Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

ヤムチン雑器好き

2019-04-20 04:06:11 | ラジオ亭便り
沖縄では土もの陶器のことを昔から「ヤムチン」と呼んでいる。「ヤムチン」を好きになったのは泡盛酒などを入れる一種の陶器製水筒として使われてきた抱瓶(ダチビン)に魅せられた事が発端である。魚紋様や草木紋の絵柄。赤や青の色使いの素朴なダイナミズムに魅了されて古めな抱瓶を何個か集めてきた。酒を嗜む習慣がない自分としてはこれに季節の野花を挿すという野暮な喜びが陶器好きに拍車をかけてきたのだと思っている。

その抱瓶も古格のあるものは最近は高くなって入手が難しくなっている。昨日も伊勢佐木町の古道具屋で抱瓶を見つけたが、1300円という値段はさておいていかにも現代沖縄観光土産風な趣きに触手が動かなかった。

その代わりと言っては何だが、数日前に友人の佐々木さんと歩いていて見つけた壺はやはり同じ値段の1300円。2キロ以上はある重いものだが、銀色シールの印刷形状からして数ものの花入だ。「琉球焼物 宮城窯業」と記されている。窯業地が壺屋に集中していた昭和戦後の香りがするロゴシールである。佐々木さんなどは鎌倉付近の「ヤムチン」もの専門店で新旧の比較視座というものを体得しているせいか、こげ茶の器体に一面に施された斑ら模様の三彩カラーの沈み方に年月を感じているようだ。自分はこの斑ら模様のコントラストがミロの絵を見ているようでファンタジーを楽しむ「用の美」を保持する数もの良品と踏んだ。これを手運びして翌日は横浜橋商店街で季節花を買う。


「かすみ草」「啓翁サクラ」980円。昼飯をグレードダウンさせても余りある清楚な花の表情。座間に戻って採ってきた「山吹」根岸、石井家の軒先から頂いた「紫蘭」。ヤムチン雑器と陽春の花に囲まれて自分なりの時間を慈しむ4月の時候だ。
営業日ご案内 20日(土) 臨時休業日 21日(日)14時〜19時 27 28日 13時〜18時 平常営業日

花見

2019-04-01 19:32:07 | ラジオ亭便り
横浜の南部地区でアルバイトをしているせいか、運転しているクルマの中から春を迎えた樹木の表情を毎日のように感じ取っている。辛夷、紫木蓮の街路樹が盛りを過ぎる頃、桜が咲き出し公孫樹や柳も健やかな青い芽を吹き出す。この週末は店の合間に友人との花見散歩が楽しかった。

土曜日が八分咲きの根岸森林公園、日曜日は麦田の至近にある山手公園の満開を迎えた大きな古木の桜を見物する。根岸の方は旭台、滝の上付近からの遠景長尺景色に霞んでいる桜が味わいに溢れていた。山手公園の方は量より質を愛でるべき横浜の桜名所だ。

同行した5名の中のS女史は審美眼も繊細のせいか、花見会場に敷かれている毎度お馴染みのブルーシート使用をドレスコード風に規制すべきと語っている。確かにあのブルーが齎す浮かれすぎな俗流リアリズム的質感は日本最古の西洋式公園の色彩には似合わない。地味な草色、茶、臙脂、のシートならば桜景色を汚さない筈等と共感してしまう。
一行で桜を堪能してから元町裏のフェリス女学院に近い陶器店「ボクの ワタシの」へ寄り道、更に中華街まで足を伸ばし春休みで混み合う「鳳林」でそれぞれが「牛バラ肉麺」「五目焼きそば」の手練れた味を楽しむという静かな花見会になった。
営業日のご案内 4月6(土)7(日)13(土)14(日) 13時〜19時