きょうは、1900年に東京大神宮が『神前結婚式』を世に広めるために、PRを始めた日だそうで、それまでは結婚式は家庭で行うのが普通で、この地方でも終戦後まで自宅で行われていました。
ご近所で結婚式があると、嫁入り道具に家具がトラック一 杯に積まれて来て、それを見に隣近所の人が見学に集まり、婿(むこ)の家では結婚式が始まり、仏壇の前で仲人が取り仕切る「夫婦さかずき」と呼ばれる儀式がスタートし、杯に酒を注ぎ終わるごとに儀式役の人が「おさかなここに」と大声を張り上げ、箸でスルメを持ち上げるのが決まりとなっていました。
その頃 、子どもの私はお嫁さんが婿の家に到着すると近所の子ども達と一緒に、嫁が持参した「土産の駄菓子」を受け取る習慣があり、お菓子を目当てに結婚式を見学したものです。
結婚式や葬式など、手伝いをした濃い親戚や近所(組の人)が食事の準備や後片付けをすることから、翌日「まな板 払い」という祝宴が嫁披露を兼ねて行われ、連日 さまざまな人々に嫁を紹介する場面もありました。
戦後間もなくして高度経済成長とともに、結婚式は自宅でなく結婚式場で行うようになり、式場での「神前結婚式」を終えると披露宴が華々しく行われるようになりました。
最近では、コロナ禍によって儀式の方法も変わり、出席者を限定し少人数で簡素な方法が多くなりました。親戚などとの唯一のつながりを保つ結婚式や葬式も、様変わりしました。
コロナが5類になって、儀式はいったい戻るのでしょうか、それともこのまま戻らないのでしょうか。