芝居をしていて、お客様から掛けられる一番がっかりする言葉「上手だねえ」「うまいねえ」。これは銭もらってる身からすると嬉しくない。発表会じゃないからね。木戸銭もらって「下手だねえ」と言われた日にゃ立つ瀬はないけど…。一番うれしい言葉は「面白かった」「楽しかった」「泣いた、笑った」かな。楽しんでいただけたなら本望。この上ない喜びです。
そんな私らも芝居を観に行きます。
先週、あべのハルカス、ウイング館SPACE9であったバーナード・スレイド作「セイムタイム・ネクストイヤー」を観ました。男女二人の135分の二人芝居。演出 高橋 恵。30年前に加藤健一事務所がやった時以来、久しぶりに観た私の好きな作品です。これまでも度々上演されてきましたが、今このタイミングで観ておくべきだと思い、足を運びました。
いやあよかった。面白かった。何よりSPACE9の空間が物語を身近なものにしてくれました。30年前の加藤健一と高畑淳子の公演は、そこそこの大ホールだったと記憶しています。その時よりも親しみやすい楽しい物語になっていました。主演の二人もとてもチャーミングでよかった。達者かどうかよりも、如何にお客様に楽しんでもらえるかが重要。観に行ってよかったです(^^♪
楽しい気持ちは幸せのムーブメント。そういった気持ちを基にして自分たちの元気を沸き立たせ、また私たちもお客様を楽しませるのです。「幸せの循環」?とでも言いましょうか。素晴らしい御業は眉間に皴寄せてばかりではうまくいきませんぜ(^^)/
そういやぁ、30年以上前になりますが、あの頃、舞台(大阪公演)の仕込みの人足でバイトしていました。日給は5千円程度。でもよく、仕込んだ芝居をただで観せてもらいました(セイムタイムもその頃)。たまには飲みに連れってってもらったりして。加藤健一さん、やっぱ顔デカかったです。そこで別公演の木野花さんと偶然出会ったりとか…、何か面白い時代でした。