Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

電車も町もガラガラ

2020-04-26 20:38:00 | ラジオ亭便り
横浜市内で生活の大半を過ごしているが、コロナウイルスによる外出、営業自粛のせいで付近の街は静まり返っている。本牧、石川町、元町、中華街等にある諸分野で通い慣れた店がどこも自粛休業、または短縮営業という張り紙。こういう風景は横浜の戦後生まれでだいぶ歳を重ねてしまった自分にとっても初体験のことである。

先週末の金曜日だったか?夜の8時頃、夕飯目当てに中華街を歩いてみた。前田橋という堀川(中村川の延長)にかかっている橋を元町側から渡って中華街を一周してみる。沢山ある大小の料理店、土産物屋、雑貨屋、占い屋の全てが閉まっている。市場通りの小路、本通りに並行する南側の関帝廟通り、いずこも同じだ。商売への意欲や執着だったら日本商人を遥かに凌ぐ南支華僑末裔、又は福建、東北系新興料理店、どこも今回のコロナウイルスにはほとほと困っている様子が漂ってくる。

これは全部駄目と諦めて西側の一角へ辿り着いた。そこでようやくオープンしている店を発見。「馬さんの店」という時々「龍仙粥」を食べに寄る店だ。向かいにある店も営業中だが、ようやく「馬さんの店」にて海鮮粥と水餃子にありつける事になった。料理配りの素早さと愛想不足が同居している女子店員は暇を貰っているのだろうか?中華街風「藪入り」店内は我が方と二組だけの閑散模様だ。経営する奥さんは少ない客それぞれに気を配っている。人々が犇いて密集していないガランとした中華街の不思議な初体験光景の晩になった。
ご案内5月2日、3日13時〜18時 アナログLPをかけています。

巣籠もりの癒し

2020-04-07 17:40:49 | ラジオ亭便り
コロナウイルス感染拡大によるアルバイトの自宅待機、外出自粛要請等、不安が押し寄せる毎日だ。懐の方の行く末も十分に不安を煽られる状況だが、徹底的な「都市細民」暮しの幼少時で鍛えられた天性の忍耐力と心の足腰は曲がっていないので未だ持ち堪えることはできそうだ。外出も自己責任で平常の気持ちで自由自在にこなし、質素な和風伝承食生活にも工夫を凝らす毎日である。

先週の平日は真鶴半島に住む音楽を含むアート嗜好が同類の高齢単身老人宅を訪ね旧交を温める。ガラガラに空いた東海道線の車窓から海辺を背景とする西湘地方の沿線桜の絶景をまるで独り占めする様相、そしてこんなにも桜を静謐に味わう四月というものは初めての経験である。

知人が住む海を眺望する家に繋がる崖上の斜面を彩る花々が開花する季節も良い。菖蒲、菜の花、大手毬、などの花塊と後方で凪ぎ日和に靄っている相模湾の青のコントラスト、これまた自然に囲まれて在ることの至福感の極みである。

座間の専用庭では今年もモッコウバラが咲き出した。サッシ窓を開け放つとクリーミーな香りが立ち込めてくる。

団地を囲む生垣の植栽類を眺め歩いていた時、初めて頭上に溢れるアケビの紫色花を発見。山渓社の樹木図鑑を調べるもこれは「三つ葉あけび」とは葉の形状と枚数が異なる「あけび」に間違いがない。

これを少し手折って先週の横浜町歩きの途中で見つけたモダーンでいかつい益子の角瓶に挿して見た。黒く敷き詰められた釉地に茶色の柿釉抽象絵模様が施してある。フォルムは河井寛次郎に連なって行く思い切りを感じさせる形象である。じっと見つめていると大胆なこの瓶もあけびの花も互角の力量を相乗化させて良い勝負をしている。


数年前にアマチュア自作品として頂いたガラスの花瓶には近所の自作農家から150円で買ってきた菜の花を挿してみた。こうして借りている公営住宅の寂しい窓辺の春を愛でることができるのもコロナウイルス籠りが齎す心の薬効なのかもしれないと私かに微笑む昨今である。
12日(土)13時〜18時オープン

コロナ事変

2020-04-02 09:52:56 | ラジオ亭便り
コロナウイルスの蔓延を受けてアルバイトの出勤予定日が勤務先の都合で二転三転と覆る日々である。次は4月8日迄出勤がないから、それなら週末カフェを連日オープンにすればいいのでは?と一瞬は思うのだがことはそう甘くない。世の中が異変等で鎮まる時はしがないカフェも一緒に鎮まってしまうのだ。


ついでに便乗閉店にするか?と夜半になって思案してたら寺島靖国氏からの電話がくる。月に数回の電話による時局雑談というところ。
「世間ではライブハウスへ碌々行ったこともないような沢山の人たちの間で、ライブハウスという言葉がとんでもないところですっかり有名になった」「TVなどで繰り返し人が密集するライブハウスが汚染源になったと言うなら超満員電車に一時間も密閉されるのはどうなんだ」「新宿のJも閉めることになったらしい。原因がコロナにあるのかどうか知らないが?」
お互いがコロナ時局に関係した応酬を重ねる。遥か昔TVで日曜日にやっていた保守反動論客の細川隆元、小汀利得が羊羹か何かを摘みながら勝手なことを曰う「時事放談」みたいな組み合わせだ。電話の向こうで皮肉に失笑している様子がありありである。

新宿、吉祥寺などの繁華街のジャズライブハウス、カフェもコロナウイルスによる長期間の客数減が響いてきてダメージは相当に深い昨今である。寺島氏がかっての「メグ」の他に経営していたお洒落なカフェも数軒は残っている筈。しかし、こぼし話は出てこないところを見ると、なんとかうまく凌いでいる様子である。

寺島氏はカフェの真似事をしているこちらの景況にも水を向けてくる。昔から他人の景気が良いなどという話を喜ぶ人ではない。昔、居合わせた「ファンキー」の故野口伊織さん、「A&F」の大西米寛さんを交えてお互いの店のその日の客数を披歴しあっている様子が思い出された。「メグ」の客数が一番悪かったりすると途端に機嫌を損ねるような人物だった。それを熟知しているので当方の応答も低迷路線側に話の舵を取ると寺島氏に喜色が浮かぶ様子が見えてくる。(私)「コロナの影響を云々する以前から絶対に少ない客数の変化が見られないのはうちくらいのものだろう」と自虐風自信に真実を込めて答えるしかない。

何と言っても一日あたりの客数がいつも上限で7人を超えることがない停滞店である。コロナウイルス騒動が起こってもコンスタントに顔を出してくれて見切りをつけていない数名のお客さんの顔が浮かんでくる。(私)「いっそ、都内のブックカフェみたいに入場料制にして1000円を払えばソフトドリンクのお代わりは自由にする。そして店主に会いに来るのだから愛想良く好きな話題に応じる。それで一日10人のお客さんが来て20日営業すれば月商20万円、これに微々たる年金を足せば、貧しくも心豊かな生活が維持できるのだが。。。」いつもながらの小さな「捕らぬ狸の皮算用」っぽいセリフをこちらが口走ったら寺島氏に笑われた。
(寺)「その10人が甘くない。10人が現れるには100人以上のリピーターが変わりばんこで週イチペースで来ないと成り立たないよ」(私)「うちのリピーターはせいぜい30人くらい!あと70人を確保するのは至難の業だね」こんな会話を30分くらい応酬することになる。今回のコロナ事変ともいうべき生活の様相変化の波を被って少し身の処し方を考えざるを得ない寺島氏との電話雑談になった。
4月4日(土)休業、5日(日)オープン13時〜19時 11 12日以降4月中の週末カフェを休業とします。