1月12日(土)、仕事で三宮の東遊園地(ルミナリエのゴールの公園)を通りかかった。被災者のネームプレートがかかっている建物(メモリアル施設)に初めて足を踏み入れた。この歳で初とは…恥ずかしながらである。
場の力とはこれなのだなと思い知らされた。地下の入り口に立った瞬間、風が吹いたように感じた。圧を感じた。何だこれは、と思った。
あの地震は私の人生の一部になったのだろう。しみじみ、今そう思う。
舞台であの圧を再現できるだろうか。いや、地震をではない。被災の悲しみをではない。あの場の力、圧をである。それができなければ役者でいる意味がない。芝居をする意味がない。なぜ40年以上も芝居と関わってきたのだろう?この圧を体現できずして何の演劇か。
どんなにのどかな芝居であろうと、そこに生きた人がいなければ、それは暇つぶしの戯言だ。のどかであろうと、スリリングであろうと、そこに人が生きていることが大事なのだ。そういう芝居を私はやりたい。これからも、いつまでも。