自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

グロース物語その1

2007-10-18 18:27:49 | ファンタジー
グロースセミナーは4泊5日の体験学習だけではありません。
スタートは、7月16日のセットアップセミナー、8月の4泊5日の合宿。
そして、9月17日のフォローアップセミナー。
トータルで64日間のセミナーです。

士幌から帰ってきてから、子ども達は夏休み本番となり、9月の2学期がスタートします。

夏季休暇という非日常から、彼らの日常である、学校生活に戻るのです。

そんな彼らが、楽しみにしているのが、このフォーローアップセミナー。
学校の友達ではない、学年も様々な、「仲間たち」や、大人のイントラやサポーターに会えるのは、とてもワクワクする体験のようです。

北海道から帰ってからこの日まで、ひと月以上あきます。
その間に、子ども達に、「ものがたり」を作る宿題を出しています。

物語の始まりだけ、グループに与え、その後のお話を、グループの一人一人が順番に作っていくのです。

いくつかのグループのお話をご紹介しましょう。

物語は、こんなお話から始まります。
グループ名:ウグイス

ボクはむちゅうになってイモをほっていた。
いくつかの小さなイモのなかに『でっかいイモ』が、ひとつあらわれた。
手にとってながめていると、とつぜんそのでっかいイモがはなしをはじめた。

この後に子ども達が続けていくのです。


「こんにちは わたくしは ジャガイーモォ です。わたくしはカレーになりたいのです。」
ボクはおどろいて、しばしばにジャガイモをみせにいきました。
(けんいちろう 1年生)



しばしばの所に行くと中、ジャガイーモォ は少し考えて「カレーになる前にこの町をたんけんしてみたいんだ!」
と言って、足と手を「にょきにょき」と出してにげだしてしまいました。
ぼくはひっしになって ジャガイーモォ をさがしました。
ジャガイーモォ は長い間 土の中にもぐっていたので、ほりだしてくれたことがとてもうれしかったのです。
ジャガイーモォ はいろいろなところをたんけんしたくなったのでした。
(そよか 3年生)



まちについて ジャガイーモォ は、見ました。
ジャガイーモォが見たのは ジャガイーモォ のなかまでにんじんくんと、いうなまえです。
ジャガイーモォは、にんじんくんと、おともだちになって、いっしょにまちをたんけんしました。
まちには、いろんなものがあってびっくりしました。
ジャガイーモォは、いいました。
「ぼくはかれーになるまえに、まちにいくっておとこのことやくそくしたんだ。」
にんじんくんが、いいました。
「ぼくもかれーになってもいいかい。」
ジャガイーモォがいいました。
「いいよ。」といいました。
ジャガイーモォたちはまちからでるところでした。
(かずね 2年生)



ジャガイーモォは、にげるときに、こっちに大きなトラックがきて ジャガイーモォは、ひかれそうになったけど、すぐにトラックの下にいどうして、ぶじにまた走りはじめました。
ジャガイーモォは、つかれてしまったので、すぐ近くにぼくじょうがあって、ウシのエサになる草の上できゅうけいしていると、牛の昼ごはんに ジャガイーモォのきゅうけいしている草をとろうとしたので、いそいでぼくじょうをでました。
町について ジャガイーモォ はおどろきました。
(ようすけ 中学3年生)



ジャガイーモォ達は、町からでてわざわざ北海道のヌプカの里まで行き、グロースセミナーの子ども達にカレーを作ってもらおうとしました。
その北海道へ行く飛行機の中で、たまねぎちゃんをみました。
にんじん君はききました。
「もしかして君もグロースセミナーの皆にカレーを作ってほしくて北海道に行くの?」
たまねぎちゃんは
「そうよ」
とすました顔で言った。
「じゃあいっしょに行こうよ」
と ジャガイーモォ は言った。
「しょうがないわね」
と、たまねぎちゃんは言った。そして、北海道についてヌプカの里へ向かった。
(かい 中学2年生)



ジャガイーモォは、ヌプカの里に行き、グロースセミナーの皆に会って、たのんでみた。
「ぼく、わたしたちを かれーにしてほしい」
ジャガイーモォ、にんじん君、たまねぎちゃんは、言った。
すると、グロースセミナーの皆は
「いいよ」と答えた。
そして、ジャガイーモォとにんじん君、たまねぎちゃんは皆に、カレーを作ってもらうことにした。
まず、ジャガイーモォは、かわをむいてもらい、一口サイズに切ってもらい、にんじん君とたまねぎちゃんは、切ってもらってから、カレーのなべにいれ、いためて カレーのルゥを いれ、みごとにジャガイーモォ、にんじん君とたまねぎちゃんのカレーが完成した。
ジャガイーモォたちは、とても喜んだ。
でも、味はどうかなぁと思い、グロースセミナーの人たちに食べてもらった。
皆はおいしい、といっていた。
ジャガイーモォはホッとした。
最後にジャガイーモォたちは、「もっとカレーをたくさん作ってね」と言った。
終わり
(まなか 小学6年生)



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2 コメント

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はじめての物語 (tomoe)
2007-10-19 16:29:10
フォローアップの時にこのお話を見て、凄い!ジャガイーモォが仲間と出会って美味しいカレーになってる!って思いました。
冒険あり、仲間との出会いあり、スリルあり、空も飛んで・・・最後は望みが叶う。
最後にただ食べられるのではなく、「もっとカレーをたくさん作ってね」と言うのが何とも話に奥深さが出ていて好きです。
どの場面もその子らしさが出ていて良いですね。
物語って楽しい。

家の裏話ですが、1年生なので物語を作るのは正直大変でした。
やっとひらがなが書けるようになって来た所で、文章を自分で構成するって難しい作業です。
画用紙を前にして本人しばらく凹んで悩んでいました。
無理~って何度も言ってましたが、イモがなにか話をしたんだって、なんて言ったと思う?って聞くと、しばらく考えてから「わたくしはジャガイ~モォ~です」と笑いながら言いました。
言い方のイントネーションが面白いんです。なので書き留めた時にジャガイーモーではなく、ジャガイーモォと書きました。本人それがとても気に入ったらしく何度も言っては一人で大笑いしてました。わたしではなくわたくしって言うのも彼のこだわりだったみたいです。
彼が言った事を私が書きとめてそれを紙にまる写しして何とか物語を作りました。短いけど彼にとってははじめて作った物話です。

色塗りの時、夏休みの朝顔の観察日記を描くようにはじめて色鉛筆を買ってあげたのが嬉しかったらしく、色鉛筆であの大きな画面を全部ぬろうとしてました。時間もかかるし途中で飽きたらと思い絵の具を出したのですが、彼は絵の具もあまり使った事が無くてほとんどはじめてでした。
あとで聞いたのですが、かずねちゃんが絵の具で塗らなくちゃいけないのかと思ったそうで・・・余計な心配おかけしました。

はじめてづくしの良い記念にもなりました。
このページ印刷して残して置こうと思います(親ばか)
学校から帰って来たので一緒に読んだら、やっぱり大笑いしてました。親子で楽しんでます。ありがとう~
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あのぉ… (ぴよこ)
2007-10-23 23:10:32
tomoeさん?
私の記憶が確かなら、
けんいちろうさんは、かなり小さい頃から
えのぐと戯れておりますよ?
ええ、証拠写真もありますとも。
壁面いっっっぱいに、ふでで描いているものや
大きくなってからは、スポンジでもやれましたね。
確かに、tomoeさんのダイナミックさにしてみれば
ほとんど触れていないようなものなのかも知れませんが…笑
あ、小さい画用紙に描くのが初めてってコトかな?
まぁ冗談ですけど。笑

初めて、自分のえのぐ、きれいに色の揃ったものを
前にしたときの感動って、今でも覚えています。
大事に、大事に、使っていました。
ひとつひとつの色を大切につかっていたおかげか
小2から小6まで 毎年、絵画展では金賞を頂きました。
(あ、すいません。数少ない自慢です。笑)

それも、あの初めてのときのインパクト、喜びのおかげかもしれません。
そして、今の仕事にも、それはつながっている気がします。

はじめてずくしのグロース体験。
これからの彼の人生に、どんな影響を与えてゆくのでしょうね。
これからも、陰ながら見守らせていただこうと思います。

つながる未来。楽しいですね~!!



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