し振りの景色を堪能。
玉野では、ちょっと上陸して休憩。
歩いてみると、競輪場が。
印刷してきた地図を開き、今日の予定を検討する。
今回の案は二つ。
一つは、一泊二日で宇野までのんびり漕いでゴール。
宇野であれば、JRの駅が近いので今回の撤収と次回のスタートが楽である。
二つ目の案は、二日で約50kmを漕いで牛窓でゴールするというもの。
牛窓の場合、JRの駅から遠いので不便ではあるが、姫路まで行く事を考えると、今回頑張っておけば次回以降の予定が楽になる。
***
今日は蒸し暑くはあるけれど、体調も良くまだまだ漕げる感じ。
せっかくだから、牛窓コースにしてみようか!
再び漕ぎだし、東へ。
このエリアは、きれいな小島が点在し、なかなか良い雰囲気。 今回一番のお気に入りエリアとなった。
途中の浜では、しばしカヤックを引き上げ、オーバーヒートした体を海に浸してクールダウン。
『あー、やっぱり海は気持ちええなあ』
***
今日のキャンプ予定地は宝伝海水浴場だったのだが、その手前から雲行きが怪しくなり、果ては遠くで雷が鳴りだす始末。
『こりゃいかん』
予定していた宝伝は、もう岬一つ越えた所にあるのだが、そんな事は言っていられない緊急事態。 安全第一である。
テントを張ると、流木を利用して小さなキッチンをしつらえる。
今日は、店もない浜でキャンプする予定だったので、ビールから食材まで、一式そろえて来たのが役に立った。
落ち着くと、まずは妻に無事メール。
その後、お湯を沸かしてまずはカップラーメン。 疲れた体に、温かいラーメンが染み渡る。 『うん、美味い』
クーラーから取り出した、冷えていないビールをゴクリ。 『うん、冷えてはいないがやっぱ漕いだ後はビールだなあ!』
その後、レトルトのカレーを温め、昨日買い込んでソフトクーラーで保存していたコロッケを食べる。
やっぱ、キャンプの時のカレーは最高だ!
***
そうこうしていると、雲行きがさらに怪しくなって来た。
『こりゃ、やべえなあ』
ぽつり、ポツリと雨が落ち始める。 テントの中に避難する。
外は雨模様。
布切れ一枚で、ギリギリ一人分の狭いスペースだが、こんな雨の日のテントは本当にありがたいものである。
***
尺取り虫旅で俺が愛用しているのは、ICIのゴアライト。
コンパクトでカヤック旅にぴったりな事に加え、フライシートがないので風が強い日でも設営や撤収が楽なのがお気に入りで、もう17-18年愛用しているテントである。
10年前の瀬戸内横断尺取り虫の旅も、このテントにお世話になった。
でもさすがに草臥れて来たのか、今日の激しい雨で、あちらこちらから雨粒が染みだしてくる。 そして時には天井からポタリ。
『うん、そろそろ買い替え時だな。 でも、よく頑張ってくれたよなあ。 ありがとう!』
***
2014年9月7日(日) テントのフロアが水浸しになりながらも、なんとか快適に眠る事ができた。
朝は、いつものように5時に目が覚める。
テントからはい出し、お湯を沸かしてまずは温かい味噌汁で体をあたためる。
朝食は、買い込んで来ていたパン。 海を眺めながら、パンをかじり、天気予報を確認した。
食事を終えると、濡れたテントやマットを片付け、カヤックにパッキングしていく。
『さあ、今日は牛窓まで約2時間のパドリングだ!』
7時前には漕ぎだした。
***
海は穏やかで、空気も昨日とは入れ替わった様子。
風も心地よく、かすかに秋の雰囲気。
朝方は曇り空だったが、次第に青空も覗いてきた。
牛窓の町が見え始める。
しばしパドリングを停め、水分を補給し、アンパンでエネルギーを補給。
***
約2時間ほどで、牛窓へ。
前島との間の狭い瀬戸を追い潮で抜け、
小さなスロープにカヤックを引き揚げる。
荷物を片付け、カヤックをパッキング。
折り畳んだクルーソー460をゴロゴロと引っ張りながら、牛窓の町を抜けていく。
どうやら今は、ひな飾りを公開しているらしい。
観光案内所の所まで行き、タクシーを呼ぶ。
邑久駅まで、タクシーで移動。 料金は3,000円ちょっとである。
なかなか良い雰囲気のローカル駅である。
岡山駅からは新幹線。
車内販売でエビスビールを買い、一人で乾杯!
あっと言う間に広島へ。
***
ようやく秋が来て、『旅するシーカヤック』の季節が戻って来た。
その第一弾として実行した今回の尺取り虫旅。 児島からスタートし、目的地であった牛窓まで無事にゴールする事ができた。
さて、次回は10月かな? 牛窓からでて、どこまで行こうか? 楽しみだ!