兵藤恵昭の日記 田舎町の歴史談義

博徒史、博徒の墓巡りに興味があります。博徒、アウトローの本を拾い読みした内容を書いています。

株価は上がり、債券市場も混乱収まらず。この先は・・・

2013年05月21日 | 金融
4月の異次元緩和から1カ月が経った。一時、収まった国債市場でまた金利の上昇が始まった。
これほど黒田日銀バズーカ砲で金融緩和のために大量の国債買い取りをしているのに、日銀の思惑と反対に金利は上昇気味だ。特に長期金利の上昇で、住宅ローン金利も上昇している。
政府、リフレ派の説明では投資家が国債から株式に移動しているためと言っている。
現在の株価の値上がりは海外の投資家が日本の株式を購入しており、日本の投資家はむしろ利益確保のため、株式の売り越しになっている。
日本の投資家はアベノミクスの行方に不安感を持っているようだ。積極的な財政政策でGDPは上昇、景気回復の動きはあるが、本来の企業収益の見通しはまだ不透明だ。
株式値上がりにより、株式の評価益が発生して、企業収益は上昇した。これはまだ未実現利益でしかない。
企業の設備投資につながるものではない。当面は自己資本積み増しのための内部留保に向かうしか方法がない。
インフレ率の上昇から企業の金利負担は確実に増加する。従って、政府の期待する賃金引き上げまで行くのはまだ遠い将来の話になるだろう。
国債市場での金利上昇は、先行きの金利上昇を見込んだ地方銀行がリスク回避のために、既存の国債の売却に向かったためである。地方銀行は長期国債を売り、短期国債を買う動きが活発化するだろう。
いくら、国債の金利が低いからと言って、株式や外債投資へのリスクより、ずっと国債の方がリスクが少ない。中小企業への融資拡大などは表面上は唱えても、収益確保のためには、本当のところは国債の安定性の方が確実であり、安定収益が確保できる。当分は円安での輸入価格の上昇による輸入インフレが発生するだろう。
そのうち、消費税引き上げで、前回の小泉政権同様に、賃金上昇のない、バブル気味の物価上昇と実感なき景気回復の結果、景気低迷に陥るのではないだろうか。

http://www.bb.jbts.co.jp/marketdata/marketdata05.html
コメント (1)
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