兵藤恵昭の日記 田舎町の歴史談義

博徒史、博徒の墓巡りに興味があります。博徒、アウトローの本を拾い読みした内容を書いています。

新たな違法貸金業者登場・・・

2013年05月03日 | 金融
NHKクローズアップ現代で高年齢者の年金担保の高利貸金業者が話題になっている。年金受給者の年金担保に、価値のない質草を入れて、融資をする新しいタイプの貸金業者である。質屋の場合は年利100%以上の金利が合法化されている。この点に着眼して、質屋の形態をとった新たな貸金業である。

年金を貸金の担保にすること自体違法だが、年金受給日に貸金の返済条件とすれば、返済原資は間違いない。年金を返済原資となれば、融資額も多額ではない。数万円から数十万円の融資額からスタートすることになる。クレジットのキャッシングと同じ扱いで、借りる方も金利負担をあまり感じなく、高利貸から借りている感覚もない。

事実、借りている本人も貸金業者に感謝している言葉も聞こえる。しかし、長期間融資を繰り返しておれば、金利負担は膨大なものになる。

番組の中での質問で、悪いのは借りた本人であり、貸金業者は悪くないとの言葉が利用者自身が述べている。考えてみれば、おかしな話だ。犯罪者・加害者より被害者の方が罪の意識を持っている。高年齢者は自己責任という考え方が強いためだろう。ゆえに相手が悪いのでなく、自分が悪いと考える。これは借りる個人の問題ではなく、高齢者への支援の制度に問題がある。

単に年金を担保にした融資を禁止するだけではなく、年金を担保にしても低利で融資をする融資制度を作るべきだ。現在の金融機関における預金金利はコンマ以下の金利状況で、100%の金利とはまさに犯罪そのものである。金融機関はもっと年金担保等の小口融資をしっかりと制度化すべきだろう。しかし、リスクと手間費用の面で、この分野に積極的に進出を考える金融機関は皆無である。そうならば、公的融資で対応せざるを得ない。

貸金業者の摘発ばかりを考えても、問題の解決にはたどり着かない。重要なのは高齢者のためのセーフティネットの構築が必要である。こういう弱者にはなかなか政治からも援助の手が差しのばされない。新自由主義的な考え方の強い現在の安倍政権には期待する方が無理かもしれない。第一に、次の選挙で票にもならない階層である。本当に、民主主義とは問題解決に時間のかかる制度である。
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