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北京五輪の翌年(2009年)からの外教(外国籍教師)生活と地元での留学生との触れ合いを綴っています。

N1合格への過程

2014年11月20日 | 日記
11月20日(木) 晴れ

今日は少しばかり暖かさが戻った一日でした。
今週初め、学生寮にも暖房が入ったのかどうか確認したら、まだ入ってない建物もあった
ようで驚いたのですが、火曜日の午後には入ったようです。
遅くなった影響か風邪をこじらせている学生が散見されました。
暖房を入れる日が決まっているのにそれに対して準備ができていない、いつものこと
ながら呆れますね。

さて、今週は2年生の授業で日本語能力試験N1合格までの過程について話しました。
四年制大学の多くがそうなのかどうか分かりませんが、この大学の学生は受験開始が
遅いのではないかと思っていたのですね。

前の学校は3年制で3年生の1学期終了後に実質卒業でしたので、遅くとも2年生の
2学期でN2を受験していたのですが、この大学では3年生になってやっと受験という
学生が圧倒的に多いのです。
もちろん、受験料が高いので上級生になってN1から受験という理屈は理解できますし
経済状況を考えれて無理を言わなかったのですが、昨年と今年の4年生の状況を見て
早めの受験を促すことにしました。

まず、いつまでにN1を取得したいのかという質問から入りました。
卒業するまでに取得できればいいのか、それとも就職活動に入る前に必要なのか。
圧倒的に後者が多いです。

多くの学生が2学期から就職活動および実習期間に入るため、遅くとも12月の試験で
N1が必要です。その為の逆算を紹介しました。
たぶん、この「逆算」というものが中国人にとってはかなり苦手と言いますか、彼らの
意識にはないのだろうと思える言葉です。

4年生12月 N1合格
3年生 7月 N1不合格
3年生12月 N2合格
2年生 7月 N2不合格

わざわざ2年生の試験で不合格と記したのには理由がありまして、学生の多くが事前に
自身で模擬試験を行わないのですよね。その理由が分かりません。
普段真面目に勉強に取り組んでも試験対策が十分でなければ、準備が整ったとは言えない。
初めて受験して不合格になり、初めて己の改善すべき点を知り対策を考え始める。
第一回目の試験が模擬試験代わりになってしまう、非常に効率の悪い方法です。
とはいえ、やらないものはやらないので不合格を前提に話をします。

またN2が必要なのかどうかという疑問も学生にはあるのですが、N1から受験を
始めるとN2受験はする気になれず、レベルは既にN1にありながら証明書がない
という悪循環に陥ります。
昨年、倩が大きなプレッシャーの中でN1を受験しました。

上記のように4回も受験になると合計金額が1800元となりますので、かなりの負担ですが
仮に3年生の7月からN1の受験を始めて2度失敗し4年生の7月に漸く合格できたと
してもその証明書は就職活動には活かされていない価値のないものになっていまいます。
つまり4年間という時間が無駄になって終わってしまうということですね。

少々耳が痛い話だったとは思いますが、この大学の学生の受験が遅いということは
今までの教師がこういう話をしなかったのでしょうから、後で後悔しないためにも
話しておきました。
どれだけ学生の耳に残ったかは不明ですが、来年7月にN2を受験する予定の学生は
真剣に頷いていました。


コメント
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